編集とインターネット -融けていく役割-

先日、こんなツイートをしました。

自分のコンテンツがちゃんと世の中に届くようにするコツは、そのプラットフォームの編集者の気持ちを理解することだと思う。フォロワー数が多い人や、noteの編集部、SEO上位表示、主要なメディアでの掲載も全部そう。編集者の意図を見抜くのはすごく大事。

自分自身、発信をしていて、ここ最近「編集力」ってすごく大事な力だと思っていて。

で、「編集力すごい人誰だっけ?」と思ったら、いました、このnoteを作っているPiece of Cake代表の加藤さんです。

加藤 貞顕(かとう さだあき、1973年 - )は、日本の編集者、実業家。株式会社ピースオブケイク代表取締役CEO。『英語耳』(松澤喜好)、『投資信託にだまされるな!』(竹川美奈子)、『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(藤沢数希)、『スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学』(吉本佳生)、累計発行部数は280万部を記録した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海)、『マイ・ドリーム バラク・オバマ自伝』(バラク・オバマ)、『評価経済社会』(岡田斗司夫)など、ベストセラーを多数手がける[2]。(Wikipedia

もしドラの編集もされていて、日本の電子書籍の火付け役だったりします。

ふと、「編集者加藤さんの編集の定義とはなんぞ?」と思ってnoteを読み漁っていたのですが、すごくいい記事がありました。

一部、無料部分を抜粋します。

ぼくの考える「編集者の仕事」は、一言で言うと、ひとが想いを伝えるのを助ける仕事です。
具体的には、編集者の仕事には2つの側面があると思います。
1.ものを作る(のを手伝う)
2.ものを売る(広げる)
...(中略)
3.そのための環境を整える

うん、この定義を見たときに、結構思い出される事例が何個かあったので、今日はそのことについて書いていきたいと思います。

いろいろと思考をめぐらし、いろいろなトピックについて話すので、首尾一貫した議論をするわけではないのでご了承ください。

※この文章だけ単品で300円で買えますが、980円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月15本くらい読めるのでそちらがお得です。

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過去に、『マーケティングとは「ヒトを不幸にする仕事」である』というnoteを書きました。

これを書いたときに、最初は一部の人がすごく共感してくれたんですが、全然伸びなかったんですよね。

そんな時に、好きな編集者のたらればさんにこんな感じでシェアしてもらったんです。

いやぁ、なんかしびれました。リード文の圧縮具合といい、読みたくなるような導線といい、本当に見事というか、これがプロの編集者かと思いました。

だって同じ記事を紹介するときに、これだけリード文とメディアパワーの違いだけで、700RT超えたんですよね。

つまり、クリエイターが作ったコンテンツが700RT行く素質があったものを、編集者は

2.ものを売る(広げる):リードを書いてシェア
3.そのための環境を整える:フォロワーのメディアパワー

ことを通して、クリエイターだけでは絶対に認知されない人に認知されるようになるんですよね。

あとは、幻冬舎の箕輪さんですね。前のnoteでも書いたんですが、彼の場合だと、広げる戦略がうまいです。

2.ものを売る(広げる):自身のメディアパワー。地上波, News Picks, ベンチャー界隈にまで流通可能。さらに有名な人の執筆と、コミュニティを形成しているので、初速がめちゃくちゃ早くなる
3.そのための環境を整える:セレブリティコミュニティ=メディアパワーになる

あれだけSNSでセレブリティと関係性を見せたり、コミュニケーションを可視化するのは、多分理由があるんです。それは彼の社会関係資本がダイレクトに出版に影響するんですよね。落合さん、堀江さん、田端さん、その他セレブリティのコミュニティを作れば、あっという間に初速がつきます。初速第一主義の出版業にとって、あの戦略はめちゃくちゃ正しいと思うんです。さらにひとたびセレブリティコミュニティを作れば、どんどんセレブリティの紹介を通して、よりメディアパワーが大きい人をコミュニティにとりいれ、総体としてのメディアパワーが高まる構図になっているんです。

プラットフォーム=編集者

僕はプラットフォームは、擬人化すると編集者だと思っています。プラットフォームとは、「読み手と書き手をつなげるメディア」と定義していいでしょう。ミクロなレベルで行くと、例えば誰かにRTしてもらう場合のRTした人も編集者になりますし、例えばnote編集部にピックアップしてもらうのも、Googleの検索上位に乗るのも、全部「編集者に引き上げてもらっている」ということだと思っています。

編集者をインターネット化すると、プラットフォームになるんじゃないかと思っています。

編集者の気持ちを理解することの重要性

さて、編集者に取り上げてもらって、流通してもらうためにはどうすればいいかというと、その編集者の価値観や、過去に編集をしたクリエイターを見ることが大事だと思うんです。この編集者はどういう読者に何を届けたいのか、注意深くみてコンテンツを発信することで、その編集者に見出してもらえると思うんですよね。

例えば、noteの場合だと、すごいニッチで面白いコンテンツ、かつ熱量があるコンテンツを押し出します。でも、例えば幻冬舎の箕輪さんにプロデュースしてもらいたかったら、現実世界で力をつけて、ブランド人(?)になる必要がありますね。Googleさんに編集してもらいたかったら、読者の意図に沿った情報を書いていたらいいです。

編集者でもあり、クリエイターでもある

今までの話って、単一の編集者がいて、その人(プラットフォーム)に乗っかるって話なんですけど、インターネットって役割が時によって曖昧にかわるんですよね。

例えば、僕は#ミレニアルnote 企画をやっている場合は、編集者だけど、たらればさんにフィーチャーしてもらったのはクリエイターとしての立場だった。つまり、1億総編集者でもあり、同時に1億総クリエイターでもある、これがインターネットの本質だとおもうんです。

令和=評価の民主化時代の編集力

たびたびnoteでは、評価の民主化について議論していますが、この時代における編集力とは、「時代が読める力」なんじゃないかと思います。なぜなら、一部の有力な編集者に頼らずとも、コンテンツの流通がある程度可能になり、今誰が何を欲しているか、その時代背景は何か。そういうったものを理解できることで、制作から流通まですべてフルスタックでできてしまうのです。そうなった時に、「今何がみんな欲しいのか」「何が面白いのか」という時代が読める力こそ、非常に重要になってくるんじゃないかと思います。

だからある程度までは、自分自身が編集力を持って創作物を作り、影響力を付けること、さらにそこからさらにスケールするには、クリエイターとして「編集者の意図」を見抜いて引き抜いてもらうこと、これが大事になってくるんじゃないかと思っていたりします。

言ってしまえば、一人ひとりが自分というクリエイターの編集者になるということですね。クリエイターとしても、編集者としても、曖昧に生きていくということなんでしょう。

役割が融ける

インターネットの本質は民主化と深津さんもおっしゃられていましたが、民主化の先には、役割が融けた世界が待っているのではないかと思います。

そのことについては、2013年の糸井さんのツイートでもあるように、いろいろな役割が接近していくと思うのです。

編集者でもあり、クリエイターでもある。これってインターネットがなかったらありえない世界観だったんじゃないでしょうか。

インターネットの本質は、融ける、であり、編集者とクリエイターは近づき、接近していくのだろうと考えています。

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