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薬漬けの家

シロアリ ってどこに生息しているか、ご存じですか?

埼玉県に住んでいますと、シロアリがいることが当たり前でしたので、あまり意識したことがありませんでしたが、
現代では、北海道の一部地域を除く日本全域 に生息しているそうです。

ですから、家を建てる際には、シロアリ対策は必須となります。

しかし、それが薬頼りと言うのは本当に良いのでしょうか?


■主なシロアリ対策方法

1)防蟻剤の塗布

シロアリを防ぐ塗料を木材などに塗布する方法で、最もポピュラーな対策方法です。
主に、土台や大引、根太などの床組の他、柱、筋交いなど地面から1m以内の木部へ塗布します。

一般的には、オレンジ色など、防蟻剤を塗布したことが分かるようにしていることが多いですが、無色透明の防蟻剤もあります。

耐用年数としては、約5年ほどと言われていますので、防蟻剤のみで効果を継続させたい場合には、5年サイクルで塗布することになります。

2)加圧注入土台

かあつちゅうにゅうどだい と読みます。
防蟻剤を木材の表面に塗布するのではなく、薬剤に漬けた木材に圧力を掛けて、木材の中まで薬剤を注入する方法です。

木材の表面だけ処理する防蟻剤塗布とは異なり、中まで浸透させるため、効果期間は長いとされています。
弊社では使用したことがありませんが、耐用年数が20年以上とも言われています。

3)防湿コンクリート

昔の住宅と異なり、近年建築された住宅の多くは床下にコンクリートが打設されています。
それは、地面からの湿気を防ぐためです。

逆T字型の布基礎でも、ベタ基礎でも、現代の住宅では床下を覗いて地面が見えることはほぼありません。

4)調湿材

上記にプラスして湿気を吸収するために、炭や鉱物(ゼオライトなど)などを敷き詰める方法です。
地面がむき出しの既存住宅にも効果が期待できます。

5)床下換気

床下に湿気が溜まらないように床下に空気を流す方法です。
昔は四角い小さな風窓を設置していましたが、現代では通気型土台パッキンなどにより通気量が増加しています。

床下に換気扇を設置しているケースもあります。

6)木材の樹種

昔から木造建築を造り続けてきた日本では、
湿気に強い、シロアリに強い、木材が使われてきました。

ヒノキやヒバが有名ですが、
寺社仏閣などではクリも使用されています。

最近では、コスト削減のためか、木材の有効利用かかは分かりませんが、
それ以外の樹種に加圧注入して使用している住宅も増えています。

■強い薬は副作用が心配

私たちが摂取するお薬でも、効果が強い薬は、副作用も強いことがあります。

防蟻剤でも同様です。

強い薬で効果が長いものは、確かにシロアリには効果があるのかもしれませんが、一方で、その家に暮らす人間やペットたちにも全く影響が無いとは言い切れないと私は考えています。

そのため、弊社では加圧注入土台ではなく、土台にヒノキやヒバを使いつつ、防蟻剤塗布をしています。
本来であれば、ヒノキやヒバは木が持っている元々の性質により、そのままでも使用できますが、安全側と言うのありますし、見た目で防蟻処理されていることも分かりやすいので、防蟻剤は塗布しています。

1)床下の通気が大事

木材の選定はもちろん大事ですが、家を長く持たせたいならば、
最も重要なのが床下の通気です。

最近では基礎断熱が普及し、床下を機械換気する工法も増えましたが、機械などに頼らない方法であればより長く保てますので、弊社では床下の自然通気を重視しています。

2)自然の力を引き出した家づくり

木材の本来持つ性質を活かし、自然の風で床下を換気するのが私たちのシロアリ対策の基本です。

最新技術、最新薬剤ももちろん悪くはありませんが、長持ちさせることを考えれば、自然の力を引き出した方が良いのではないかと考えています。

■最後までお読みいただきありがとうございます