目指すべき場所、そして惰性

〇お姉さんの絵

 Twitterのアイコンのようなものを描いた。何故描いたのか、皆が納得できるような理由は特にない。ただ何となく描きたくなったのがこの絵である。突然可愛いお姉さんの絵が描きたくなった。

 惰性で絵を描くことはないだろうか。恐らく、絵を描く趣味を持つ人なら誰もが1度は通る道であると思う。本当に、ただ何となく何も考えず淡々と描く。強い意志の下に仕上がったものではないので、できても達成感がない。それがこの絵だ。

 ただ何となくやってしまうことは他にもないだろうか。自分の場合はポケモンやランニング等が当てはまる。人によっては歩きタバコや食事タバコ(歩きタバコや食事タバコはマナー違反なので辞めるべきである)、SNSなどが当てはまるはずだ。

〇惰性

 これが惰性というものなのかと実感したのは描いてから数分が経った頃だ。描いているときは熱中しているので惰性がどうかという気は回らない。しかし、これは惰性である。このままならば惰性である。

 次のクリエイティブに対する意欲はある。というより今回のお姉さんの絵はあまりにも達成感がないので脳が、意識が、手が、次なるクリエイティブを求めている状態だ。次は何をするのだろうか。絵か、CGか、立体か。もっと大きなことがしたいのに自分1人ではどうしようもないので惰性でお姉さんを描いてしまったのだろうか。いずれにせよ今の自分はもっとクリエイティブに動きたくて自制するのが難しい。

〇本当に?

 あれこれ述べたが、本当にこれを惰性の2文字で片付けてしまっていいのだろうか。少なくともこれからの自分に影響してくるので簡単に2文字で纏めて良いはずがない。文章も次から次へと言葉が溢れ出てきて書いていて楽しいし、絵だって昔からやってきたものである。遂に趣味と惰性の区別がつかなくなってきたのだろうか。

 現在私は建設業でまちづくりニュースやその他イラストを手掛けている。確かに、絵を描くのは楽しい。皆ができないことを自分ができていることにも快感を覚えた(とはいえ、皆ができることを自分はできないのはダメだと思う)。しかし、絵で次々と形に残る実績を出してしまったので、遂に絵だけでは満足できなくなってきたのが事実だ。皆ともっと大きなことがしたい思いが膨れ上がってきている。もしかしたら、大学時代に叶わなかった「ディスプレイ業界」を大学卒業から2年経った今、もう1度目指すべきなのかもしれない。

〇懐かしき作品

 この画像は私が大学時代にベクターワークスというソフトを使用して作成したCGだ。このCGではミラー素材が多すぎて気持ち悪く見えたりと陳腐なものであるが完成したときの達成感もあってか、とても楽しかった手応えを今でも感じている。このときに教授から出して頂いた課題は「9坪ハウス」。最小現住宅ともいう。人が生活するのに最低限必要になるのが9坪と言われており、この最低限の空間をデザインで可視化する。

 私がデザインした9坪ハウスは父母と子1人の計3人家族という設定。この9坪ハウスでは、読書や勉強を促す「魔法の最小現住宅」をテーマとした。モチーフは魔法使いの部屋である。背景としては、魔法使いが呪文を覚えるには知識が必要であり、その知識を蓄える様子が現実世界の生活の読書や勉強と大きく重なったというもの。現実世界の人間が呪文書をどんなに沢山読んだところで、魔法が使えるようになる訳ではないが、親子2世代で物事をどんどん学んで成長して欲しいという願いがある。これをベクターワークスで可視化した。このCGには後述するが、致命的な問題点がある、それでも自画自賛になってしまうのだが、この考え方自体は今の私も好きだ。

 1階のリビングにはキッチンが設置されている。リビングでは読書を促すことを狙いとした本棚が並ぶ。リビングの中央には本棚の塔がそびえ立つ。七色の弱い照明が、この部屋のメインアイテムである魔法石を照らし出している。CGでは分かりにくいが、本棚はスライドすることで浴室に繋がる洗面所に行くことができる。初めて来た友達をあっと言わせる仕掛けが欲しかっ、そんな遊び心をデザインに交えた。2階は寝室兼フリースペース。リビング側をフリースペースとしたのは大迫力の本棚塔を高い位置からも見て欲しかった為である。

 先述のように、このCGは致命的な問題点がある。このCGを作った当時はあまり気にしていなかったが、本棚は天井に届く程に高くて良かったし、梯子を設置しても良かった。本棚塔を始め、この9坪ハウスはミラー素材を使いすぎているので良くない。9坪ハウスはその狭さ故に光の影響を受けやすく、この狭小空間にミラー素材を至る所に設置すると、光を受けた時、恐らくこの部屋は燃える。実際に鏡の反射により部屋が焼けてしまうことはあるので、テーマが良くてもビジュアル面で大きく損している。

〇ディスプレイ業界

 ディスプレイ業界で働く先輩方が納期に追われる日々で泥臭い毎日を送っていることは重々承知している。しかし、もう1度この業界を目指したい。今この業界への転職を考えている。その為には他の実績も必要。ベクターワークスだけでなく、他のソフトも使えることを自分自身で証明しなくてはならない。自分に価値を与えるのは自分自身だ。
 この文章を書いている今、これまで惰性の気持ちでやってきた全てのことが惰性で無くなったようにも思う。全ては価値のあることで、全て後の自分について回る。惰性で描いたと思っていたお姉さんの絵だって自分についてくる。いつかそれらが自分の武器とも仲間ともなるように、今年一杯頑張っていきたい。

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だいき

作新学院2014卒。高校では硬式野球をしていました。高校卒業後は大学で空間デザインを勉強し、現在は建設会社でまちづくりニュースやマンガ絵を描かせて頂いています。趣味は野球をすることと絵を描くことです。
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