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短足マンチカンを素直に可愛いと思えない理由

 近年、急激に人気が高まっている短い足のマンチカン。その足の短さが特徴的で、よちよち歩く姿が愛らしいと話題だ。しかし、僕はその姿を素直に可愛いとは思えない。それはなぜか。野生ではあの足の短さでは生きていけない、人間が意図的に足を短くしたのではないかと考えるからだ。人間の醜悪さ、おぞましさを現している気がして、短足猫をみると吐き気がする。(猫自体に吐き気がするのではないと補足しておく。)今回はこの自分の考えが誤解であって欲しいと思い、色々調べてみたので、以下に少しまとめてみる。

 9月16日の産経新聞にペットの品種開発と遺伝病についての記事が掲載されていたので、以下に一部を記述する。

 現在、ペットの品種開発が加速し現在は可愛い品種の全盛期だが、その裏側で遺伝病が大きな問題になっている 。新しい品種は、同じ特徴を持つ個体同士を近親交配で掛け合わせて作られる。たまたま病気の遺伝子を持つ個体が交配に使われると、その遺伝子が子孫に受け継がれていく。(一部省略)典型はスコティッシュフォールドだ。耳が垂れている容姿が可愛いと人気の猫だが、耳が垂れるのは軟骨に障害を起こす遺伝病が原因足の関節などにも極めて高い頻度で異常が現れ、生涯にわたって痛みに苦しむ。フレンチブルドッグは鼻ペチャで愛くるしいが、空気の通りが狭いため呼吸が苦しい。東京大の西村亮平教授(獣医外科学)は「深刻な病気を持つ品種は、作るのを止めることが解決策だが、どのように線引きをするかは難しい。ブリーダー(繁殖業者)は需要があれば作るので、一番大事なのは病気に対する飼い主の意識を向上させることだ」と強調する。(一部省略)品種開発は、見た目の可愛さを極限まで追求する行き過ぎた現状を改め、穏やかな性格や高い知性など、人との共生を重視する方向に変わっていく可能性がある 。

 ネットでも調べてみた。以下はWikipediaからの引用なので、参考程度に見て頂きたい。

 マンチカンという猫種の歴史は他猫種に比すれば浅いものの、突然変異体としての「短足猫」の存在は古くから確認されてきた。20世紀の記録としては、イギリスのある獣医師による極めて健康的な個体の発見(1944年)、ソビエト連邦のスターリングラードにおける発見(1956年)、米国のニューイングランドにおける発見(1970年)、そしてこの品種の直接の起源にあたる、1980年代における米国ルイジアナ州での報告などが挙げられる。本格的な繁殖が始まったのは、1983年に米国ルイジアナ州で突然変異の短足猫が発見されてからである。トラックの下で暮らしていたところを保護されるに至ったその猫は、様々な研究対象とされ、遺伝学上の検査結果、健康体であることが確かめられた。以降、通常の脚を有する個体との交配を試みたところ、同様の短い脚を持つ子猫が誕生したのである。
 やがてブリーダー主導による突然変異体を用いた異種交配の計画が始まり、これが論争を巻き起こした。交配を積極的に肯定する陣営と、遺伝的な異常であるからして公認は避けるべきとする陣営との衝突であった。
 1980年代から北アメリカの地にて繁殖が続けられた末に、1995年、ザ・インターナショナル・キャット・アソシエーション(英語版)(TICA)から新種として認定された。

 私の考えは半分正解で半分不正解であったといったところだろう。間違っていたのは、短足マンチカンが生まれたのは、人為的なものではなく「突然変異だった」こと。合っていたのは、遺伝病で生まれた短足マンチカンをブリーダーが「これは売れる」と思い、意図的に増やしていたこと。正直、1983年にトラックの下にいたのを発見したのが事実なのかは疑わしい。人為的に遺伝欠陥の猫を生み出した、しかし、それだと売れないから既成事実を作ったのではないか、...これはさすがに考えすぎか。ただ、ブリーダーが短足マンチカンを増やそうとした時に、僕と同じような疑問を抱いた方々が反論をしていたのを知って、少し安心した。

 スコティッシュフォールドとブルドックは人の手が加わった結果、奇形児として生まれてくるので、明らかな不健康状態に陥る。しかし、短足マンチカンは現状、健康体であることが確かめられているから問題はない。これで良いのだろうか?売れない長い足のマンチカンはどうなるのだろうか?短足マンチカンが実際に新種として認められたのは1995年。まだ日が浅い。これからなんらかの健康異常が起きるかもしれない。そうなった時には既にたくさんの短足マンチカンが市場に出回ってしまっていて、手遅れになるかもしてない。また、一度遺伝病の種類の品種改良を許してしまうと、今後も遺伝に欠陥のある種類を増やす行為を止めることができなくなる。

 遺伝病で生まれた犬や猫を人間の私利私欲な感情で増やし、またそれを「かわいい かわいい」と言って飼う。いや「買う」。こんなことが許されていいのだろうか?遺伝病の動物を増やすのは、その動物のためではなく人間のために行われている。倫理観に欠けることを平然と行っている。人間はこの問題について、今一度考え直した方がいい。

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参考文献:産経新聞(9月16日)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%AB%E3%83%B3

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