【事例つき】シェアの原理をまとめてみた

ソーシャル上でシェアをされることは、非常にマーケティング的に注目されています。今回はシェアという行動原理についてまとめてみたいと思います。

シェアとは

シェアとは、インターネット空間、もしくは物理的な空間において、ある情報を意図的に、もしくは非意図的に他者に共有することを指します。

ほとんどの場合意識的に共有していると思われがちですが、シェアには意識的なものと無意識的なものが存在します。また、他者にシェアしようと思ってシェアしているか、自己完結でシェアが終わっていることもあります。

シェアを分類すると、3種類に分かれます。

共有:意識的に他者に情報をシェアしようとするもの
意見:無意識的に意見を言った結果、他者にシェアしているもの
保存:後で見返したいので、自分のためにシェアしているもの

共有は、他人に意図的にシェアを行う方法です。「この記事面白かったから見てみて!」「この記事すごく役に立ったので見てみて!」みたいな感じでシェアされます。

意見は、意見を行った結果無意識にシェアが行われる方法です。例えば、某ブクマサイトでは、ブックマークエントリされた記事に対して、意見がされます。意見を行った際に、ソーシャルシェアが行われるので、本人が無意識的にシェアを行っていることになります。また、「この記事、私の意見を代弁してくれている」と思ってリツイートするのも狭義の意見に含まれます。

保存は、後で見返したいと思い、シェアが行われる方法です。「メモ」「忘備録」みたいな言葉とともに、SNS上で保存されることが多いです。

多くの場合、「共有」のみに着目されがちですが、実際にソーシャルシェアが起こっている記事を見ると、意見/保存経由のシェアが非常に多い印象です。

シェアを設計する3つのレイヤー

インターネット空間上でのシェアを行うためには、3つのレイヤーを考慮してシェアを設計する必要があると考えています。

①プラットフォーム
②コンテンツ
③企画

プラットフォーム

プラットフォームは、シェアをされる空間の仕様となります。

シェアを意図的に起こす場合、そのプラットフォームのアーキテクチャについて深く理解しておくことが重要となります。プラットフォームごとに好まれるコンテンツや、エンゲージメントが得られるテーマが異なります。

個人的に着目しているのは、以下の観点です。

①そのプラットフォームの村の住人が好きなテーマは何か
②そのプラットフォームの村の住人がシェアを行うプラットフォームの仕様は?また大きくシェアが行われる条件は?
③そのプラットフォームで声が大きい住人は誰か

以下、具体例としてピックアップしておきます。

News Picks
①キャリア論/すごい人のすごい話etc
②無言Pick / コメントPick / Pro PickerによるPick / 編集部の一面表示
③Pro Picker
Twitter
①コミュニティ依存。
②引用リツイート/リツイート/リポスト/インフルエンサーによるリツイート
③インフルエンサー
LINE
①コミュニティ依存
②グループラインでの投稿
③コミュニティ依存。リアルの友達が多い人/リアルの組織で力を持っているヒト
はてブ
①エンジニアリング/政治
②ブックマーク/ホットエントリ入り/
③コメント数が多い人/はてぶ民でかつツイッターのインフルエンサー

コンテンツ

次に、シェアさせるコンテンツです。コンテンツとしてシェアされやすさを保つには、以下のような観点で選ぶと良いでしょう。

①その記事は十分理解可能でコメントしやすいか
②その記事はあとで読み返したいから保存しておきたいと思えるか
③その記事のテーマは賛否両論があるか
④その記事のクオリティには、読者が突っ込む余地があるか
⑤その記事に関する体験は誰でも一度は体験したことがあるか
⑥その記事に関する体験に関する興味の平均値は高いか

ただしすべてを満たす必要はなく、「共有」「意見」「保存」のどの方法でシェアをされたいのかを意識しておくとよいでしょう。

詳細を解説します。

①その記事は十分理解可能でコメントしやすいか

難しすぎるコンテンツはシェアされません。情報の圧縮比率を下げましょう。スマートに言うと「小学生でもわかるように」、よりストレートにいうとこうなります。


②その記事はあとで読み返したいから保存しておきたいと思えるか

シェアの「保存」が行われるようなコンテンツであるかどうかが重要です。「保存」が行われるコンテンツは、

・情報が体系的であるか
・ターゲットが初心者であるか

が重要です。(※個人的なデータ分析の結果、ノウハウ系の場合「まとめ」というキーワードが含まれていると、ブックマーク数が1.5倍くらいに伸びます。また、感覚的には、Qiitaやはてぶの技術記事のトップを見ると、だいたい「保存」型コンテンツとなっています。)

