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J3 第2節 FC今治戦

今治強かったっすね。

早速試合を振り返ってみましょう。


スタメン


https://x.com/zweigen_staff/status/1764124711540363365?s=20

初スタメンの西谷が非常に効いておりましたね。
守備範囲がかなり広いので、ひとりでも平然と相手を刈り取ってました。個人的には大山と梶浦の共存がいちばん観ててワクワクしたので、この使い方を希望。
中盤足りねーじゃん。

山ノ井もなかなかよかったんじゃないでしょうか?
セーブに関しては上田の方がうまそうな感じがしますが、足元の技術では山ノ井の方に分がありそうです。


試合について

まず前節に引き続き、というかそれ以上の悪天候だったことはひとつ考慮に入れるべきかと思います。
ボールをつなぎたい金沢の方が不利になりやすい天気だったのは事実です。たとえ他にひどいところが多くて見るに耐えなかったとしても。

前半

前節見られた3枚のビルドアップの形は今節でも継続していましたが、大きく改善されたわけでもないような気がします。
若干幅をとっていた気もしましたが、それでも近すぎてパスする意味のないパスも多く見受けられました。
ただここはとりあえず、雪で地面のコンディションが悪かったからということにしておいてあげるので、さっさと改善してください。

それからトランジションも遅いですね。
例えば9分33秒のシーン。

数年ぶりにこういう図を作ってみたぜぇ

西谷が相手からボールを奪った場面で、相手CBの白井とSB市原の間には大きなスペースができていました。
マリソンにはこのスペースに走り込んでおいてほしかった。うまく抜け出せればシュートを打てたはず。攻守のフェーズが切り替わった時、守から攻へ攻から守へ切り替わる時は「頭を動かす」をしっかりやらないといけません。

嶋田も然り。相手のボランチとCBの間のスペースは、彼の最も得意な場所のはず。マリソンが動かなかったのであれば自分がスペースに顔を出してボールを受けていれば、次の展開を作れたのではないでしょうか。

ちなみにこのシーンは、西谷が梶浦にパスを出し、ようやく近づいてきた嶋田へのパスがずれてしまって相手ボールになってしまいました。

他にも加藤や大谷を狙ってロングボールを蹴っても、その近くに誰もいなくてボールを失ってしまうシーンが何度かありました。トランジションの遅さが、ボールを運べない、つなげないといった機能不全に陥っていた原因だと思います。

嶋田と加藤が前半のみの出場となりましたが、そこが理由じゃないかと思ってます。

あ、失点については最後に話してるよ。最後まで読んでね。


後半

前半が嘘のように、試合展開をほぼ五分に持っていくことができました。
特に決め手はWG加藤を下げてCB井上を投入したこと。スリーバックへの変更がキーになったと思います。

ただこれだけならなんとなくの雰囲気でも、まぁわかるじゃないすか。
実際次の試合からは前半から3バックにした方がいいと思ってるでしょ?あなたは。

じゃあなんでそう思ったんですか?
スリーバックにしたからうまくいった

のではなく

スリーバックにしたことで〇〇ができたから、うまくいった

はずです。
〇〇がなんなのか、ここまで考えるようにしましょうよ!
「素人だから〜」とか関係ねえよ何年サッカー見てんだよ。
間違ってもいいから発言していけばいいんだよ。


3-4-3に変更したことによって、選手それぞれの役割が明確化しました。
3CBは自分の位置でビルドアップして前につけていけばいい(井上が少し前に上がり気味の、変化づけを忘れないやり方でした)。ツートップ+ヴィニシウスにそれぞれが負けなければいい。

3トップは相手の2CBを攻略すればいい。もうひとりがカバーに入ってくれば、他のポジションが空く。
基本的にはマリソンが頑張って競って、近くで杉浦・大谷が受け取って展開する。
杉浦は特にサイドに流れたり中央で捌いたり、すごく手応えを感じていそうなプレーでしたね。


やることが明確になったことで、選手は思い切ってプレーすることができるようになったと思います。
「あれ?今どうするんだったっけ?」が、「今はこれをすればいいんだ、行くぞ!」に変わるわけです。
そうすれば一歩目が出るのがはやくなるので、前半には触れなかったボールに触れるようになってきます。そうするとリズムが掴めてきて、気分も良くなってきます。
もちろん今治が前に出ていく必要がなくなったので落ち着くことができた、という側面はあったと思いますが、プレスをかけられた場合でも、冷静に処理することができたシーンもありました。
この思考の部分を、思考しなくても自然とできるようにしていきたいところですね。

こんな感じでかなり流れを引き戻した金沢でしたが、80分ごろに今治もスリーバックに変更してくると、攻めあぐね、試合はそのまま終了となりました。


車と一緒です。いま選手はマニュアル車の運転を頑張っています。
たくさん手順があってどれからやっていけばいいか混乱するし、失敗するとすぐにエンストしてしまいます。
これが練習を重ねていけば、複雑なギアの操作もクラッチも慣れてくるはずです。
と思います。

ちなみに私は田舎の男なのにAT限定で免許取ったクソザコなので、例えが合ってるかは知りません。


仕方ないことと仕方なくないこと

監督が代わり、戦術が変わり、選手たちはマニュアル車を乗りこなすような難しいタスクを求められています。
だからこそ、「現状まだ未完成だから仕方がない部分」と、「いますぐ改善できるし、放置してはいけない部分」があると思います。
そこを分けて考えられるようにしましょう。
3試合で10失点してしまっていますが、まずい取られ方をしたのは3〜4点くらいだと思ってます。


