そのブロック塀は誰のもの?
土地には必ず境界線があります。
この線までは私の土地、この線から先はあなたの土地、
と言うように実際にはラインは見えませんが、境界杭によって土地の範囲が明示されています。
他人の土地には勝手に建築物は建てられません。
では、境界ライン上に存在する物は誰のものでしょうか?
■境界トラブルあれこれ
1、境界線上のブロック塀
お隣との境界線上をまたぐように設置されているブロック塀をよく見かけると思いますが、これは誰のものでしょうか?
大体はブロック塀の中央が境界線になっている事が多いと思いますが、
2つの土地をまたがって設置されているブロック塀は基本的には双方が所有しているものとされています。
設置費用を全てどちらか片方が支払うとしても、設置に際しては必ず隣地に影響しますので、隣地の許可なくして設置も、除却も出来ません。
ブロック塀をどうしてもご自分の所有物にしたい場合には、
塀をご自分の土地の中に設置して、一切、隣地に入らないようにすることです。
それでも、設置の際には、隣地に話しを通してから工事を実施した方がトラブルになりづらいと思います。
2、境界線の空中、地中
地面の境界線は分かりやすいので、越境していればすぐに分かりますが、
境界線は空中、地中にも存在します。
屋根や庇などが越境していることはないと思いますが、
良くあるのが、
電線がお隣りの空中をまたがっていたり、
水道管がお隣りの地中を通っていたり、
前世代ではお隣同士で話しが通っていたとしても、世代が変わるなどして経緯などがあやふやになってしまうとトラブルに発展する場合があります。
3、境界線を越える雑草
境界線を越えるのは建築物や塀だけではありません。
樹木の枝や根っこの他、雑草たちも、境界線を越えて隣地に迷惑をかけることがあります。
日常的に越えていなくても、葉や実が落ちる季節もありますし、雑草などによって虫たちまでお隣りに行くようになってしまうかもしれません。
ご自分で植えたものではなくとも、敷地内にある植物は全て土地の所有者が管理しなけばなりません。
最近では、便利屋さんなどが雑草抜きなども請け負ってくれるようですので、それなりの状態をキープするようにしておくのが望ましいです。
4、境界線を理解していない方々
最近では、高い塀に囲まれた住宅ではなく、
いわゆる、
オープン外構と呼ばれるどこからでも出入り出来る外構の家が増えました。
しかし、オープンなのは見た目だけの事であり、
出入り自由なオープン(開放的)な家と言う訳では全くあります。
当然のように、敷地内に勝手に侵入すれば犯罪となります。
弊社のOB客様や近隣の方々とお話ししていると、
全く知らない方が、敷地内に侵入し、家庭菜園の野菜や果樹の実を勝手に盗んでいく事例がとても多いそうです。
敷地内に勝手に入るだけで犯罪なのに、
絶対に自分の物ではない物を対価も支払わずに盗んでいく、
なんて、どれほど罪を重ねるつもりなのかと神経を疑ってしまいます。
そうした常識をご理解いただいていない方々へ、
最近では、「ここには無いだろう」と言う場所にも防犯カメラがあちこちに設置されていますので、あなたの犯罪の瞬間が撮影される可能性が非常に高くなっています。
一度、成功したことに味を占め、何度も犯罪を繰り返すことは、
無料で盗んだ品々で儲かった気になっている利益よりも桁違いに大きなダメージを受けることになりますので、
どうか、境界線のこと、日本のごく初歩の法律を思い出してください。
こんな過激なことは書きたくありませんが、それほど、良く耳にします。
■境界線は分かる方がいるうちにはっきりさせよう
「終活」と言う言葉が広まっていますが、
終活の中には不動産の相続も大きなポイントになります。
境界線は相続する土地において、最も重要な情報ですので、境界線があいまいな場合には、分かる方が元気なうちに、測量士、土地家屋調査士、などに相談し、境界をきちんと明示しておくのがお勧めです。