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讒文芝居

●最近の此のバンド弩豪い(バンドではないけれど便宜的に)

■Moon Martin(ムーン・マーティン)

しかしオレは思うのだ。
人を驚かすのがロックの基本コンセプトであるなら、
インチキであればあるほど、
それは純化され逆にロック本来の姿に近づいていくのだ。
(大槻ケンヂ「90くん」)


マッシュルーム・カットが非常に怪しい、アンディ・ウォーホルの様な
マッド・サイエンティストの様な中肉中背の怪人。
眼鏡を掛けている者は、最早、ロッカーには為れ無いと
その昔の音楽齧り達は云っていたが、そんなの間違いも甚だしい。

映画「オースティン・パワーズ」の様な扮装は、実はサイケでロック
そのものなのではないのか。
実は、初期ビートルズがそんな恰好だったのに、此の怪人がすると
途端に異次元の怪訝さが横溢する。


ファンク、ディスコやAOR、ニューウェイヴ、オールディーズ等を横断、
ガレージ・ロックも鳥渡感じる。
敢えてのダサ恰好良さをガンガン前に出す80年代から90年代までの
再流行には乗る感じの「セイント・モーテル」にも似た志向だが
音が図太く、選りロック色が強い。

胡散臭くインチキ臭い。
物凄く単調に、だのにきちんとお洒落。


ダサ恰好良さをお洒落な音色で味付けするのは能く聴くが
遣り過ぎ無い程度に泥臭く如何わしい古めかしいロックの様な
ギタア・フレーズが飽く迄主役で(例外曲もあるが)
展開等がディスコしていくのだ。

AORの様に耽美に心をマッサージする様な濃やかさも健在なのに
其処此処に偏在する怪しさ。只爽やかなのを赦さない。
「あの頃」を再現する、再現しつつ更に飛躍する音楽隆盛にあって
余所に足りないのは、そんな「インチキ臭さ」である。


音楽を「これは本物、これは偽物」等仰る向きもあろうが
形無き物に本物も偽物もない。
然は然り乍ら、たかがインチキ然れどインチキ
巧いインチキに騙され度いのが人情だろう。

■Bad Case Of Lovin' You

■Cadillac Walk

■Bad News


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