Rord to モノローグ 20231126

死ねばいいのよ。
そうなんだわ。
それでいいんだわ。

この三行の台詞。
どう吐けばいいんだろう。
どんな気持ちなのか。
どんな気持ちの移り変わりなのか。

花子が吉雄と再会し、実子を捨てていったら。
捨てられた実子は、どうするのだろう。

展覧会で落選ばかりして、画家として名を上げられず、プライドも傷つけられ。
本気で描いた絵を出していれば、画家としてもっと名を上げて生きていたはずなのに。
(絵にはとても自信があるのか)

それを犠牲にしても、花子の存在を隠そうとした。
花子は生き甲斐。
花子がいなくなったら、生きている意味がない。
誰からも愛されず、愛さず、花子の美しい愛を傍で眺めているのが幸せだった実子は。
唯一の幸せを失ってしまう実子は。

吉雄を待ち続ける花子と、生きる未来。
正気に戻った花子を失い、自死する未来。

花子が決める、実子の未来の二択。

花子を失っても、画家として一人生きていく選択もあるのに、それを考えもしない実子。

それだけ花子に依存している。
盲目になっている。
思い詰めている。
誰にも愛されない自分。
誰も愛さない自分。
花子を失えば、愛を見ることすら出来なくなってしまう。

一人で生きていても仕方がない。
だから。
「死ねばいいのよ」
花子さんと出会ってから、決まっていた事じゃないの。
「そうなんだわ」
覚悟が決まったわ。
「それでいいんだわ」



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