風が吹いた

白いシャツの袖にコーヒーがかかった。先週のことだ。こいつはなかなかやっかいで、コーヒーは染料として使われる国もあるくらい落ちにくい。あとでよく洗おうと、他の洗濯物と別に置いておいた。

日曜日の昼過ぎにそのことを思い出し、他の白いものと一緒に洗った。漂白剤の説明書きの通り、汚れた箇所に直接つけて、すぐに洗濯機を回した。この時間からだと乾かないだろう。まあ、翌日まで干しとけばいい。

そんなことを忘れて月曜日に会社に行った。東京にお住まいの方ならご存知のように、春二番なんて言われるくらいの風が吹いた。たばこに火を付けるのも一苦労の強風だった。

帰ってよく眠った。朝起きて、観葉植物に光をあてようとカーテンに手をかけた時に思い出した。ああ、洗濯物。カーテンを開ける。何もない。バスタオル3本とバスマット、ハンガーに掛けた白いシャツ2枚。あとかたもない。

混乱する。取り込んだっけ? 室内を見渡すがそんな形跡はない。ベランダから下を覗いてもなにもない。そういえば昨日の強風。冗談はやめてくれ。

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大熊信

上野から浅草通り無限遠

大熊信(だいくましん)。東東京在住の編集者、ライター。たまに写真。cakesやnoteをやってるピースオブケイクという会社にいます。最近聞いた一番面白い話は「"坊主憎けりゃ袈裟まで憎い"の対義語は"シスターのことが好きなので下着をください"」です。
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