こんにちは、大ナゴヤツアーズです。
今回のツアーレポートは多くの人で賑わい、呉服屋、古着、アニメなどをはじめ、神社やお寺が多く存在する大須をまち歩きした「大須の古刹めぐり！大須南寺町ツアー」です。
それでは2019年7月6日（土）に開催した時の様子を中心に、ちょっとだけお伝えしますよ。

東別院

ツアーのスタートは地下鉄の駅名にもなっている東別院から。空襲で多くの建物が焼けてしまった境内で、戦火を逃れたのがこちらの門。当時の面影をいまに残しています。この場所はもともと古渡城の跡地として広大な敷地があり、名古屋城築城の際には石垣の一時保管場所として利用されていたのだとか。その後建てられたのが今の東別院で、境内には使用されなかった石垣用の石が29個あるのだそうで、それぞれに家紋が見てとれます。

南寺町の寺社巡り

崇覚寺は慶応年間に建てられ、戦火も逃れたお寺です。すぐ近くに高速や大きな道路が走っている場所にもかかわらず、外界の喧騒をシャットアウトしたような心地よいゆったりとした時間が流れていました。夏も他の場所に比べて涼しいこの場所ですが、秋には庭の木々が美しく染まりとても幻想的です。

この場所は江戸時代、北に行くと名古屋城、南に行くと熱田神宮という名古屋の基幹道であったため、大木戸と呼ばれる大きな木戸があり、夜10時から朝の７時まで出入りができないように木戸が閉じられていたのだとか。橘町という町名は、当時の藩主光友公がつけた名前で、当時この界隈には古道具屋さんや古着屋さんが軒を連ねており、着物に香としてしたためられていた橘の香りが漂っていたからなのだとか。

日置神社はこの界隈で一番古くからある神社で、創建は600年代と言われています。織田信長が桶狭間に向かう際に戦勝祈願で立ち寄ったのもここで、当時の宮司さんに助言を求めたのだとか。そして信長は勝利のお礼に松を1000本寄進し、近くに植えたため、そこの町名が松原町と呼ばれることになるのだとか。

切支丹博物館を併設する栄国寺は、処刑された隠れキリシタンを弔うために建てられました。当時幕府から命じられやむを得ず応じた藩主光友公が処刑場所に選んだのが千本松原周辺の人目につかないこの場所だったそうで、博物館にはキリシタンの人々が持っていたものや関連資料が展示されています。お堂には大仏さまが鎮座しており、鎌倉時代の作とされています。目は玉眼で、運慶快慶が使用した方法と同じものなのだとか。建立から一度も火災に遭わず、戦時中も焼夷弾が何発か降ってきたにもかかわらずすべて不発弾だったという幸運から、「火伏せの阿弥陀」と呼ばれています。

大須商店街

大須商店街の中にも寺社がたくさんあり、こちらの浅間神社は大須観音がこの地に建てられるよりも古くからあるのだとか。諸説あるそうですが、当時富士山を信仰していた小林城の牧さんがここにあった古墳を富士山に見立てて建てたのが始まりともいわれています。

そしてもう一つ、外してはならないのがこの北野神社。もともと大須観音は現在の羽島に北野天満宮とともに神宮寺としてありました。そのため江戸時代大須観音を名古屋へ移す際にもともと名古屋にあった北野神社の土地に建立して、そこにあった北野神社をいまの場所に移したのだとか。「ですから、この北野神社がなかったら大須はなかったんです」と吉田さん。

買い物を楽しむ場所というイメージが強い大須界隈ですが、そこには現在の大須のように賑やかになっていく過程の歴史があり、いまもその痕跡が各所にあることを知りました。

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開催地：愛知県名古屋市
ガイド：吉田 和正さん　/ 大須案内人

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