電車の中のあなたは 泣いていた

その女性は電車の中で泣いていた。

バレないように手で顔を半分隠していたけども、泣いているのははっきり分かった。

なぜだか分からないけど僕はその人のことが妙に気になってずっと見ていた。


僕はそれを見て

失礼だけど「きれいだな」と思ってしまった。

結局その人は

自分がおりる駅までの長い時間声を出さずに泣いていた。

何度も携帯を見ては泣く姿に

きっと大切な人を失ったんだろう

(必ずしも死とかの意味ではなく)

と思った。

もしかしたら昔のメールを見ていたのかもしれない。

もしかしたら昔の写真を見ていたのかもしれない。

根拠は無いけど、そういう泣き方だった。

悔しいとか憎いとかではなく

愛しいとかいったものが似合うような泣き方だったから。


電車の中ってのは

色んな気持ちがあふれている。


降車駅に

楽しみみたいなものを思い描いて乗っている人

憂鬱みたいなものを思い描いて乗っている人


乗車駅に

哀しみみたいなものを置いて来た人

希望みたいなものを置いて来た人


僕はそういう電車とかバスが大好きで。


人は電車に乗っていると

自分の人生を振り返りやすいということを聞いたことがある。

それは、僕も同感。

窓の外に目をやると

自分の生きてきた時間が数直線みたいに流れて見えるときがある。

窓の中に目をやると

自分の生きている世の中の縮図みたいなもんが見えるときがある。

きっと今年もこうやって色んな感情に

正面衝突して出会いながら

僕は生きて行くんだろうなと思う。

電車っていう物語に僕も乗っかって行こうと。

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