見出し画像

讒文芝居

●最近の此のバンド弩豪い(バンドでは無いけれど便宜的に)

■Rhye(ライ)

「言語や音楽は自然界を模倣している」。
本書を通じて、わたしはこの主張をみなさんに納得してもらうと思う。
しかしながら、つい先ほど論じたとおり、
ある刺激が自然界に由来するものかどうかを
判定することは人間には難しい。
では、自然界の要素に似ている・いないを決めるにはどんな方法をとれば
いいのだろうか?

(マーク・チャンギージー「〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源」より一部抜粋)


エヴァンゲリオン等で有名な作曲家、鷺巣詩郎氏が然る日ラジオで仰った。

「本当に歌が巧い、と謂う事は聴いた人を
自分の家に招いた感覚に然せられる事だ」
(意訳)

此の言葉は、蓋し至言で在った。此れは多分、歌に限ら無い。
大概の人は「情感が籠って居る」だの「音程を外さ無い」だの云うが
其の遍を全部満たして居るのに、駄目喃音楽は一杯在る。


詰まり演奏や技術が「上手」なのと「巧い」は違う。
でも、まあパンク・ロックやデス・メタルの様に
「酷さに一生懸命」なのと「自室に招く」のは距離感は近いが
意味は程遠い。
上手とは違うからと謂って、下手や酷さを追求するのも何か違う。
シャッグスも逆説的に好いとは思うが、其れが座右のバンドかと謂うと
違った。

余人は預かり知らぬが、近年筆者が「好い」と感じる音楽には
矢張り共通点が在る様だ。

星野源氏は、音の響く長さ迄操作して、為る可く短くして居る然うだ。
何故乎と謂うと「長い響き」とは、広い場所で演奏歌唱して居るので在り
詰まり「長い≒遠い」
翻って、「短い響き」と謂う事は狭い場所で演奏歌唱して居るので在り
自然、距離は「短い≒近い」
筆者の勘違いかも知らんが、仰って居る要点は、
鷺巣星野両氏同じでは無い乎。

FoalsやFlorence + The Machine、羊文学が物凄~く間延びした丸で
「ドローン」(飛行するアレでは無くPink Froydの様な音楽)
の様な音楽スタンスを其れ其れ
インディー・ロック、ネオ・ソウル、シューゲイザーの容を取り乍ら
同音異句を象って居るのは偶然では無い。
或いは一聴、ドナルド・フェイゲンや各種AOR、シティ・ポップ
イージー・リスニングの様に余白や間を大事にした其の奥で
「隠し味」の様に、能~く聴くと解る通奏低音の多様さは聴くだに
発見や感動が在る。
秘すれば花なり秘せずは花なるべからず、とは風姿花伝の世阿弥の言葉だが
詰まりは「秘密の開陳」で在り、其れをするに絶好の場所とは
「自室」だろう。世阿弥然えも鷺巣氏と同じ事を極意と仰って居る。

加えて先のバンドは皆んな、シャウトを余りしない、
しても我鳴ら無い。囁く様だ。
囁くと謂うのは、遠くからする人は余り見ない。囁く、其れは耳打ち。
直ぐ傍に貌を「近附けて」行われる。
自室に招か然るとも、心には充分招いて居ると謂う事だ。
此の音楽家も又候、招いて居る。

● Black Rain

● Helpless

●Sweetest Revenge


この記事が参加している募集

買ってよかったもの

私のイチオシ