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クワガタ脱走事件

どうもダイジョブです。皆さんはクワガタを飼ったことがありますか?
僕は子どもの頃に、クワガタ採りが得意なお父さんを持つ友だちがいて、クワガタをもらったことがあります。
虫かごにクワガタを入れて、昆虫ゼリーを食べるのを眺めたりして楽しんでいました。

周りの友だちもみんなクワガタを飼っていて、誰のクワガタがデガイだの、強そうだの言って競っていたのを今でも覚えています。

僕の友だちのSくんもクワガタを飼っていて、ある日、
『俺のクワガタを見に来いよ!めちゃくちゃデケェから。』
と、イキったお誘いを受けたので、Sくんのお家に見に行くことにしました。

Sくんのお家に着き、早速クワガタを見る為にSくんのお部屋に向かいました。
お部屋に入り、クワガタの虫かごの方に行くと、Sくんは突然、焦った声で、

『えっ?!なんでっ?!』と言いました。 

虫かごを見ると、フタが開いていたのです。

Sくんはクワガタを4匹飼っていたのですが、虫かごには3匹しかおらず、見せたかっためちゃくちゃデケェクワガタはいませんでした。

きっと開いたフタから脱走してしまったのでしょう。てか、絶対そうでしょう。

それまで散々イキっていた彼の姿は、秒でなくなりました。

『まだその辺にいるはずだ!探せー!』
というSくんの言葉に子どもながらに、

(そんなセリフはドラマでしか聞かんわ!)
と思ったのを覚えています。

仕方ないので、一緒に部屋中を探してはみましたが、いっこうに見つかりませんでした。

完全に諦めムードが漂う中、Sくんの部屋のすぐ側の廊下から、

『パシンッ!パシンッ!』
という音が聞こえてきました。

何だろうと思い、Sくんと一緒に廊下に出てみると、そこにはスリッパを手に持ったSくんの母ちゃんがいました。

僕はピンと来ました。(恐らくSくんも)

Sくんの母ちゃんは、手に持ったスリッパを振り上げ、床に向かってパシンッ!!と一発かまし、こう言いました。

『ゴキブリにしては硬いがね。』

Sくんのこの年の夏は、あの瞬間に終わりをつげました。

おわり

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