狂った果実

 はじまりはいつもこうだ。みんないかれちまった!! その通り、その通り、リズムが肝心。例えば変態な物語を僕が語ろう。語る資格など僕にはありゃしない。けど、語ることだ。この痛みが少しでも和らいだら良い。それで、いい。
 月を小さい頃食べたという女がいてそいつを部屋で犯したことから話し始めようか。デヴィッド・リンチが好きなその女は股が井戸のような臭いだった。白いロープで手足を縛る。犯す手順はまるで新聞の中にチラシを挟むアルバイトより簡単な流れ作業だった。簡単すぎてスーパーマリオの1-1を思い出すと、僕の脳内でスーパーマリオの音楽が鳴り始めて苦しくて、苦しくて嘔吐した。女の顔面に全部かかった。女はバッタのように一生懸命飛び跳ねる。女の顔をガムテープでぐるぐる巻きにする。吐瀉物まみれの顔面。もう、何もすることができず、諦めたのか、女はぷるぷるとゼリーのように震えて、しばらくすると、マネキンになったのだ。僕はそんなマネキンを犯していたのだ。部屋には僕と女以外だれもいない。
 みんなどこかに行っちゃった。

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