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【旅エッセイ38】浜中町の霧多布岬

 私は地図を眺めるのが好きだ。
 部屋の壁には世界地図を貼っているし、暇な時にぼんやりとGoogleマップを眺めたりしている。

 地図を眺めて「ここには何があるんだろう」とか「どんな景色が見られるのだろう」と想像するのが面白い。霧多布(きりたっぷ)岬も、釧路に滞在中に地図で名前を見つけて行ってみた。

 北海道の浜中町を抜けた突端の岬が、霧多布岬。浜中町に行ってみると、町を走るバスにルパン三世がラッピングされている。街の食堂で尋ねると、ルパン三世の作者、モンキーパンチ先生の出身地だとか。

 浜中町の観光名所としては「霧多布湿原」がある。ここは別名を花の湿原と呼ばれるほど、春や夏には密生した美しい花々が見られる。湿原には木で渡された道や展望台が有り、雄大な霧多布湿原を一望できる。

 けれど、私が行ったのは冬なので花は少しも見られなかった。湿原には雪が降り積もり雪原になっている。それはそれで美しいので冬の霧多布湿原もおススメできる観光名所ではある。

 私の目当ては霧多布岬。旅先で「行こう」と決めた場所があったら、私は地図しか見ない。写真や観光情報を調べない。行くと決めた場所に何があるのか、どんな景色が見られるのか。それが楽しみだから行く。時々は失敗する時もある。地図に○○の滝と名前が書かれているから見に行ったら、川の水がチョロチョロと流れ落ちるだけの「一応、滝です」みたいな水場があったこともある。

 それはそれで旅の醍醐味なのだけど、霧多布岬は期待に応えてくれた。

 寒々とした雪の残る岬と、薄雲の広がる穏やかな空。海は翡翠のように青い。ポツンと見える城とオレンジの建物は岬に建てられた灯台。

 真っ青な太平洋を眺められる絶景ポイント。

 岬の絶景は私だけが知っているわけではないし、たぶん検索すれば観光スポットとしておススメしている人が大勢いることと思う。
 けれど、私があの日眺めた岬と太平洋は、私が地図と直感だけを頼りに探し出した景色だ。

 目の前に広がる海をまるで自分の力で見つけたような気がして、景色がより美しく思えた。



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ダイセンブ

旅と人生について考えるエッセイスト。散歩、自然、写真が好き。毎日、1枚の写真を載せて、旅と人生をテーマにした様々なエッセイを書いています。2019年4月21日から、1日1エッセイ継続中。

コメント2件

今日のサゲの一言良いす!
ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
鳥裸族さん
ありがとうございます!
なかなか最後の一文が決まらない時が多いのですが、今日は良く書けたかなと思っていたのでとうれしいです!
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