商売なのか、犯罪なのか
最近、建築に関するトラブル、犯罪が増加しています。
「強引な」営業も「積極的な」営業と捉えれば問題なさそうですが、
「積極的」で済んでいるのでしょうか?
トラブルで済んでいるでしょうか?
■商売は相手も満足しないと続かない
1)三方よしを目指したい
三方よしとは、
売り手、買い手、世間(社会)の三方が満足することがよい商売
だという近江商人の理念です。
そこまで崇高な理念に基づいて経営していきたいものですが、少なくとも、家づくりはお客様がご満足いただかないと続けるのが難しいと実感しています。
私どものような工務店の場合、
一度きりのお客様だけを相手に常に新規顧客を探せための莫大な広告費・宣伝費、豪華な住宅展示場、
などはありませんので、リピートしていただいたり、OB客様からのご紹介、などが重要です。
そのためには少なくとも買い手(お施主様)のご満足は必須ですし、
ご近隣・地元の方々からご相談いただくには、世間・社会への貢献も大切になってきますので、自ずと、そうありたいと行動すると思います。
逆に言えば、一度きりと考えていれば、三方が良くなくてもいいのかもしれませんね。
2)急な訪問、急な電話で押し付けてくる
急な訪問で自宅の不具合を指摘され、点検させたら、異常があるのですぐに直さなければならなくなり、工事をしたら、高額請求された・・・
とても良く聞く事例です。
最近では、更に巧妙になってきており、
複数のチームでアプローチしてきたり、
補助金や保険を利用させようとしてきたり、
日進月歩の手口で被害が拡大し続けています。
私の元へもこんな電話が最近ありました。
男:御社のホームページを見て電話をしました。私は動画やホームページ制作をしている者ですが、御社の過去のお客様宅を使ったルームツアー動画を製作させていただきたいのですが、いかがですか?
私:全く興味が無いのでお断りします。
男:無料で製作しますので、ぜひお願いします。それと断る理由は何ですか?
私:お金の問題ではなく、全く興味が無いのでお断りします。
男:なぜですか?(この後、何度も理由を尋ねられる・・・)
私:興味がないのが一番の理由ですが、お客様のプライバシーの問題もありますのでお断りします。
男:それならお客様にご了解を取れば良いということですよね。
私:興味が全くなく、しかも、全く人の話しを聞かない方のためにお客様にご了解を取ってまで作っていただくことはあり得ません。
男:なぜですか?
流石に電話を切りました。
内容は一部追加・変更していますが、とにかく話が通じず、こちらの話しは全く聞き入れてくれませんでした。
自分さえ良ければ相手のことなんて全く関係ないのでしょう。
3)トラブルが犯罪になるケース
建築工事はいくら割高でも、契約書を交わしていなくても、それだけでは犯罪にはなりません。
トラブルを起こすような方々は巧妙にグレーな部分を攻めてきます。
ですから、悪質な訪問販売がなかなか無くならないのです。
しかし、詐欺、強迫、不法侵入、窃盗などの犯罪にまでなっているケースもあります。
また、保険金の不正利用も発生しています。経年劣化は保険の対象にはならない可能性が高いですので、甘い言葉に騙されないようご注意ください。