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J3 第1節 アスルクラロ沼津戦

はい。
OPマッチの雑感も選手評も終わってないけど、先にこっちをやっていきますよ。

結果は0-3と残念な結果に終わりましたし、何とも言えない悔しさ、悲しさみたいなものが、何だか胸につっかえているような、そんな試合になったかもしれませんね。
とはいえそうではない、前向きな面もあったかもしれません。

そんな前置きはさておき、ざざっと振り返っていきましょう。


スタメン


https://x.com/zweigen_staff/status/1761584924887576892?s=20

上田樹といえば、まだ彼が高校生の頃に、友達とスタジアムで試合を観ていた姿を覚えています。
そんな彼がスタメンを飾ったのは、これからの金沢のサッカー界を背負っていく子供達に夢を与えられたんじゃないでしょうか。

欲を言えば、ぜひゴースタでも出場してほしいです。
今回の樹も一昨年の波本頼もアウェイでしたからね。
ホーム戦に出て、彼らのその目に樹や頼の勇姿を焼き付けてほしいところ。


その他のメンバーは、石原や西谷がメンバー入りしてきたのはよかったのかなと思います。
それでも怪我人は「多すぎる」らしいので、復帰すればいろんな選手が観られそうです。

試合について

「ラブライブ!ダービー」と銘打った一戦でしたが、私は初代の『ラブライブ!』しかわからんのですよね…しかも1期しか見てないし。
サンシャインも蓮の空も全然詳しくないのですが、聖地同士ラブライブが盛り上がっていけばいいなとは思っています。
ちなみに真姫推しです。
『LOVELESS WORLD』と『僕らは今のなかで』と『ぶる~べりぃ とれいん』が好きです。


OPマッチを観たうえで
「しばらく時間はかかりそうだなぁ」
と感じていたんですが、思った通りだったなという試合でした。

特に後ろから繋いでいきたいという意図は変わらず見えましたし、いくつかそれが結実したシーンもありました。
が、その形や錬度はまだまだだなぁという印象でした。

細かく見ていきましょう。

よかったこと①

チャンスは多く作れてましたよね。
ゴール期待値は3点取った沼津とほぼ変わりませんでした。

https://x.com/SPORTERIA_JP/status/1762056132531802269?s=20 

加藤→梶浦のクロスが惜しくも合わなかったシーンや、CKから梶浦・杉浦のシュートが惜しくも外してしまったシーンなど、相手を完全に出し抜いてゴールに迫ったシーンがいくつもありました。
他にもSBの小島や石原のミドルシュートなど、積極的な攻撃参加から生まれたチャンスもありました。

昨季までは前線の選手の個人技でどうにか得点を稼いでいた印象でしたが、ここは大きく改善されているように感じます。

たらればはあまり言うべきではないかもしれませんが、ひとつでも決まっていれば試合は全く違う展開になっていたかもしれません。


監督が変わってコーチが変わって、戦術が変わってやり方が変わって、それでも最後の「決め切る」部分は選手次第です。たぶんクリスティアーノ・ロナウドが監督になってもそれは変わりません。

よかったこと②

より高いポジションでボールを回せるようになってきています。

https://sporteria.jp/data/2024022512
https://sporteria.jp/data/2023111208

これは今回の沼津戦と前節にあたる昨季最終戦の岡山戦の2試合で、「誰から誰に向けてパスを出したか」を表した図です。(本数の合計は沼津戦の方が50本ほど少ないです)

これらを見比べると、「前向きの矢印が増えている」のがわかるでしょうか?
もちろん選手も違うし監督も違うので志向しているものが違いますし、相手のレベルやピッチ状況も違うので一概にどっちがいいor悪いという話はできません。
ですがこの図だけを見たときに、どちらの試合を見たいと思いますか?

最初に述べた通りまだまだこれからの錬度なので、このサッカーが成熟していけばもっと太くて濃い青矢印が増えていく可能性が高いです。
私はこれがいい傾向だと思っています。

ちなみに試合中はそんなこと気付けませんでした。私も未熟。



気になったこと①

一番改善しなきゃいけないのは、2CB+1人でのビルドアップの形。
基本的に畑尾&山本と大山あるいは小島あたりが関わって3枚でのビルドアップを狙っているようですね。
これをすることによってSBに高い位置を取らせることができるようになります。
昨季は両SBが下がってきて4人が一列に並んでしまうことが多かったので、これだけで進歩といえます。
しかしこの程度のことはどのクラブもできていることなので、ようやくスタートラインに立っただけです。

問題点は、3人の距離が近すぎること。
雨でパス回しも難しかったかもしれませんが、勇気を持って距離を取らないと、相手選手1人でこちらの2〜3人へのプレスができてしまうので、効果的ではありません。
そうすると相手は後ろに人数を残せるようになるので、パスコースが減ってしまうんですね。
他にもCBとサイドの選手との距離が遠くなってしまうので、パスが繋ぎにくくなってしまうというデメリットもあります。

