●最近の此のバンド弩豪い

■Funky Destination「Havana」

■Ferry Ultra and the Homeless Funkers「A Little Soul」

■Big Boss Man「Sea Groove」

レア・ファンク
（紹介している3バンドは若し乎して、
厳密には違うの乎も知らんケド）
と謂うのが近年迄解らなかった。
只今も、解って無いってば解って無かろうが、
此の３バンドは如何もファンクの一種らしい
（実は他の記事でも書いたフュージョンだと思い込んでいたバンド、
Yellow Jacketsもファンク要素強目でファンクに分類する場合も
あるらしいのだが）

歳を無駄に喰い、極端の幼稚さに漸く気附いて、心の襞を大事にする
AORやシティ・ポップ等に目覚めた。目覚めたが、聊か、
メロウやアンニュイが続き過ぎるとやっぱり物足りない。

メロウでアンニュイ、繊細で大人向き、
イージー・リスニングばりに疲れた人生背負ってても、聴き易い
レア・グルーヴに鳥渡スパイスを利かせる
「レア・グルーヴ」+「ファンク」＝レア・ファンクと謂う訳だ。

ので一応、俄かやミーハー門外漢乍ら、新境地とは大袈裟だが、
其れ等も含むが、イイ案配に暴れても呉れる、
レア・ファンクが好きになった。

と、謂うの乎YouTube先生にはずうっと前から御薦め然れ捲って居たのだ。
だが、如何にも「マニアックでレアで手に這入り難いですぜ旦那」感を
放って居たので「好いな」と内心想い乍ら避けて来たきらいがあった。
もう、蒐める丈で大変喃思いをするのは懲り懲りだからだ。

其の癖、昭和の人間なので、配信が如何もしっくり来ない。
所謂、フィジカル。ブツを持って無いと安心出来ない、盛り上がらない。
だから、結局マニアックやオタクを目指してないのに
手に這入り難いモノに難渋する羽目になる。

何の拍子か、竟に他ジャンルに取り付く島が無くなったのか
手を出したら、海外から取り寄せではあるが、
まあまあ一箇月程で手には這入るらしい。其の位なら待ちましょうと
今回は、肚を括った。

ロックにメタル、クラシックにジャンル多多あれど、矢張りバンド毎に
一口では語れない様に此の３バンド、「ファンクだなあ」とは想うが
特色がまったく違う。

先ず「Funky Destination」
ファンクがジャズに近いのじゃあ無い乎喃？とは想うが、此奴は、
弩直球乎も知らん。つらつらとエレキが展開してったと想えば、
トランペットが雄雄しく響き、此の渋味、ジャジィやなあと。
其処に丸で「ファド」の如き哀愁とイナタさ全開の
女性のスキャットが唸る唸る。他の曲ではスクラッチが這入ったり
ジャズや民族音楽に親しんだ向きに御薦め乍らも
生音を基調としたブレイク・ビーツやヒップホップの血も受け継ぎ、
実は、一番クラブ受けしそう。

次いで「Ferry Ultra and the Homeless Funkers」
詳しくは知らんし、調べる気も無いのだが、
「Ferry Ultra」（フェリー・ウルトラ）さんを軸に色んなミュージシャンと
曲毎に組み替えて居るらしい。然し芸名にウルトラ大きく出たが、
此れがイイ。実は、３バンド中一番気に入って居る。
ジミヘンぽい、のたくるギタアやベイスに
洒脱さが満ちて、ソウルフルなファンクとして
殊に此の「A Little Soul」と謂う曲は、個人的に可也惚れ込んで仕舞った。
「Little Green Bag」や「I'm Not the Same Without You」如く
「海千山千のアニキ」が気さくに語り掛ける人生の機微や肩の力の抜き方
に近い、恰好宜しさが、満ち満ちて居る。
奇妙で剽軽なのに、心の芯を直に暖める優しさを秘めて居る。
面白いのに、感動して仕舞う、此れは生半の事では無い。

最后の「Big Boss Man」
「ドアーズ」の「Light My Fire」ではないが、
印象的且つレトロなオルガンに変則的な
ギタアが、ファンキィでありつつ、御サイケですらある。
ガレージ・ロックやサイケ・ロック好きにも愛然れ然う。
然し、ファンクに為ると突き放しや棘棘しさはなく寧ろ、愛嬌が凄い。
一聴荒々しい乎に想えて、内実シンプル且つ比較的関西出汁の如く
味薄目だが、滋味や濃くが後引く旨味系。
味わいとしては、昨今弥増し世間を席捲して居るヒップホップの
始祖の1ツ「インクレイディブル・ボンゴ・バンド」の名曲「アパッチ」
にも一脈通じる。一部では有名な「ダ・チーチーチー」も這入って
更にオトク。

共通点は、ファンクである事と、飽き難い点で在る。
然し、元プログレ者としては、此処迄ノリと余白を活かした創りで
飽きないのも凄い。此れが、グルーヴって奴の力だろう乎。
レア・ファンク、畏る可し！