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なにしてんだよ!?

地元にあるラーメン二郎系のお店での体験談。
今から7~8年前勤めていた社員たった3名の小さな会社で毎日のように罵声を浴びせられ営業時間が終わった19時から23時(酷い時は深夜2時)ぐらいまで永遠とダメ出しや人間としてお前は何も分かっていない。仕事とは、給料をいただくとは。みたいな謎理論を社長でもない自称社長の右腕に毎日説教がてら話をされ続ける日々を5年耐えていた頃、世の中が灰色に見えていた私は生きる楽しみも明日への希望もなく自分が消えるか、やつを消すか。リアルにその二択だけ考えていた。もちろん私にも非はあったと思う。楽観的でズボラな性格によりミスをする事もあった。その一方でやつは変に頑固で真面目。人間として器用ではないが1つの事を突き詰める姿勢は常人離れしていた。人としての能力を全て仕事のスキルに一点集中したような人。例を上げると。
〇泉ピン子を知らない(ウソ〜ん?)
〇漢字の知識が一年生。月極駐車場(真顔でげっきょくちゅうしゃじょう。と言う)
〇「X-JAPANのTOSHIKIがさぁ〜」勝手にフュージョン
などなど特化した才能により欠落した部分が多く色々と痛い人物であった。だからこそ話が通じる訳もなく毎日同じ事を同じ熱量で説教出来たのだと思う。その為、心の底では彼を尊敬出来なかったしある意味バカにしていたんだと思う。ただそんな私でも流石にメンタルはおかしくなり毎日繰り返すルーティンから抜け出すべく深夜のラーメンが命を繋ぐライフラインとなっていた。二郎系ラーメン。こんなもの人間の食うもんじゃないだろ。って思っていた正常だった頃の私はもうそこには居なかった、、、
前置きが長くなりましたがいよいよ本題へ。
そんな状況で唯一の心の安らぎとして食べ歩いた二郎系ラーメン。その日は月に1度の休日だった。昼間から二郎を求め地元で評判の店へ。ピークタイムをズラし14時頃訪問。小さな交差点の角にあるその店はいわゆるG系インスパイアと呼ばれる類いの店だった。時間的に並ばす入れた。券売機で食券を購入し着席。茹で時間が掛かる二郎系の店は待ってる時間も店主や他の客を観察する楽しみがある。そこの店主は丸刈りの筋肉質。目はキリッとした一重で強面だった。コールの時もぶっきらぼうな感じ。
「これは集中せねば、、、」身の引き締まる思いで着丼を待っていた。
するとその時バイトの小僧が
小僧「店長!来ました!」
店主「あっ?どこだよぉ?」
小僧「あれです!あっ!あそこ」
店主「呼んでこいぃ!!」
力強い店主の声が響く、、、
小僧が店の外へ出て誰かと話している。
店主「いいから店に入れろ!!」
めっちゃ怒ってる店主(やばい店なのかも、、、)
状況を伺って分かったのだが、その店舗は4階建てのビルの1階にあり店舗脇の私道の奥に民家がある(おそらくその民家の住人がビルの所有者だと思われる)
その民家へアクセスする私道の入口に某不動産屋の車が駐車していた事に店主は腹を立てていた模様。
ガラガラッ。店の引き戸が開き小僧に続いてパンツスーツの女が入ってきた。
小僧「この人です。」
不動産女「あっ!すいませんでした!」
小僧から怒れる店主の事情は聞いてたようだ。
店主「てめ〜どこに停めてんだよ!!」
女にも容赦ない店主の圧力に水を飲もうとした手を引っ込めてしまった、、、
不動産女「はい!申し訳ないです、、、」
店主「てめぇそこに停めたら奥の家に車入れね〜だろうが!」
店主「どこに用があったんだよ!?」
不動産女「はい。2軒先のアパートです。」
店主「じゃあウチ全然関係ねーじゃねーか!てめ〜みたいなやつのせいでウチが大家に怒られんだよ」
不動産女「すぐどかすつもりだったので」
店主「目の前にコインパーキングあんだろが!!うちのお客だって路駐せずパーキング使ってもらってんだよ。」
コインパーキングを利用してた私は少し褒められた気分になった(笑)
不動産女「はい。申し訳ありませんでした。」
店主「てめぇなにしてんだよ!?」
不動産女「はい!すいません。」
店主「なにしてんだよ!?」
不動産女「本当にすいません!!」
店主「いや、だからなにしてんだよ!!?」
私は少し違和感を覚えたが会話は続く。
不動産女「すいません!すいません!」
店主「ちげーよ!なにしてんだって!?」
不動産女「すいませんどうすればよろしいですか?」
店主「いやお前馬鹿か?〇〇(不動産屋名)の何支店だって聞いてんだよ!」
俺は途中で気づいたけどテンパってる不動産女には理解出来なかったみたい(笑)
日本語の難しさを学びながら
店主「お客さん。騒いですいませんね!ヤサイとチャーシュー多くしといたんで!」
ってお茶目な顔で言ってきた店主に対して一連の流れを見た私がNOと言えるはずもなく。マシマシにされたヤサイと4枚の豚肉を含め残したら殺されると思いながら味わった二郎系ラーメン。味はもちろん覚えていない。
健康に悪いと言われる二郎系ラーメンに命を繋いでもらったお話し。


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