こうして簡単にプレスがハマってしまって、中盤でボールをカットされ、なかなか自分たちの時間を作れなかったことが敗北の大きな理由だと思います。金沢のチャンスは主にショートカウンターとセットプレーでしたからね。まだまだ発展途上のチームです。

もちろん、全くチャンスがなかったわけではありませんでした。
ゴール期待値はほぼ変わりませんでしたし、自分たちの時間が作れない中でも何度かボールを運んで敵陣に相手を押し込むことができている時もありました。あの時間を増やしていきたいんだと思うので、私はもうしばらくは見守っていくべきだと思っています。


気になったこと②

結局CBの話になってしまうんですが、ラインが低いのが気になります。ずるずる下がってしまうのは非常に良くないです。
昨季から比べればまだマシにはなりましたが、まだまだクセが抜けてない感じがしますね。

特に1失点目に、それが顕著に現れていたと思います。
嶋田が囲まれてボールを奪われると、大山がアッサリとかわされ、DFラインを下げられ続けた中で素晴らしいシュートを打たせてしまいました。

結果論的ではありますが、こうなった場合の対処を事前に決めておきたかったですね。
相手のマークを多少捨ててでもボールホルダーに寄せるとか、誰が行って誰がカバーするとか、あらかじめ考えておけばあれだけ簡単に下がりすぎてしまうことはなかったと思います。

とはいえプリケツくん森ユマのドリブルとシュートは素晴らしかったし、CB-SB間を裏抜けしようとして、うまくラインを押し下げたふたりも良かったです。

2、3失点目は正直どうしようもない感があるので、安在を褒めるしかないです。持井も含めて、さすがのヴェルディクオリティでした。

気になったこと③

もう一度先ほどのソナーマップを見てみましょう。

https://sporteria.jp/data/2024022512

CBとアンカーの大山から、効果的なパスを送った回数が少ないのが気になります。
この3人から攻撃を始めるのが金沢の理想形と思われるので、3人から前向きの矢印が出なかったのが残念でした。(とはいえ大山は70分弱の出場に留まったので本数の割合が少なくなっているという擁護ポイントはありますが)

また前線の3人にもなかなかボールを当てられなかったのも残念でしたね。
右サイドであえて孤立させているようにも見える大谷はともかく、杉浦を起点にラインを押し上げたい時間もあったように思います。

ちなみに金沢の上位互換のようなソナーがあったんで出しときますね。
どこのどいつのものかはお分かりだと思います。

https://sporteria.jp/data/2024022512

気になったこと④

現状の課題を解決するためには、3CBにした方がいいと思いました。
1アンカーのシステムをとった場合、どうしてもその脇を突かれてしまってピンチを招く可能性が上がってしまいます。
守備陣形が整っていれば梶浦が降りて4-4のブロックを組めますが、ショートカウンターを食らってしまうとすぐには対応できませんからね。

特に現在そのポジションを任されている大山は守備範囲が広い選手ではないため、そのカバーの仕方をチームとして構築しなければいけません。
西谷であれば大山よりはうまくCB前の門を閉めてくれると思いますが、それでも限界はありますし、ボールを持った時の展開力は大山の方に分があると思っています。
選手の質の問題というより、システム上どうしてもできてしまう弱点だと思います。

ここでCBが3人、例えば井上-畑尾-山本と並んでいれば、山本が迎撃守備をしにいっても、まだ残りの2人を最終ラインに残すことができ、安定感が増します。

また3バックならCBの3人でビルドアップをすればいいので、大山(西谷)をもっと前線でボールに触れるようにもなります。3バックには不慣れな選手が多いと思うので簡単なことではないかもしれませんが、今後3バックの時間が増えていく可能性はあるのではないでしょうか。


総括

最後に、ひとつだけ言えること。
昨年より絶対に面白いサッカーやってます。
忍耐強くやっていけば、ワクワクするシーンは必ず増えます。
結果だけで判断するのはやめませんか?

そしてもうひとつだけ。
何も考えようとも、何も理解しようとせずに、「俺たちにできることは応援することだけだ!」と思考を停止するのもやめませんか?
それじゃあ試合前の自分と試合後の自分、何も変わっていませんよ。ただ無駄に時間を浪費しただけです。

あーでもないこーでもないと言いながら、考えながら試合を「観る」だけでも、2時間で得られるものがあるはず。
それがサッカーのいちばん面白いところ、醍醐味だと私は思っていますし、推しチームをベースアップする第一歩だと信じています。


最後に、これを書くにあたって参考にした記事や動画のリンクを貼っときます。ここと言ってることが被っていたら、それはパクリではなくオマージュとかリスペクトとかインスパイアの類です。
ここと言ってることが違っていたら、みんな違ってみんないいんです。金子みすゞです。
なので、そこんとこよろしく。



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