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テクノロジーはヒトを幸せにするか

この記事の3行まとめ
①今までのテクノロジーの変化は、承認欲求を満たすまで発達してきたという意味で、ヒトを幸せにしてきた。
②平成くらいまでは「自己実現欲求」とか気にしなくてよかったが、令和では「自己実現欲求」を満たすまでが課題になっている
③「自己実現欲求」は、「スキ」言ってくれるヒトを近づけ、「キラい」といってくるヒトを遠ざける「自分の個性を認めてくれる、心理的安全性が保たれたコミュニティ」が来る

先日、飲み会で、「テクノロジーの発展って、ヒトを幸せにするのか」というディスカッションをした。

そこで、個人的に「今までテクノロジーが発展した結果、どの範囲でヒトを幸せにしてきたか」「どの範囲はまだ幸せになっていないか」についてメモ。

幸福論について話すとき、よく使われるのがマズロー先生の欲求5段階説なんだけど、僕個人的には、現代の幸福は「承認欲求」まで満たせるようになったんだと思う。

(画像はferretさんから引用)

結論、幸せにできていた範囲は、「承認欲求」なんじゃないかと思っている。それで、これからテクノロジーで満たさなければいけないのは、「自己実現欲求」なんじゃないかなぁと思う。

生理的欲求、安全欲求、社会的欲求は、歴史のおかげでインフラ整備してくれたりして、平成入るころには、ある程度成し遂げてきている。承認欲求については、ferretさんによると、こうらしい。

他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求を指します。
名声や地位を求める「出世欲」もこの欲求の1つに当てはまり、外的部分を満たしたい第3段階までとは異なり、内的な心を満たしたい欲求へと変わります。また、こちらは第3段階における「帰属」の欲求が前提となっており、他人からの賞賛を求める欲求はその後の自然な行為とみなすことができます。
なお、承認欲求における尊重には「低いレベルの尊重欲求」と「高いレベルの尊重欲求」があります。低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、名声、注目などを得ることによって満たされます。高いレベルの尊重欲求は、自己尊重の意識付け、技術や能力の習得、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価より自分自身の評価を重視します。
この第4段階の欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じます。

ふと思ったんだけど、平成ぐらいまでは、ほとんどの人間が承認欲求どまりだったのではないかと思う。だいたい成功パターンが決まっていて、それなりに終身雇用制神話もあったので、多分以上狙わなくてもよかったんじゃないかと思う。

変な話、「自分らしいキャリアなんて無理ゲーっしょ、バンドマンとかあほちゃうか?」みたいな世界観が平成だったなら、それはそれで自己実現欲求なんて目を向けなくても楽ちんだったな~と思う。とりあえず東大生なら、コンサルや投資銀行に入っておけば、バリバリエリート路線行けるっしょみたいな感じなら就活の時も悩まない、年収も保証されてて承認欲求めっちゃ満たせるキャリアが保証されていた(ように見えていた)ので、バンドマンやYoutuberを馬鹿にできてしまっていた。

ただ、平成終わりの無理ゲー感を感じて、格差拡大したり、noteのようなプラットフォーム出てきたり、友達の高校生がtiktokでバズったり、自称インフルエンサーがたくさん湧いてきて、月数10万かせいでいるみたいな話が出てきて、「あれ、実は好きなことでも生きていけるんじゃね?」みたいな感じになってしまっているのが、新しい不幸が作られているのではないかと思う。

先日、中学校の同じ部活だった人が、Youtuberで5万ちゃんねる登録くらいされていたんだけど、ゲーム実況して企業案件とか受けてそうなので、普通に新卒なみの給料は稼げているなぁなんて思ったんだけど(ちなみに僕は公立です)

環境変化が早すぎて安定的に承認欲求を満たせるような「年収1000万うぇ~い、ハイスぺばんざーい」みたいな職種は減ってきている(というか賞味期限が短くなっている)と思っていて、その中で社会的基準で承認欲求を満たすのが無理ゲーになっている感がある。

そんな令和にテクノロジーがヒトを幸せにするとして、その領域は、「自己実現欲求」なんだと思う。じゃぁその自己実現欲求の阻害要因って何かを考えた。

①「あなたの個性、スキよ」と背中を押してくれるヒトがいない
②「あなたの個性、嫌いよ」と言ってくれるヒトとつながらない

①と②は基本的には同じことを言っている。

①は、どんなに自分らしいことをやろうと思っても、「それおもろいじゃん」と言ってくれる人がいないと、自己実現は始まらない。それは行動のスタートとしても、情報の流通として、商品の購入という面でも。

②は、①でうまくいったとしても、「自称インフルエンサー乙ww」「初心者のくせにくそみたいな創作出すな」みたいなことを言われると、傷ついて創作ができなくなる。

①と②を合わせると、「自分の個性を認めてくれる、心理的安全性が保たれたコミュニティ」を作るテクノロジーが、ヒトを幸せにするんじゃんないかと思っている。

なんかその令和的な領域やっているテック系の会社まとめてみた。

note

まさしくこのサービス。説明がいらない。クリエイターが食っていけるようにするっていうのって本当にいいよね。あと、運営側がインフルエンサーだけに焦点を当てず、本当に面白いヒトを必死に探しているのを見ると、すごいファンになってしまう。コミュニティ全体として。

このサービスも、

①「あなたの個性、スキよ」と背中を押してくれるヒトがいない
②「あなたの個性、嫌いよ」と言ってくれるヒトとつながらない

の施策がたくさんあっていい。特に、過激なことを言って、否定されれば否定されるほどランキングが上昇されるようなサービスと違って、いろいろな個性の人が目立ちやすいようになっているのがすごいいい。

猥談バー

猥談好きなヒトが、ただ猥談語りながら飲めるサービス。

このサービスも、

①「あなたの個性、スキよ」と背中を押してくれるヒトがいない
②「あなたの個性、嫌いよ」と言ってくれるヒトとつながらない

がある。たとえば、女性で普通にセックスの話が好きなヒトが、職場で猥談話したら、距離感つかめない変な上司にセクハラされたりするリスクがある。し、アブノーマルなヒトに対して許容耐性が少ないヒトも一定数いる。

でも、猥談バーなら、そういうヒトはすべて排除して、本当に猥談が好きなヒトどうしが話せるわけ。一回行ったけど、めっちゃくちゃよかったのでお勧め。嫁といったんだけど、とてもほっこりした。

そうだんドットミー

求人を紹介しない、転職サービス。これも、

①「あなたの個性、スキよ」と背中を押してくれるヒトがいない
②「あなたの個性、嫌いよ」と言ってくれるヒトとつながらない

が保たれている。普通、エージェントは、転職軸が明確なヒト、市場価値的にモテるヒトに求人を紹介するので、自分の軸が決まっていないヒトはうががられる。自分自身の個性が明確ではないヒトに居場所がない。

それでも、自分自身の個性ややりたいことを一緒に見つけて、個性のいいところを見つけてくれたり、才能を発見できたり、そういう相談をやっているのがグッド。

結論

いろいろと見てきたが、令和の時代には、「自分の個性を認めてくれる、心理的安全性が保たれたコミュニティ」が来るんじゃないかなぁ、というか来てほしいと思っている。心理的安全性が保たれた、なりたい自分になれ、それを認めてくれるコミュニティを生むテクノロジーが重要なのではないかと考えている。

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