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レポ:2023年3月4日(土)「いま、フード・マイレージから考える私たちの食のこと」

本日14時〜16時に開催された横浜市温暖化対統括本部YES(ヨコハマ・エコ・スクール)・横浜市中央図書館主催の「いま、フード・マイレージから考える私たちの食のこと」というテーマの講演会のレポートです。講師は中田哲也氏です。

イベント概要は以下のURLを参照してください。

配布資料

配布資料は4点です。レジュメ、ブックリスト、講師からのお知らせのチラシ、横浜市中央図書館調査資料課からの資料です。
レジュメは後日講師のホームページで公開されるとのことです。

内容

講演会の内容はフード・マイレージの概要、フード・マイレージの計算の仕方(具体例)、最近の動向などです。

フードマイレージの概要は講師のホームページに書かれています。

フード・マイレージは、もともとは1990年代のイギリスの「Food Miles」運動を日本でも普及させたいという想いで農林水産政策研究所で研究されました。
「Miles(マイルズ)」ではなく「マイレージ」としているのは、飛行機のマイレージのように乗れば乗るほど得するのではなく、距離が遠くなれば遠くなるほど損しているという意味を直感的にわからせるためにマイレージという言葉にしたとのことです。

フード・マイレージの計算方法は「食料の輸送量 × 輸送距離」ととても単純で簡単です。
日本だけではなく比較として韓国、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツのフード・マイレージを2001年に算出しています。
食料の輸送量は公的な統計データをもとにしています。
輸送距離は「仮定」を定義して計測しています。海上輸送だと輸出国の代表港から輸入国の首都近郊港といった「仮定」です。
フード・マイレージの結果はグラフとして示され、「総量、品目」、「輸入相手国」などがわかります。

フード・マイレージをより身近に理解するために横浜市中央図書館を消費地として、生産地を横浜市産(地産地消)、群馬県産(国産)、中国産(輸入品)という3つのケースで説明されました。
地図と距離の数値を見ながらこの3つのケースのフード・マイレージと二酸化炭素排出量を算出して比較しました。
説明を聞いていて、地産地消は本当に環境に負荷がないのだろうかと私は疑問に感じました。
その疑問の答えは、やはりフード・マイレージには「限界」があるとのことです。
まず、輸送手段によって環境負荷が異なるということです。トラックよりも鉄道の方がはるかに二酸化炭素の排出が少ない、などです。
次に、フード・マイレージは輸送「だけ」に限定した指標ということです。「食」というのは生産から加工、消費、廃棄というトータルで考えないと環境負荷の実態がわからないということです。

後半は様々なデータを示して説明されていましたが、一貫して感じたのが「自分」たち消費者の選択が「食」の生産、そして環境に繋がっているということです。

例えば、「自分」たちの食生活が巡り巡って環境に繋がります。
健康な体にするために栄養バランスを考え、そのために旬なものを食べたりして、それが結果として食料自給率が上がり、地球環境負荷の軽減に繋がります。

感想

フード・マイレージは単に距離が長いから良くない、ではなく私たちの「食」を考えるきっかけなのだと私は思いました。
「食」を考えたとき、あくまでスタートは「自分」です。自分が気づいて主体的な選択をしていくことが重要、とこの講演会では伝えていたと感じました。



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