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サービスハブ構築・運営事業について


毎日、大阪市西成の「釜ヶ崎」でいろんなことをいろんな人としています。

その詳細を一つずつ紹介させていただきます。
自分の活動を紹介することが、この街の社会資源やまちづくり、地域課題を僕が説明する上で一番わかりやすい方法なのかなと思います。

まず、最初は今自分が一番時間をかけて取り組んでいる、

西成版サービスハブ構築・運営事業「どーん!と西成」

この事業は大阪市西成区からの委託事業で、西成特区構想の流れで2019年8月に生まれた事業です。
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この事業、本当に貴重な事業だと思っているのですが、なかなかこの事業の良さを伝える力がなくて・・・

事業が生まれたときに、行政HPに掲載されていたサービスハブ
事業の説明が下記の図になります。

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「再チャレンジできるまち」を目指すために生まれた事業です。
釜ヶ崎にはさまざまな支援団体が多数あり、社会資源の多い地域です。
その地域の社会資源のハブ機能となり、既存の制度では十分に支援ができなかった若年層等への支援をする事業です。

●対象者

原則、西成区で生活保護を受給している15〜64歳で稼働能力を有す人の中で、なかなか就職が安定しない人や健康状態などに課題がある人。
西成区役所から、対象となる利用者さんが紹介されます。
その他にも特例的に他団体が支援している人で対象となる条件に合致している人を支援団体側から行政に利用適用のお願いをして、利用を始める人もいます。

●取り組んでいること

①就労支援
大阪市には「総合就職サポート」と言う生活保護受給者を対象とした就労支援事業が各区に設置されています。その事業はよく聞く人材会社などが受託しているのですが、その事業ではうまく就労に至らなかった方がサービスハブの利用者になっており、就労支援の内容も大きく違います。
利用する一人一人の状況に応じた就労支援を実施しています。
例えば、「ハローワークに行って就職活動をしてきてください」と言う就労指導は全国でよくあることです。

しかし、サービスハブ事業では、例えば今まで日雇労働でしか働いたことがなく、ハローワークを利用したこともなければ、履歴書を書いた経験がない人が多数います。そう言った方には、履歴書の作成を一緒にしたり、ハローワークに一緒に行って、使い方をレクチャーしたり。
そもそも、戸籍が知らない間に変えられている人もいて、弁護士を交えた手続きをしたり、住民票がない人の設定、就活に必要な携帯電話契約のために必要な身分証作成支援や携帯電話の購入支援(ブラックリストに入っている人なども多い)、携帯電話の使い方レクチャーなど、必要だと思われることを可能な限り全て実施して行きます。
また、求人の応募先企業に直談判し、面接同行を行うこともあります。

挙げれば本当にキリがないので、「利用する一人一人の状況に応じた就労支援を実施」となります。(なんだかチープな表現・・・)

②生活支援
直前まで野宿生活をしていた方も利用されます。
一人暮らしを維持するために必要な支援を実施します。
具体的に、
・家計管理、金銭管理
・衛生状態の確認(お部屋の掃除をお手伝いすることも)
・大家との各種交渉や調整
・起床喚起
・転居支援
などをしています。

文字にすると、すごくライトな感じですが、こちらも就労支援と同じく、
「利用する一人一人の状況に応じた」ことをしています。
例えば、「隣人の騒音に困っている」と相談があった利用者さん宅に連日深夜に騒音を一緒に確認したり、隣人といざこざを起こしている人の仲裁に入ったり、貧困ビジネス気味の大家との調整もしています。

③居場所運営
日・祝・年末年始以外の9:00〜18:00の間、居場所を運営しています。
(緊急事態宣言中は制限あり)
外出機会作りにも一役買っており、安心して「居れる」場所を運営しています。
利用者さんだけに限らず、地域のいろんな人が顔を出す場所です^^
毎日一緒に昼ごはんを食べたり、ゲームをしたり、テラスでバドミントンをしたり、談笑したりしています。

④受診同行・障がい者手帳取得支援
健康状態に課題がある利用者さんが多数います。自身の健康状態についてうまく医師に説明できない人や、自身の健康状態の悪さにあまり自覚的でない人もいます。そのような場合に一緒に病院に行って診察を受けることも多々あります。
また、支援を通じて関わり、アセスメントした結果、障がい者手帳が取得できる可能性があると判断した場合は取得のお手伝いもします。

⑤プログラム実施
生活を豊かにするためにさまざまなプログラムを実施しています。
(緊急事態宣言中は制限あり)
・グループワーク
・お花や野菜の栽培
・お菓子作り
・表現プログラム
などを実施しています。
プログラムでは、
非日常的な体験だけでなく、日常生活をより豊かにするための知識を得られるものもあります。
利用者さんの希望によって生まれたプログラムと我々が必要だと判断し企画するプログラムがあります。

⑥社会的つながりづくり
利用者さんの中には、困窮状態となりこの街に辿り着いた人が多数います。
また、大阪出身の人は少ないんです。
知り合いが誰一人としていない人もいます。
生活をしていく中で、感情を共有しあうことで、
辛さが緩和されたり、困ったことがあった時に解決につながったりします。
サービスハブ事業では、利用されている方が
地域内で知り合いが増えるような支援を実施しています。
具体的には、
・地域内の他団体との交流
・地域内のボランティア活動への参加
などがあります。
過去には、こども支援団体の運動会のボランティアに行ったり、
デイサービスで飼っている犬の散歩を代行でしたり、
利用者さんが地域のこどもたちに木工教室を開催したりしています。

⑦他団体への繋ぎ
利用者さんが抱える課題の内容に応じて、地域内の他支援団体への繋ぎを実施しています。釜ヶ崎の社会資源を最大限利用し、支援をおこないます。
具体的には、
・債務整理→法律関係の団体
・就職活動→就労支援団体
・就職に役立つ研修→研修実施団体
・就労継続支援→作業所
など、必要に応じて繋ぎをしています。

ざっくりと説明すると、以上になります。
これ以外にも書き切れないくらいいろんなことをしています。
全ては、利用している人が今以上に快適に生活できるようになるために、再チャレンジの応援のためにその都度臨機応変に対応しています。

釜ヶ崎で稼ぎ、釜ヶ崎でほぼお金を使い切るライフスタイル。余ったお金は基本的に釜ヶ崎の支援団体に寄付してます。なので、応援していただくと、結果的に地域内の飲食店か支援団体にだいたい届くことになります( ^ω^ )