映画『チェリまほ』から入った新参者が今さらテレビドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』を全話視聴して安達くんの誠実さに心打たれたので感想を言わせてくれ

Netflixありがとう! という訳で、二人の馴れ初めを確認してきました。まさか、モンブランにこんなエピソードがあったなんて……なんか意味深だったんだよなモンブラン……。

テレビドラマでも黒沢は一糸乱れぬイケメンだった。おでこキスの横顔は美しすぎて絵画かと思った。安達くんは髪のボサボサ度合いが映画の二割増しくらいだね。ということは、黒沢と付き合うようになってから身だしなみが洗練されてきてるってことだよね……。そういう深読みできるポイントは絶対に見逃さないからな……。

第1話、マフラーのかけ方の丁寧さがあまりに異常なところで、もうこのドラマは信頼できるなと確信した。ちょいちょい差し込んでくる黒沢の妄想がその筋の人もびっくりの強めの幻覚で笑う。お茶の間で流していい妄想ではありませんぞこれは……えっこの妄想をテレビで放映してたの!? これをテレビで放映していい時代の風がすごい!! 令和!!! 皆よく毎週これを正気で観てたね? もしかして正気でなかった?

安達くんの働きが過小評価されてるところへ「(彼の仕事が丁寧なことは)先輩が一番よく分かってるんじゃないですか?」という一言で先輩を立てることも忘れず、各方面に波風をたてずに安達くんをアゲて彼の自尊心を育てようとするイケメンしぐさは流石やな〜。5年連続成績トップ営業は伊達じゃない。

このドラマは、はじめは「黒沢ほどのおイケが、こんな垢抜けないちょいモサ青年の一体どこを好きになったの?」と視聴者に疑問を抱かせておいて、物語が進むにつれて「安達めっちゃいい奴だし頑張り屋だな、誠実ですごい性格いい子だな……」と安達くんの良さを視聴者に理解らせていく構成になってるんだな。他人の心の声が聞こえるようになっちゃったことも工夫してそつなく乗り切ってるし、地味すぎて表に出ないだけで、いいところを沢山持ってるんだなー。そういうところを見ていてくれた人がいるって嬉しいね。黒沢は5年連続成績トップ営業だからね、それくらい事もなく見抜いちゃうわけだね。

……そっかー、弱ってるところ、周囲の期待に応えるのに失敗したところを目の当たりにしたうえで、そんな姿を「いいね」って肯定してくれた、完璧じゃないところを安心して見せられる相手が安達くんってことかー。オンリーワンじゃん……。顔のことばっか言われて辟易してるのにイケメンイケメン連呼してごめんな……。イケメン図鑑に載せたいとか言って本当に申し訳なかった。

第7話、「言葉にならない黒沢の想いが流れ込んでくる」って台詞とともに触れ返しても、心の声が聞こえてこなかったの、最高の演出だった。言葉にならないんだもんね。おめでとう。黒沢よくここで昇天しなかったな。これまでの反応をみるに、昇天しててもおかしくなかったよね。私は次話の黒沢ポエム(バス車中)で昇天しかけたけど。要所要所で的確に笑いを取ってくるなこの作品。

柘植さん猫飼ってたの!? どうして映画で柘植さんの自宅を映してくれなかったの!!?? 捨て猫を保護して飼ってたんだ……柘植さんの好感度爆上がりしたわ。ん? 自宅に猫がいるくせに「寂しいから一緒に暮らそう」とかのたまってたの? 寂しい? 家に猫がいるのに?? 柘植さんの好感度下がりました。てか貴方も魔法使えたんですね! 彼と湊くんが「うどん」の話題で初めてまともに会話を交わしたシーン、かなり明晰に """恋に落ちる音""" が聞こえてびっくりした。恋に落ちる音って聞こえるんだね。

六角くん!!? 仕事に一生懸命で、先輩方の長所を素直に見習って、友達のために本気で怒れる六角くん超絶いい奴じゃん!!! 最初、安達くんと黒沢の初デートを遮ったお邪魔虫とか思っちゃってごめんな!!
 安達「うん、やっぱりあいつ、すげーいい奴だわ」
 視聴者「「「お前がいい奴だよ!!!」」」
視聴者の心は一つになり、争いは消え、そして世界は平和になった……。
藤崎さん、応援したいし応援されたい。花火本当にありがとう。浦部さんはセクハラがちなのは直してほしいけど後輩の挑戦を応援できる度量のある人だし、この作品、主要登場人物に嫌な奴いないのでは? みんないい奴ばっかりなのでは? 世界平和……。これから先、「顔要員」なんて言葉がまかり通らないもっと平和な世の中にしていくからな、待っててくれよな……。

今回、物語の結末であるところの映画を先に観ていることで、いわば「すべての答えを知っている状態」で話を最初からみていくというネタバレ全開モードを体験したんだけど、逆に、あれにもこれにもちゃんと来歴というか由来があった! すごい伏線回収! みたいなアハ体験になって面白かった。黒沢の元カノ登場!? の展開に際しても、0.3秒で「あっ彼女が海外在住のお姉さんか〜」と胃を痛めることなく穏やかな気持ちで視聴を続けることができました。映画を先に観ていて良かった! 映画のおかげで体の調子が良くなり悩みも消え肌のハリがよみがえって健康になりました!

ドラマとしての作品のクオリティの高さ(脚本が練られている、俳優さんの演技がみんな上手い、映像が美しい、細かいところまでオフィスの作り込みに妥協がない、音楽との相性バッチリ、次話への引きが強い)に大満足でした。これほど楽しませてもらったので、私はもう黒沢に取ってもらったご飯粒として人生を終えても悔いはありません。

む? このドラマは、安達くんが魔法を使えなくなって終わるのか。てことは、映画は「クリスマスに何もなかった世界線」の話なのか。世界線を複数こしらえてでも続編を制作する攻めの姿勢いいぞ~。もっと別の世界線を生やしてもいいんだよ。
おわり。

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