にくじゃが

肉じゃが


肉じゃがを作った。
引っ越してから、手抜き料理が多かったので、休みの日ぐらいはちゃんと作ろうと思って前の日から考えていた。
よし、明日は焼き魚と肉じゃがと味噌汁と漬物にしようって。とは言っても、焼き魚は焼くだけだし、味噌汁も凝らないので手はかからない。気合いを入れるのは肉じゃがだ。
朝、起きたら雨がやんでいたので、相棒をさっさと仕事に送り出し、早めにスーパーへ買い物。
午前9時から開いているのはありがたい。スーパーにつくと、店前に人だかりが・・・。どうやら、玉ねぎ・人参・じゃがいもが袋に詰め放題で200円らしい。安い・・・。だが、僕は今までこういう買い物をしたことがない。そんなに買ってもまず食べないし、無駄になってしまうからだ。ただ、いつも少し気になっていた。後ろ髪を引かれつつ僕は店内へ。野菜コーナーをぐるっと一周・・・。外にあった野菜を個別で買うと高い・・・。もう一周。もう一周。茄子などを見つつも、僕は今日は肉じゃがと決めているのだ。外には今まで手を出してこなかった「袋詰め」が・・・。しかもそこには肉じゃがで使う3兄弟がいるのだ。にんじんはきっと女性だ。
4周目したぐらいで僕は意を決した。ついに「袋詰め」をする時が来たのだ。
僕はおばちゃん達を脇目に見ながら、袋詰めルールを読み解く。どうやら、にんじんの横に置いてある透明な袋を使って、詰めていくらしい。僕は袋を手に取る。じゃがいもも玉ねぎも無骨ないい形している。にんじんは細身だ。さてさて、どのぐらい積めてもいいものなのか・・・。僕はおばちゃんの袋を見る・・・。????めっちゃ入っている。あれ?この袋そんなにでかかったっけ?おばちゃん?いやおばあちゃん?そんなに食べるの?じゃがいもを???
いろいろおばちゃんの食卓に思いを馳せながら、僕は詰めていく、どう詰めてもじゃがいも6個、玉ねぎ3つ、にんじん3本が限界だ。しかもこれで200円は安い!僕はちょっとしたクエストをクリアしたような気がして嬉しかった。ただ、おばちゃんの袋詰めスキルにはまだまだ及ばない。熟練度を上げなくては・・・。
再び僕は店内に入り、糸こんにゃくと牛肉、絹さやを買って材料調達完了。今日の焼き魚は鮭にしよう。味噌汁は豆腐とわかめ。あ、みりんと醤油が少なかったからそれもカゴに入れた。
僕的にカゴの重さは3000円コースだ。ちょっと予算オーバーだが、仕方がない。だって今日はちゃんと料理をするって決めたのだ。僕は迷うことなくレジに向かう。
朝の9時代なこともあり、レジは空いている。やっぱり今日はいい日だ。

お会計を見ると、「1800円」

安い。想像以上の安さだった。きっと袋詰めのおかげだ。そう僕は背負ってきたリュックに買った食材を入れ、徒歩4分の部屋に帰る。

魔物はその帰り道にいたのだ。

結局、スーパーと合わせ3000円以上の買い物をし、僕は部屋に帰った。

もちろん夕ご飯の肉じゃがは申し分なく美味しかったのだが、お昼に食べたケンタッキーのレッドホットチキンのボックスセット一人食いは、それ以上に美味でした。

こんな機能があるんですね!!! どんなことができるかまだ皆目見当つきませんが、 見てくれた人が、ほんの少しだけ笑えたり共感してもらえるものを 書いていきたいと思います。