雨漏りしそうな屋根
住宅の雨漏りは屋根からだけではありませんが、昨今の異常気象により、雨漏りのご相談が増加しています。
一方で、いずれ雨漏りしそうな新築住宅が増加しています。
なぜでしょうか?
■こんな屋根は雨漏りしやすい
1)入り組んだ屋根
昔ながらの立派な屋根は入り組んでいたり、曲線を描いていたり、
とにかく複雑で重厚な屋根が多かったのですが、
そうした屋根は屋根瓦・漆喰や下葺き(防水紙)の劣化に伴い、雨漏りが発生することあります。
しかも、原因箇所の特定が難しいという特徴もあります。
2)平らな屋根
平らな屋根は陸屋根(りくやね・ろくやね)と呼ばれます。
シンプルな形状ではありますが、屋根にほとんど勾配が無く、雨水が貯まりやすく、また、日差しなどによる防水機能低下までの期間が短いのが特徴です。
イメージとしては、バルコニーが屋根になっているようなものです。
3)ペラペラな屋根材を使った屋根
屋根材の種類には、大きく分けて
瓦屋根(波瓦、平瓦 等)
化粧スレート屋根(コロニアル 等)
金属製屋根(ガルバリウム鋼板 等)
アスファルトシングル屋根
があります。
日本では1~3の屋根が形状や素材などを変えながら長く使用されてきました。
4については、近年、北米などから輸入された屋根材で、とにかく、薄くて軽くて加工しやすいのが特徴です。
薄いから良いとか、悪いとかと言うことではなく、
素材の特徴から経年劣化期間が短いようですので、他の素材と異なり、
定期的なメンテナンスと言うよりは、
定期的に葺き替えることが前提のような印象ですので、しばらく放置していると雨漏りのリスクが高まると考えています。
尚、弊社では、これまで使用した実績が全くありませんので、あくまでも、実物を見た印象と方々からお聞きした情報からの勝手な意見です。
4)軒の無い家
特にこの屋根が増えているのですが、
最近の住宅はとにかく軒の出が少ない、または、全く出ていないです。
雨漏りは屋根に限らず、バルコニーや外壁、窓周り、など様々な箇所で発生するのですが、軒の出が無いということは、それらの箇所にダイレクトに雨が掛かる可能性が高まります。
屋根が上からガードしてくれていれば、それらの箇所で雨漏りが発生するリスクをだいぶ解消してくれます。
法規制や敷地条件などによって、しかたなく、軒の出を調整せざるを得ないことは多々ありますが、定期的な防水のメンテナンスの重要性が高まることを理解しておいた方が良いと思います。
■最後までお読みいただきありがとうございます
せっかく建てた新築住宅で長く安心して暮らしていただけるよう、造り手は長い目で見ていたいものです。お客様にもそうしたことをきちんとお伝えできるプロでありたいです。