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床の下に潜む者

近年、弊社では戸建て住宅にお住まいの方からの床のリフォームのご相談が増えています。

一昔前でしたら、ある程度の築年数が経過した住宅であれば、
建替え建替えを検討していた方も多かったのですが、
リフォームの商品の増加や弊社自身のリフォームに関する知識や技術の向上もあって、お客様のご要望に合わせてリフォームをご提案することも増えています。

しかし、現場には魔物はいませんが、イレギュラーがたくさん住んでいますので、リフォームを受ける側も覚悟が必要かもしれません。


■家の床下には何があるのか

1)床組み

床の仕上げ材は畳か、フローリングが多いと思いますが、その下がどうなっているかをご存じですか?

昔の住宅であれば、畳の下には荒床と言う板が張られており、
その下には根太(ねだ)と言う木材が303mmピッチほどに並べられ、
その下には大引(おおびき)土台基礎床束によって支えられています。土間の部分は地面がむき出しになっていることが多いです。

現代の住宅であれば、根太の代わりに厚い合板が張られている点と土間にコンクリートが打設されている点が相違点です。

2)配管や配線

床下には人がかろうじて入れる空間があるのですが、
これは、床下の湿気から住宅を守るためだったり、地面から床を離して水害の被害を軽減したり、するための日本の建築様式ですが、この空間を活かして、水道の配管や電気配線が取り付けられています。

最近では、空調のダクトや床暖房配線、その他の設備が設置されていることもあります。

■床下に何がいるのか

1)シロアリ

床下にいる生物と言えば、代表格なのはシロアリです。
一般的な黒い蟻とは違い、木材を好んで食べる白い蟻のことで、温暖化が進んだ現在では北海道北部などの一部地域を除いた日本中に生息しているとされています。

シロアリは木材を食べると言っても、好んで食べる樹種があったり、湿度を多く含んだ木材を食べる習性があります。

ですから、日本の木造住宅は床下に風が通るような造りにするなど、床下に湿気が溜まらないように進化してきました。
また、防蟻剤を木材に塗布することで蟻害を防ぐ対策もしています。

2)湿気

前述したシロアリを呼ぶ原因ともなるのが湿気です。
生物ではないので「いる」とは言えませんが、床下に湿気が溜まることで様々な弊害が起こります。

特に、昔ながらの地面がむき出しの土間の場合、地域・地形の影響も大きいですが、湿気が溜まりやすいことが多く、また、小さな風窓しか開いていない場合も溜まりやすい傾向があります。

浴室、台所など水まわりの周辺の床下も湿気が溜まりやすい傾向があります。

■リフォームした際にどんな床下が見られるか

1)床下がかび臭い

まず多いのが、カビの臭いがする床下です。

特に浴室、台所、トイレ、北側の部屋などに多いのですが、
日常的に床下に湿気が溜まり、カビや菌が発生しているのです。

床下の湿気は水道管などの水漏れが原因であれば、リフォームの際に配管を更新すれば解消されますが、それ以外の理由の場合は、床下の換気を良くするか、または、調湿材などを土間に敷き詰めるなどして、湿気を取ることが有効です。

2)木が腐っている

湿気の状況が悪化すると、腐朽菌により木材等が腐ります。
フカフカで柔らかくなってしまい、強度が著しく低下してしまいます。

リフォームの際に、工事の規模によってはある程度は木材を入れ替えることも出来ます。

3)木がシロアリでボロボロ

腐朽菌に加え、シロアリ被害もあると木はボロボロ、スカスカになってしまいます。
ほぼ強度は期待出来ません。

ちなみに、シロアリ被害は木の中身だけに被害が出ることが多く、表面上は何も変わりが無いことが多いです。
玄翁などで叩いてみると、音の違いで被害があるのかどうかが分かります。

これも可能な限り、入れ替えることが望ましいです。

■直さずにリフォームが終わっていることがある

床下は工事が始まらないと見えないことが多いので、現地調査の時点で予測していないと見積りや契約内容に含まれてはいません。

金額に含まれていなければ、追加費用が発生するだけですが、
工期に含まれていなければ、現場は混乱し、急遽、工事を入れ替えたり、日程をずらしたり、する必要があります。

しかも、瞬時に判断しなければなりませんので、現場に頻繁に判断出来る人間がいないと難しいです。

ですから、見なかったことにされる可能性があります。

そもそも、お客様からは依頼されていないことですし、現場の職人からすれば、元請け会社から指示もされていませんので、工期が厳しいリフォーム現場ではそのような判断される可能性もあるかもしれません。

会社による違いがここに出ます。

■最後までお読みいただきありがとうございます