キーボードの沼 その2

その1の続きです

友人が「分割キーボード」の制作に挑戦しているという話を聞いた。

分割キーボードというのは、キーボードを左右2つに分割してそれをケーブルで繋ぎ、左手と右手が離れた状態でタイプできるキーボード。そのほうが人間工学的に快適みたいな話があるらしい。最近流行っていて、代表的なのが「Let's Split」、友人が作るのもこれだそうだ。組み立てた方のブログ記事がこちら。
http://riv-mk.hateblo.jp/entry/2017/03/05/164425

まず海外から基板を買う必要があり、その他にも用意するものが多く、場合によってはアクリル板をレーザーで切ってくれる店に行ったりしなければならない。友人もそうしていた。ハードルが高い。大変そうだ。それに今のキーボードにも満足しているため、この時は一旦スルーした。

ともかく良さそうなキーキャップを探すのは楽しいので、頻繁にAliExpressでキーボード関係の商品を多数扱っているショップを見ていたら、ちょくちょく「PCB」と言われる商品が目に入った。プリント基板だ。どうやら好きな基板とケースとケーブルとキースイッチとキーキャップ等を買ってはんだ付けしたりネジ止めしたりすることで自分だけのキーボードを作ることができるらしい。まあ別に作ることもないだろうと思っていたら、それらの部品一式を安く譲ってもらえる機会があった。試しに作ってみてもいいだろうと、それを買った。

はんだ付けなんてほとんどやったことが無いが、以前ゲームコントローラのケーブルを加工するためはんだごてを買ったのがあった。まあなんとかなるだろうとはんだづけし、組み立て、USBケーブルを繋いだ。動いた。なるほどね。こういう感じか、作れるもんだな。

↓どこの何ていう基板なのかよく分からん。ファームウェアも書き換えられるのかもしれないけど謎だ。

そうなると、まとめて買った物で満足するのもどうかなという気持ちになってくる。そういえばキーキャップを探す際に、自分が使っているキーボードの特殊なスペースバーのサイズでは標準的なキーキャップセットでは合わないことが多い。ここでいう標準的なというのはこういう配列の60%キーボードだ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0774J3DB4/
先程のはんだ付けして作ったキーボードもちょっと右に長い。それなら標準的な60%キーボードを1つぐらい作ってみてもいいんじゃないか。よし、作ってみよう。

自作キーボードについて知るためにはASCII.jpのこの記事が大変参考になった。
http://ascii.jp/elem/000/001/612/1612870/
この記事を参考にAliExpressで基板とプレート、スイッチ、スタビライザーがセットになっているものを選択。スイッチにも種類があり、メーカーや色によって音や押しごこちが違うらしい。青いスイッチがカチャカチャ、赤はコトコト、茶色はその中間という感じだ。前に作ったキーボードには赤いのが付いていた。また赤でいいだろう。Gateronというメーカーのものがついているそうだ。こだわる人はこのスイッチにめちゃくちゃこだわるらしい。でもまあいいや、と適当に決めていく。ケースは前からよく見かけていたこれにした。
https://ja.aliexpress.com/store/product/gh60-poker-keyboard-wood-case-Black-walnutWood-Scented-RoseWood/2230037_32734682512.html
自分で作った木のケースが気に入ってたのでまた木にした。注文だ。

2週間後、届いたキーボードを組み立てた。スイッチをプレートと基板で挟み、はんだ付けを行い、キーマップのカスタマイズやファームウェアの書き込みなど、先程のASCII.jpの記事を参考に行った。さあ打ってみよう。打てる。文字が出る。完成だ。

↓これはそのキーボードの現在の姿。結局右シフトまわりの配列を標準からずらしてしまった。

だがそこで感じる「なんか違う」感。前に作ったキーボードのほうが感触がいいのだ。そういえば同じ赤色のスイッチだが、今回のはGateron、前回のはKailhというメーカーだ。こんなに違うのか。前のほうが好みだった。なるほど、キースイッチにこだわる人たちの気持ちが分かってきた。我慢して使っていたが、数日後には前のキーボードと新しいキーボードにそれぞれつけた60個前後のスイッチのはんだを剥がしている自分がいた。はんだを剥がすのに「はんだ吸い取り機」や「はんだ吸い取り線」という道具があることも知った。

なかなか分割キーボードを自分で作る話にならないのでまた途中で止めます。

その3
https://note.mu/daioki/n/ncfa178a3aa92


ついでに宣伝です。僕が書いたまんがです。
最近単行本が出ました。


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