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写真を撮るきっかけの話のまとめ https://www.instagram.com/daichi_photo/

マガジン

  • 握り飯を食べるまでの時間の話

    10年経つ前に、なんとか握り飯を食べられたはなし

最近の記事

ああ、青い。

歳を重ねて残ったものは、ああ言えばこう思われるだろうからの忖度と どこか知らない誰か、もしくは知っている誰かの分かりもしない感情への気遣い。似たようで違うもの。 一体誰に対しての想いなんだろう。 少しばかりセンチメンタルなのは mixiを久しぶりに見たから。 大学生の頃か。 一度消したmixi。 今残る日記は復活してからのもの。 なぜ消したかって、 関係をリセットしたかったから。 今思えば、誰が見たかわかる足跡は少しの安心感に繋がってたのかもしれない。 話は戻って、

    • 2009年10月16日-4

      通夜で、彼の顔を見ることはできなかった。 向こうで、火葬してきたそうだ。 だから今でも、受け止められずにいるのかもしれない。 帰り際、あんたたち顔見なくていいの?と聞いてきた先生に言った、申し訳なさそうな気まずそうなお母さんの顔。 言葉を聞いた時の力が抜ける感じ。聞くまで、隣の部屋で眠っているものだと勝手に思っていた。 もう顔を見ることもできないのか 彼の存在が写真になった瞬間だった。 帰り道のことは、全く覚えていない。

      • 2009年10月16日-3

        仏壇がある部屋の襖を外して、12畳程度の広くされた客間に 木製の田舎の家にある立派なテーブルと、その幅では足りない時に出されるのであろう少し足が錆びた折りたたみの古いテーブルが置かれ、 横並びでみんなで座った。 普段、集まってテレビを見る部屋では、彼の妹が学校の制服を着てお茶やお菓子などせっせと準備していた。 弟くんはどこにいたんだろう。同じことを当時も思った気がする 畳に座っていると、お菓子やおにぎりやいろんなものを出してもらった。 なぜ亡くなったのか。なぜかそ

        • 2009年10月16日-2

          彼の家に到着した。 信号のない、田舎独特の道幅の広い県道から 左に曲がった。 綺麗に舗装されてた道路は、農作業のトラクターが普段たくさん通っているんだろう。コンクリートが少し割れていた。 車がやっとすれ違えるような田んぼが広がった道を少し行くと、彼の家が道路から少し登ったところにあった。 普段はきっと人通りなんて少なくて夜は静かなところ。 そこにオレンジのライトがたくさん、道路沿いにも複数止まっていた。 彼の家は、農家だった。 家の周りは農機具などがしまわれて

        ああ、青い。

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        • 握り飯を食べるまでの時間の話
          6本

        記事

          2009年10月16日

          福島に帰った。 バイト後、 たてきさんだった気がする。 少し、一緒に飲んだ。本当に優しい人だと感じた。 朝、学校に行った。 全く覚えていないが間違いなく行ったと思う。 必修の授業があった。 こんな時も冷静に自分のことはこなそうとしていたんだなーと、 冷たさを感じるけどこれが自分なんだ。 帰る途中の新幹線、ただひたすらに 通夜とお葬式の連絡をした同級生たちからの返信に追われていた。 実家に戻ると茨城のじいちゃんがいた。 秋の田んぼの稲刈りの時期で毎年手伝

          2009年10月16日

          2009年10月15日

          あいつ、死んだんだって。 友人からの電話があった。 この日は大学の3,4限目のみ授業だったから 前日は夜遅くまで起きていた。 友人の電話で目が覚めた。 電話をなんとなーくの返事で切るとすでに13時が過ぎていて、 大学の授業には間に合わないなとか冷静に考えていた。 夢を見ていると思って、もう一度寝ようとした。 眠れなかった。 耳の奥が詰まるような、 首の後ろがキューっと締め付けられるような、 3組のルーム長だった私は ただただ、ひたすらに高校の同級生にメ

          2009年10月15日

          はじめに

          ここに記すまでに、 9年の時間が経った。 片時も忘れたことはなかった、というと 自身はないけど、否定もしたくない。 心が苦しくて、自分自身で握りしめていって わかることがない、 高い時計を買っても、 安い時計を買っても、 進む時間は同じで、 どちらも止まったら動かない。 そんな時計を大事に大事に 持っていたものだから 自分の生きている今がわからなくなってしまった。 そんな想いを整理するために ここに書く。 何一つ、元に戻ることなんてなかった。

          はじめに