血統から見る新種牡馬診断 モーリス

モーリス

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2歳〜3歳春までは吉田直弘厩舎に所属しておりクラシック路線を進んでいたが結局皐月賞、ダービーの出走には至らなかった。その後堀厩舎に転厩。4歳から才能開花し、香港G13勝や春秋マイルG1制覇に秋天とG1合計6勝を挙げて引退した。 主な勝ち鞍 春秋マイルG1制覇、秋天、香港マイル、香港カップ

失敗種牡馬と言うには早計!モーリスの特徴

モーリスを語る上ではまずメジロ牧場の傾向を話さなければならないか。メジロ血統と言われるほど一世風靡した血統で代表馬としてはステマ血統の母父で有名なメジロマックイーンや、春天皇賞馬メジロブライト、二冠馬メジロドーベルなどを輩出したメジロライアンなどが有名です。昭和を代表するタフな馬場や長距離を得意とする牧場でした。今はレイクヴィラファームと名前を変えて社台グループの傘下に入ってはいますがその血統は脈々と残っており、代表馬にはメジロツボネの産駒で香港ヴァーズ勝ち馬のグローリーヴェイズがいます! さて、昭和を代表する牧場が何故社台グループの傘下に入る結果になったのかと言うと僕は現代競馬に対応できなくなったことにあると思います。メジロ牧場が一貫して紡がれてきた血統も現代競馬の軽い馬場やスローからの切れ味勝負ではスピードが足りなかったり、御家芸であった長距離戦も今の時代では軽視されるようになっています。そこに凋落の原因があったのかなと思います。哀しい。そんな『メジロ血統』を母系に持つモーリスは天性のスピードを持ち合わせており未完成の状態であった新馬戦を勝利しています。しかし本当に花開いたのは堀厩舎に転厩し古馬になってからだった。そんな特徴を産駒にも引き継いでおり、現在活躍している産駒は2歳戦から活躍していた実績のある母馬で本当に強い馬はこれからだと思っている。

社台グループの寵愛を受けてサンデー系の良血繁殖を回されており血統の良い馬が多いものの成績は2歳賞金トップではあるものの何か物足りない。それは持続力はあるもののキレが足りない産駒が多いので社台グループの育成方針に合致しないことにあるのかもしれない。しかしながらハイペースやコーナーで減速しにくいコースは得意そうで、ロベルト系×サドラーズウェルズ系だけに道悪も苦にしない産駒が多い。しかしながらダートでは全く奮っておらず、この辺りが『メジロ血統』らしさを感じる。そして2歳戦では叩き良化型なのに母系が良い産駒が多いので過剰人気気味で、新馬戦はモーリス産駒を外して買った方が良いまである。慎重に精査しておきたい。ならその精査の参考になるところで言えばどんなクロスが入っているか?私は、なまじサンデーやリファールの軽いスピードを付ける配合より、もっと欧州のタフな血を足した良いと思っている。血統でいえばロベルト、サドラーズウェルズ、リヴァーマン、ノーザンテースト辺りか。愛国や英国との配合で名馬が出るんじゃないかと思っている。

まとめ

メジロ血統を踏襲しており、キレより持続力。ハイペースや持続力勝負になりやすい小倉、札幌、福島、中山コースが狙い目。

メジロ血統を踏襲しており、ダートは苦手。

道悪は得意でタフな馬場でこそ。

叩き良化型で新馬戦では過剰人気傾向なので注意。

配合としてはサンデーやリファールみたいな軽いスピードを足すよりもっとタフな血を足した方が良い。ロベルト、サドラーズウェルズ、リヴァーマン、ノーザンテーストなど。

★期待のモーリス産駒★

ルペルカーリア

母は名牝シーザリオで半兄にはエピファネイアやサートゥルナーリアがいる。本馬はサンデー3×4とサドラーズウェルズ3×4のクロスがあり好走する下地は整っている。皐月賞あたりで活躍しそうなイメージがある。

カイザーノヴァ

気性に難しいところがあるものの能力のある動きを見せており、クローバー賞では道中、外外を追走して最後は大外に振られながら差し切る持続力のある末脚は未完の大器に感じられる。完成したらどこまで強くなるか楽しみ。


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