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世間は平気で5年くらい遅刻してきます

2018年7月9日 『敵意帰属バイアス』

レターポットをリリースした時に、最初に起こった批判は「換金できなかったら意味がないじゃないか!」でした。

もともと自分も“換金できるベース”で設計をスタートしていたので、その気持ちも分からなくもないのですが、
シミュレーションを繰り返せば繰り返すほど「換金」にはデメリットしかなかったので、リリース直前で換金装置を外しました。

あらためて、「『文字』を売ります。買いたい人は買ってね」とアナウンスを出しても、「換金できなかったら意味がないじゃないかー!」
と批判する人がしばらく消えなかったと記憶しています。

「ちなみに、普段、魚屋で買った魚や、花屋で買った花を換金してるんですか?」と説明しても、「換金できなかったら意味がない!サイテーだー!おかしいっ!!」

とギャースカギャースカ。

そう思うのなら、買わなかったらいいだけの話なのですが、ギャースカギャースカが止まりません。

その次に起こった批判は……
「レターの売上が西野(の会社)に入ってる!最低だっ!!」
でした。

これは、もう異次元レベルの批判で、何がどうなれば、そんな結論になるのかがまったく理解できませんでした。

「頑張って作った商品の売上って、作り手が受け取っちゃダメなんだっけ?」です。

これも、どれだけ説明しても響きませんでした。

「頭が悪い」というよりも、坪田先生が教えてくださった『敵意帰属バイアス』がかかっている感じで、「西野は悪いことをしているに違いない!」という結論から逆算して身体が反応しているのだと思います。

これに対して、「お前、本当にバカだな…」からスタートして、1000人であろうと、10000万人であろうと理詰めでタコ殴りにすることは可能なのですが、残念ながら、理詰めでタコ殴りにしなきゃいけない層の方が厚いので、言い負かしたところで損をする(負ける)のは僕です。

今朝、『西日本豪雨』の件で、レターポットに一気にアクセスが集中して、一時、繋がりにくくなりました。

(※御迷惑と御心配おかけして申し訳ございません。ヤン君や藤岡さんが本当に頑張ってくださって、現在は、復旧しております)

それだけたくさんの方が「レターポットを使って支援しよう」と考えてくださったのでしょう。

現在、すでに1000名近くの人が、被災地に向けて言葉(レター)を贈ってくださいました。

運営からは『贈られた総レター数×5円』を、支援団体に寄付しようと思います。
寄付先は現在協議中です。

今、思うのは、『レターポット開始当初(とくに最初の2ヶ月)、一人一人に仕組みを説明して、誤解をといて、「いやいや、違うんです。これはね…」を一日100件ほど繰り返して良かったな』です。

あの時、「ダメだ。全員アホすぎる。コイツらと喋っても時間の無駄!」と僕がキレていたら、今回、救えていたハズの人が救えていませんでした。

自分の興味はいつも「知らないことを知りたい」で、そこに世間は平気で5年くらい遅刻してきます。

しかし、(先日も、そんな投稿をしましたが)その圧倒的に遅れてくる世間のハートを掴まないと、大きなことはできないわけで、僕としては、これが一番難しい宿題です。

「レターポットは悪いシステムなんだー!」

「売上が西野の懐に入ってるー!サイテー!」

「換金できないなんてサイテー!!」

「西野って、いつも炎上してるから、悪いヤツなんでしょ?」
…という層を切り捨てない、という宿題。

一筋縄ではいきません。

きっと、このサロンにも同じような悩みを抱えている方がいらっしゃると思うのですが、玄人を唸らせるなんてバカでもできるので、ボケーっと生きている人達を否定せずに、その人達のハートを掴みにいく作業を互いに励まし合いながらやっていきたいです。


2018年7月10日 【サロンメンバー全員で『寄付』についての認識を共有しておきたいと思います】

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※『エンタメ研究所』といいながら、ここ数日は「西日本豪雨」の話題が続いております。

ご容赦ください。

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『レターポット』の寄付先を探している最中に、会計士の松本さんに「寄付って『経費扱い』なんですか?」と聞いたところ

『寄付の場合(支援金を送る、支援物を買って送るとかは寄付という扱いになります)は、ざっくり言うとですが、国や地方公共団体(市区町村の役所)に寄付する場合は全て経費になりますが、一般の人や民間企業に寄付する場合はほとんどが経費にならないようになってます』
と返ってきました。

なるほど。

“振り込み先” によって、経費になったり、ならなかったりするんですね
(僕は知りませんでした)。

※ちなみに『日本財団』は民間です。

こういうことも踏まえて、『レターポット』の寄付先を選ばなきゃいけないのですが、きっと、どこに寄付をしても批判は起こると思います。

寄付の使い道が明確な一部の地域の公共団体に寄付すれば、
「なんで、その地域だけ贔屓するんだ!」
と、批判は起きますし、
広い地域に平等に寄付すること考えて、日本赤十字社に寄付すれば、
「寄付が、ちゃんと使われていることを確認したのか!!」
という批判が起こります。

寄付することを決めた時点で、こういった批判が起こることは受け入れないといけません。

(僕の場合は、そもそも好感度が低いので批判されても問題ないので、変に気を使っていただかなくて結構です。いや、マジで。)

整理します。

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①寄付先によって、経費扱いになったり、ならなかったりする。

②寄付する以上は批判を受け入れる。
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今日は、この二点ですね。

現在、『レターポット』(総レター数×5円)の寄付先として、被害の大きかった『倉敷市』が候補に上がっています。

こちらは、まだまだ協議中ですので、決定ではありません。


【追伸】

千羽鶴を被災地から1万円で買い取って、僕が代わりに処分してあげるサービスを考えましたが、被災地の方が叩かれそうだし、被災地に送られる千羽鶴が更に増えそうなので辞めました。

千羽鶴のシェアサービスを考えましたが、考えれば考えるほど『千羽鶴なんて誰も要らねえ』ということが浮き彫りになります。


2018年7月11日 メールをスクショ

僕の仕事が、いかに「投げっぱなしか」が分かるメールをスクショしておきました。

『レターポット』の公開ポットに関する提案です。
たぶん、こうした方がレターの巡回度が上がると思います。

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これは投稿から1年が経過した記事です。

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普通に生活費のかかる個人ですから。お金をいただけるのは嬉しいことです。 ありがとうございます。先にお礼を言ってしまいました。返礼の法則って知ってますか?さあ