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EC事業の未来

僕は前職でプロファイルパスポートと オムニチャネルのツールを作っていた。

そのご縁で、日本の小売業界を代表する方々との小売に関する勉強会に参加させて頂いている。

毎回勉強になるのだが、今回はテーマが「EC」であったため、より理解が進んだ。

今日は「ECがどのように変化していくのか?」について僕なりの見解を述べたいと思う。

英国の百貨店「ジョン・ルイス」

まずは英国の1864年創業の老舗百貨店「ジョン・ルイス」の小売レポートを紹介したい。

ジョン・ルイスは、欧州の小売業界が苦戦していると言われる中で、全体で2〜3%、オンライン売上で11.8%成長している百貨店だ。

ジョン・ルイスのすごい点は3つある。

①デジタルシフト

小売業界ではクリック&コレクトと呼ぶが、ネット注文して店舗で受け取るシステムのことだ。
日本だとECと店舗は分けて考えられることが多い。しかしECを一つの販売手段として捉え、どうやって最大化できるかを考えている点はすごい。

②単品管理

店舗でのデジタル化の鍵は単品管理だ。店舗で、どの商品の、どのサイズ、どの色が売れたか?を管理しないと、ECと店舗は連動できない。
単品管理を徹底している企業は日本でもまだあまりないだろう。

日本だと僕も大好きな製品である無印良品のMUJI PASSPORTアプリが有名だが、MUJI PASSPORTが実現できるのは無印良品が単品管理をしているからだ。

③PDCA

これこそITの真骨頂であるPDCAだ。
ジョン・ルイスは毎年小売レポートを出している。

このようなレポーティングが出来るのは圧倒的なカイゼン量のPDCAを回しているからに違いない。

ECを含む小売関係者の方は一度読んで見ることをおすすめする。

参考:ジョン・ルイスREPORT

米国のEC企業の変化

EC化率という言葉がある。

小売全体の売上に対するネット通販の占める割合がEC比率だ。

米国のEC化率は11%、イギリスが15%、中国が15%で、日本のEC化率は7%と、EC化率はまだまだ低いだ。

参考:【グラフ】世界各国のEC化率推移:中国が急激にEC化率を伸ばし15%、日本は7%(2016年)

そして、米国のEC企業は圧倒的なカイゼン量で、急成長する。

上述のEC化率でもわかるように、世の中のユーザーはすべてネットで購入しない。

従って米国のEC企業は、更なる成長を求めてリアル店舗への進出が必然となる。

ここで米国のEC企業で面白いと思われている企業を紹介したい。

来月佐渡島と一緒にCESに行くので、そのときに見ることが出来る店舗は見てきたいと思います。
※もし他に見たほうが良い店舗あれば、ツイッターなどで教えてもらえると嬉しいです。

1.「BONOBOS」

サンフランシスコ発の派手なズボンをオンラインで売る会社で、2007創業で35億円以上の売上を誇る。

「その場で商品を買うことによって得られる瞬間的な満足感よりもサービスの方が重要」という考えから、予約しないと店舗に入れず、且つ、お店に在庫がない。ショールームを頑張っている企業だ。

参考

2.「Warby Parker」

こちらもネット初のメガネ屋さんだ。

設立は2010年、ニューヨーク初だそうだが、既に売上は120億円だそうだ。最高のプロモーションは口コミとし、カスタマーサポートの満足度が高いそうだ。

販売したメガネ数に応じて、非営利団体に寄付するなど、社会貢献もすごい。

参考:世界で最もイノベーティブな企業と評されたWarbyParkerのブランディング戦略

3.「Amazon」

EC企業といって、Amazonを抜きに語ることはできない。

いまや日用品はAmazonで買ったほうが安いし、AmazonEchoなどのガジェットによって家族がどうやって行動しているかを知り、ネットとリアル行動を補足している企業だ。
AmazonBooksがどのような化学反応をしているのか、一度みてみたい。


上記3つの店舗に共通して言えるのは、徹底したIT化と店舗のショールーミング化だ。

当日の勉強会で講師の方が「日本だとITをコスト削減の道具として考えることが多いが、米国では店員の高度化に利用する」と仰っていたことが印象的だった。

正に、攻めの経営。

日本でも、攻めの経営ができるような企業に、コルクはなりたいと強く思った。

ここからは、購入してくれる方限定で、英語で書かれているジョン・ルイスの小売レポートの中から、僕が注目すべきだと感じたポイントについて公開したいと思います。


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