例えばコーナーキックの守備において、昨年まで取っていたマンマークディフェンスをやめ、ゾーンディフェンスに変更しています。

この結果生まれてしまったのが1失点目と3失点目だったと思います。

1失点目はヴィニシウスの入り方がうまかったのもありますが、ノ山本はボールに向かっていくようにヘディングすべきだったと思うし、後ろにいた畑尾や大谷あたりが声をかけてあげないといけません。
もし言ってたんなら聞いてないノリが悪いです。

3失点目はクロスを跳ね返した後、新井が縦に突破を図ってえぐってきた時に、5-3のブロック全員が下がってしまい、阪野がボールを受けるスペースを与えてしまいました。

ゾーンディフェンスでは味方との連携や声かけが特に重要ですが、それがまだ成熟していないということだと思います。ここらへんは、全てを脊髄反射のごとく素早くこなせるようにならないといけません。
しかし現在は、いちいち脳に信号を送らないと、解決できないんだと思います。
見たくはないですが、もうしばらくこういう失点は続くんじゃないかな。
それから車の例え、最初から脊髄反射でよかったんじゃないかな。


逆に絶対に許してはいけないのが、2失点目だと思います。
これもまたヴィニシウスがうますぎたねという話ではあるんですが、こちらがヴィニちゃんが石原をかわした直後のシーンです。

2枚も作っちゃったぜぇ
ハーフコートにし忘れたけど、そのままにしてやったぜぇ
ワイルドだろぉ〜

山本は阪野を気にしながら、畑尾が抜かれた際のカバーをしなくてはならなくなり、オウンゴールをしてしまいました。
畑尾はもっと酷で、後ろを走る山田を気にしながら、まだプレッシャーを全くかけられていないヴィニシウスの縦突破とカットインの両方に対応しなくてはならなくなったのです。

もったいないのが小島と大谷。ここにいても仕事はありません。
彼らがもう少し中に絞っていれば、2CBは後ろを気にせず目の前の相手に集中できたのではないでしょうか。

これは監督が違うからとか、戦術が違うからとか、そういう次元のことではないと思います。守備時には陣形をコンパクトにする必要がありますし、それが不十分だったから生まれた失点だったと思います。

オウンゴール自体は気にする必要ないですからね。ノリはよく頑張って足を出したと思うし、触ってなかったら阪野がシュートを打てていたと思うので、いずれにしろ失点していたでしょう。


また3失点目でも同様に、許してはいけないシーンがあったと思います。
ゴールを決めた阪野のシュートの際、マリソンがボールを蹴り出そうとしていたのですが、ここで体を投げ出して滑り込んでほしかったです。

何も「やる気がないのか!」とか「気持ちを見せてみろ!」とか、老害みたいなことを言いたいわけではありません。
スライディングした方が、相手のシュートが足に当たる可能性が上がるからです。ボールを蹴ろうとした時に、目の前に大きな丸太が縦に置いてあるのと横に置いてあるのと、どっちが邪魔ですか?ってこと。

いわゆる「守備が緩い」というのは、こういうところに出てしまうのかなと思ってます。沼津戦では自分に当たりこそしなかったものの、西谷が積極的なタックルでシュートコースを塞ぎにいっていたのが印象的でしたよね。


ヤンツーさんはこういうシーンをとても厳しく見ていたはずですが、賞味期限が切れたのか、経年劣化のせいなのか、晩年は緩さに拍車がかかる一方でした。
今のところ、伊藤さんはここを改善できていません。練習ではかなり厳しく言っているみたいですが、現状はこうです。

ここがよくならないと、たとえ点を取れるようになったとしても、上位浮上は望めないでしょう。早急に改善してほしいのは、もしかすると、選手のメンタリティかもしれません。頭では分かっていても、プレーに反映されていないのが現状です。

総括

結果にこだわれ

という弾幕が出ていましたが、極論、私はまだ結果にこだわらなくていいと思ってます。そんなすぐに結果がついてこないのは明白なのでね。

そんなことよりどうか、昨季と今季を分けて考えてみてください。どっちが「点取れそう」ですか?
見てて楽しい、応援しがいのあるチームかは、私は一目瞭然だと思ってるんですけど…。


P.S.
Twitterのおすすめ欄に、アキラ不毛時代の地獄を見てきた、面構えの違う方々がちょくちょく出てきます。皆口を揃えて、「金沢は◯年前のうちと同じにおいがする!」とおっしゃってます。

信じてないわけじゃないです。実際そうなんでしょう。

ですが、他のところから徐々に改善していってるのも事実なんです。
最終的には仙台・磐田のようにうまくいかないまま終わる可能性もあるんでしょうが、それを覚悟でうちは彼を迎え入れてます。
すでに変化の片鱗は見せてくれています。

3試合で2得点10失点ですが、それでも昨季より楽しくてしょうがないんです。私も別な意味で面構えが違うんだと思います。

そんなマゾすぎるいちファンのこのnoteと、ツエーゲン金沢というポンコツチームを、これからも気にかけていただけると幸いです。






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