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讒文芝居

●最近の此の曲弩豪い

■太田貴子「LOVEさりげなく」



 ぴえろ(前スタジオぴえろ)の
魔法少女モノのコンピレーション・サントラを買った。

買って仕舞った。基、まんまと買わ然れて仕舞った。

因みに筆者は
各種配信サブスクリプションは疎かスポティファイにも入会して無い。
課金せずば、飛ばせぬと謂う制限が掛かっては居るが
際限の無い自由と謂うのも賞味、興醒めを早める丈で在ろう。

矢張り好い意味でジャンクで不完全な
ユー・チューブ(ユーチューブ・ミュージックでは無い)
で動画として「テキトー」に流し聴きするのが
一番面倒で無い上に世界各国の有名無名拘わらず
何と無く自然に触れられちゃうから、至極馴染むので在る。

懐かしい物から最新の物、何故乎、日本人からすると「何故只今?」と
頸を傾げる物迄が、ほぼ同率且つ公平に流行る。イイ時代だ。

アニメもまあまあ好きだったし、
別段、魔法少女モノも分け隔て無く観て居た。

だから
デリケートに好きして」「おしゃれめさるな
見知らぬ国のトリッパー」「金のリボンでRockして
等は有名だし憶えて居た。
だが、蓋し強烈に音源を買いに疾走らせる程では無かったから
此れ迄サントラに手を出しては無い。

 

 而して、引鉄と為った此の曲。

イントロの丸でファミコン初代にナムコから出て居た
「デジタル・デビル物語 女神転生」での「戦闘シーン」(5:55)
の如しリフっぽい電子音が魔法少女物に似つかわしく無い
明らかに異質喃、硬質さと野蛮さ、此の世の本質を衝く。
其れ丈では無く、後のB'zの松本氏のギターが這入った乎と想えば

もののあはれ」を体現する乎の如きハード・ボイルド過ぎる歌詞。
だのにハード・ロックには安易に着地せず、

物凄く不穏で硬派、だのに主旋律はポップと謂う按配で
サビで脳天が痺れる程に恰好良い。

其れ丈でも魂消るのに本編の主人公、マミの声を担当して要る
「太田貴子」さんの「やくしまるえつこ」さんや
オジー・オズボーン」御大にひけを取らない
「訓練では出来ぬ特徴的で魅力的な声」が
丸で外宇宙からの声の如き御サイケを引き起こして居る。

一聴して、門外漢や五月蠅方に拘わらず、
「何じゃ此りゃあ!滅法恰好宜しい!」と理屈抜きで想って仕舞う程の
丹念で叮嚀な拵えに満ち満ちて充実して犇めいて、
子供騙しの真逆で一切手加減せず、
後後に此れを聴いた児童の人生に、恋や愛ばっかりと見せ掛けた
本編の添え物を度外視した示唆を与えられ、

一度聴いたら、先ず忘れられぬ。


 短絡喃衒いや、あざとく持て囃される丈の派手さでは無い、
本当の創意工夫。其れが奇跡に近い均衡を齎し、
生半では生まれぬ心への波紋を生む。

創った当時の、只の仕事では無い云十年後後の世に人の耳に迄遺す気概が
クールな曲調に相反して、情熱の焔共(ごと)真空パック然れて、
時代を超えてブチ籠って反響して残響して居る、只今も。

此れが、真実の贅沢喃音楽と謂う物だ。
だから買わ然れて仕舞う。買わ然れて仕舞って一縷も後悔は無い。

数十年は遺るし、数十年経っても同じ乎
人生経験が理解に拍車を掛け、其れ以上の新鮮さで
人を感動然せて紛れも無くて当たり前。

其れに及く価値は無いのだ。
其れが世に謂う「音楽」だ。

噫、音楽よ。願わくば、今日も明日も明後日も然う在れかし。