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鬱病のトイレ事情3


画像は現物が家にあるので実際に子供に使っていたチャンバーポット(おまる)である。子供用品を売ってる店でで装飾付きのおまるは子供にしか使用できないが、これは大人もやり方によっては使用が出来る。余計な装飾が無いので洗いやすいシンプルなデザインがとても良い。

鬱病がトイレの事について何回も語ってる事なんてあるんだろうか?
3回目は実際に私が枕元に備えていたおまるについて書いて置こうと思う。この知識は災害時に誰でも使えそうだ。

私に排泄方法のアドバイスをくれた鬱病の先輩達のように日常生活が困難になった事は私にもある。投薬コントロールで何とかなるまでは何回か布団に粗相しそうな修羅場も経験しているが、危機は潜り抜けてきた。
さすがに紙おむつやペットボトルおまるは採用しなかったが、危険な目に遭遇しまくっている以上、何らかの対策は練らなくてはいけなかった。

母「蓋つきのポリバケツを買いな」
私「何でポリバケツ?」
母「もよおしたらバケツの中にやる。以上」

これは災害時にも使える知識だ。
母は昔災害に遭って、トイレのない長屋に住んでいた事があったそうだ。その時に編み出した技術らしい。野外設営のトイレは寒く、夜間は暗くて危険だから、家族でバケツに用を足していたらしい。夜が明けたら中身を捨てれば繰り返し使える。

使い方はこうだ。
母「バケツにビニールかけて、中に割いた新聞紙を適当に入れる」
私「うちに新聞紙ないからいらない紙でも良いの?」
母「おしっこが飛び散らなければ良いよ。無いと外に飛び散る事もある」

新聞紙を入れるのが面倒なら無くても問題は無いらしい。バケツに紙を入れる理由はもう一つあって、排尿の音を周囲に響かせない配慮もある。日本人としての粋な作法らしい。

母「何回か使うと臭くなるから、安いポリバケツが良いだろうね。中身が無くてもすごく臭くなったら捨てる」
私「蓋は中身をそのままにしてる時の対策だね」
母「暑かろうが寒かろうが臭いからね」

このおまるのデメリットは中身を直接流せないタイプのポータブルトイレがある家庭ではわかるかも知れないが、蓋をしないと部屋がとても臭くなる事である。蓋をしてても排せつ物の臭いが消せないのが結構キツイ。
実際に実家で水道が故障してトイレが使えなくなった時にバケツを使用した事があったのだが、排便は控えるようにしないと同居人が辛くなる。

私が寝たきり状態の時に枕元に備えていたおまるは、100均の深い洗面器にビニールをかけてコピー用紙を割いた物だった。これは最後の砦として設けられていたので、あえて蓋は用意してない。
洗面器おまるは下からの排泄には使わなかったのだが、上からの排泄、突然の嘔吐にはかなり役に立てたので、用途によって大きさは使い分けると良いのだろう。

母の豆知識として、バケツおまるが座り辛いので、丈夫なダンボールに穴をあけてバケツに被せて便座を設けると排泄が楽になるそうだ。被災してトイレが使えなくなった時にでも役立てたい。
ここ数年、日本各地で災害が続いている関係で、携帯用トイレも各所で売られている。コンビニでも手に入りやすくなったので、あえてバケツおまるを用意しなくても良いかも知れないが……。
寝たきりの病人の枕元におまるがあるとちょっと安心かも知れない。

特に独り暮らしの重病人には、枕元におまると携帯用食料とペットボトルの水(経口補水液などはこぼすと悲惨な事になるし、のどが渇きやすいから水が良い)は常に常備するよう推奨して置く。邪魔だと思っても完全に動けなくなった時に真価を発揮する。誰も忘れる事は無いだろうが、非常事態をよそに伝えられるよう携帯電話も忘れずに枕元に置こう!


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