③その記事のテーマは賛否両論があるか

シェアの原理「意見」が行われるためには、賛否両論のあるコンテンツを発信することが重要です。例えば以下のようなトピックは賛否両論を呼ぶので、ソーシャルシェアが多いです。

(1) 大学に行くべきか
(2) 専業主婦になるべきか
(3) 大企業とベンチャーどっちがいいか
(4) ブログはオワコンか
(5) マネジメントはどうあるべきか
(6) プログラミング言語はどれが優秀か

手っ取り早くシェアはされますが、ブランド毀損が起こる可能性があるので注意が必要です。

④その記事のクオリティには、読者が突っ込む余地があるか

シェアの原理「意見」が行われるためには、読者に突っ込む余地を与えることが重要です。突っ込み方には大きく2種類あると思います。

(1) 情報提供の余地:事例などをコメントしやすくする。
(2) 批判の余地:書いていないことを「足りない」とコメントしやすくする

(1) 情報提供の余地は、よくあるパターンとしてはファクトだけ与えて、その理由や事例などを書かないなどの方法があります。この場合は議論が活性化しやすいので、ソーシャルシェアが起こりやすい印象です。

(2) 批判の余地に関しては、あえてミスリーディングなタイトルにしたり、因果を相関で説明させたりするとコメントが発生します。あとは書き手の社会的な弱さに関しても、批判するインセンティブを与えやすいので非常に大きな効果を発揮します。ただしこちらもブランド毀損の可能性があるので、注意が必要です。

⑤その記事に関する体験は誰でも一度は体験したことがあるか

あるコンテンツが、だれでも体験しうる内容かどうかが非常に重要です。例えば、「米国永住権を取るべきか」みたいな議論は、一般人からはかけ離れています。自分の所属する界隈が海外勢の場合ならいいのですが、より多くの人にウケたいのであれば、こういうトピックでバズを狙うのはちょっと難しいです。

基本的には、③賛否両論のあるトピック がだいたいは誰でも体験しうることが多いので、そういうトピックを選んであげることが重要です。

企画

最後に企画です。これはアーキテクチャを利用したり、コメントを生みやすいようなキャンペーンを行います。

企画レイヤーでは、報酬系設計と、強化の原理を利用することで、シェアを意図的に起こすように設計します。

報酬系
物理的報酬:お金やものを獲得する時に得られるもの
社会的報酬:人に認められたりする報酬

物理的報酬

これは企業側がよくやるインセンティブ設計です。

・シェア&フォローでクーポン配布
・シェア&フォローで商品が当たる
・シェア&フォローで賞金●●円

最近だと、前澤さんの企画もそうですよね。

社会的報酬

社会的報酬は、人に認められたい!という欲求を刺激することで、ソーシャルシェアを起こす方法です。

インターネット空間上でのシェアは、この社会的報酬系を刺激するのが一番効果があると考えています。

施策としては以下のとおりです。

・自身のコメントが著者にRTされる
・自身のコメントが公式アカウントでシェアされる
・自身のコメントに対して著者からいいねされる
・自身のコメントに対して著者からコメントがくる
・自分のコメントに対して他者からのリツイートが来る
・自分のコメントに対して他者からのいいねが来る

変動好子を用いて行動を強化する

また、社会的報酬を与えるタイミングをコントロールすることで、より行動を強化することができます。施策としては以下のとおりです。

・個人のコメントに対するリツイートはどのコメントにも行う
・一方コメントに対するいいね、リプライは任意のタイミングで行う
→より高いエンゲージメントをまとめて、質の高いコメントを個人が継続的に行うようになる

変動好子については過去記事を参照してください。


実際の事例の紹介

実際にソーシャルシェアが行われるかどうかを事例を根拠に解説します。有料部分に関しては、オフレコな感じの内容が書かれているので課金フィルターです。今はほとんどやってないですが、社会実験でいろいろと試してみたことをまとめています。

・シェア数を8倍にするためのタイトルの決め方
・ブックマークサービスで拡散されるターゲットごとのインセンティブ設計の話

対象者としては、マーケターやライターさんとか、SEOやってて被リンク獲得に困っているヒトとか参考になるかと思います。

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【事例つき】シェアの原理をまとめてみた

Dai

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