見出し画像

この犬、どうよ?!

どうも!ダイジョブです。
皆さんは、道を歩いていて、知らない人に声をかけられたことがありますか?

僕は、そんなにたくさんはないですが、忘れられない強烈なやつがあります。

本編

これは、僕がまだシミもないピッチピチの20歳の頃に起こった、強烈なお話です。

その日は、朝からアルバイトだったので徒歩でバイト先まで向かっていました。

すると、前方から控えめに言って、汚ねぇ格好をしたおじさん?
おじいさん?
お兄さんではないことは確かな男の人が歩いてきていました。

段々と近づくにつれて、僕はそのおじさん(おじさんにしときます)にある違和感を感じました。

おじさんは右手でLサイズくらいのスーパーの袋を持っていたのですが、なにやら袋の中身がゴソゴソと動いているのです。

めちゃくちゃ気にはなりましたが、ジロジロ見るのもおじさんに失礼なので、チラチラみていると…

袋の上から小型犬がピョコッと頭を出してきました!

あまり犬には詳しくないのですが、恐らくトイプードル的なやつだったと思います。

汚ねぇおじさんがスーパーの袋に可愛いワンちゃんを入れて歩いているその光景は、20歳の僕には衝撃的過ぎました。

ついつい、失礼とか忘れて、凝視してしまいました。

すると、おじさんが酒焼けの向こう側くらいのガサガサ声で、僕にこう言いました。

『兄ちゃん、(ガサガサ)この犬、どうよ?(ガサガサ)』

怖えぇ〜!!!!

それに、ガサガサ過ぎて聞き取りにくぅ〜!!

僕は、頭が真っ白になりました。

僕が返答に困っていると、

『どうやって聞いてるんや!(ガサガサ)』

と、わりと強めに言ってきました。

おじさん、酔っ払ってるのかな?と思い、深呼吸をするフリをして、おじさんからアルコールの匂いがしないかチェックをしてみましたが、
アルコールの匂いはしませんでした。

シラフでこれ?…

余計に怖くなりました。

がしかし!!おじさんへの返答の時間が差し迫っている中、僕は当たり障りのない言葉を必死で探し、やっとのことで見つけた言葉を言いました。

『可愛いです。』

僕の言葉に気を良くしたおじさんは、笑顔で話始めました。

『ガサガサ、ガサガサガサガサ!ガサガサ。』
※全く聞き取れなかったので、ガサガサでお送りしております。

僕、『へぇ〜、そうなんですね。』

ガサ『そうなんですね!じゃないわい!』

怒られました。

ガサ『やから!(ガサガサ)いくらやと思う?』

なにぃ?!!!何でそんな話になってる?!
何がいくらかもわからない僕は、もうお手上げでした。

何の値段を聞かれているのかわからない状況であまり安い金額を言うのは失礼だと思った僕は、当時の価値観でちょっと高価なものの値段っぽい金額の6万円をチョイスしました。

これはかなりの賭けでした。

『6万円くらいですか?』

と、恐る恐る言うと、おじさんの顔色がガラッと変わりました。
よく焼けた褐色気味の肌を真っ赤にさせ、

『そんな安いわけないやろがー!!舐めとんのか!!』

地獄だ…。

『この品のある犬が6万なわけないやろがー!』

犬の値段聞いてたのー?!知らんやん…。

『68万じゃ!物の価値もわからんのか?!』

大きい声で怒鳴るので、逆に聞き取りやすくなっていました。

68万もする大事なワンちゃんをスーパーの袋に入れるなよ。と思うと、僕も段々腹が立ってきました。

バイトの時間も迫っている今、やることは一つ!

逃げるっ!!

僕は、
『そんな大事ならスーパーの袋に入れんなよ!』

と、超小声で言って、猛ダッシュで逃げました。

あの日以来、そのおじさんを見ていません。

終わり

皆さんの中で、僕と同じ様な体験をしたよって方がいましたら、コメントで教えてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?