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多数決はしない、全員で決める。"クリスチャニア"が民主主義の象徴と言われる理由

コペンハーゲンの三大観光地と呼ばれる"クリスチャニア"に行ってきた。

8年前、ヨーロッパをバックパックで回った時に来て以来、二度目。当時はよくわからないまま、とりあえず行っておこうかという軽い気持ちで訪れていたのだが、そんな自分が恥ずかしくなるぐらい、学びに溢れる街だった。

リーダーはいない。意思決定は全員で。

クリスチャニアでは、あらゆる議題について、興味のある住人は誰でも自由に議論に参加でき、参加者全員が納得するまで話し合いを続けるらしい。順民の誰もが参加して良いこの集会は、コモンミーティングと呼ばれている。何時間も、場合によっては日を改めることも。とにかく、お互いに分かり合えるはずと信じ、ひたすら対話を重ねていく。

デンマークの人たちの間にはヤンテローという考え方が浸透しているらしい。

「自分が人より善良だと思うな」といったような教えの数々。だから、彼らの中に人の優劣などなく、忖度などもない。みんな家族なのだから、話せばわかるはず、というマインドなんだと。

ちなみにこのコモンミーティングと呼ばれる全体集会は、平均すると約20%の住人が参加するらしい。800人の20%って、160人やん。めちゃ多いやん。その規模で全会一致しか認めないって、やばいやん。
本当にそんなやり方が成立するのか。今度、どうにかしてこのミーティングに参加したいと思っている。

大麻が売られている場所に、社会見学で訪れる子供たち

クリスチャニアの一角に、大麻が売られている場所がある。驚いたのは、そこに先生に連れられた学生たちが歩いて見学していたこと。
ちなみにデンマークでは大麻は違法で、このクリスチャニアだけは許されている(と言って良いのかわからないが、表現が難しい)。

ちなみにこの場所、コペンハーゲンの都心部から2駅しか離れておらず、かなりの中心部である。そんな場所に、違法とされてる大麻が普通に売られていて、しかもそこに子供たちを連れて行くなんて。

しかも。

そこで先生は子供たちにこう問うんだって。

「デンマークでは大麻は吸ってはいけないことになってるのに、なぜクリスチャニアだけ許されてると思う?」

きっとこの問いに答えはなく、大人たちも人によって答えは様々な気がする。現にそう言ってた。
そんな、大人にとっても難しい問いを、子供たちに問う。答えを教えるのではなく、一緒に考えようね、というスタンスで。

答えを与えられるのではなく、自ら考え見つけ出すもの。
と、日々教えられている子供たちは、なんと頼もしい大人になるのだろうかと、思った。

シェアリングエコノミーを体現している街。家族なら当たり前だよね、という豊かな感覚

クリスチャニアに建てられてる家は、基本的に全てDIY。自分たちの手で自ら作り上げる。

もちろん、家を建てることになれば、いろんな用具が必要になる。でも、家を建てるなんてそんなに頻繁にあることではないので、その用具を各家庭で揃えるのは非効率。

そこで。用具を貸し出す場所があるらしい。
その場所がここ↓

リサイクルも徹底されていて、ごみの分別もきちんとされているらしい。

これは偏見かもしれないが、大麻を吸ってる人たちなのに、しっかりしてる。
日本の教育は善悪を明確に決めすぎる。もはやそれが正しい善悪かもわからないのに。ヨーロッパに来て感じるのは、それぞれの人が持っている価値観があまりに多様すぎて、明確な線引きなどができないということ。それよりも、お互いの価値観を対話によって理解し、認め合うという文化が醸成されていると感じる。

今年からのオランダ移住で、僕も多様な価値観を受け入れられる度量を持ちたいと思った。一人として同じ人間はいない。そんな当たり前のことを考えさせられる、貴重な環境。

見知らぬ人同士の間に生まれる、暖かい繋がり

本当は、今日はクリスチャニアに関する内容だけにしようと思ってた。一日中歩き回って疲れたし、眠いし。

でも、この体験を伝えずにはいられない。感動のあまり言葉を失うような、そんな素敵な時間を過ごした。

ここは元々教会で、フライングタイガーの創設者の方が買い取ったらしい。

ここからは聞いた話。

まず、ここは「8人揃ったら食事が始まる」という設計になってるんだって。しかも、その8人は見ず知らずの他人であることがほとんどなんだと。
同じテーブルになった人同士は、ハグして挨拶をする。ご飯は個別ではなく大皿で出てきて、みんなでシェアしながら食べる。

創設者の意図として、何らかの形で社会貢献をしたいということで始めたらしんだけど、いわゆる「生活保護が必要な人向けの慈善事業」はやりたくなかったんだって。

彼らが求めているのは、生活保護受給者として特別扱いされることではなく、普通に暮らしている一般の人たちとフラットに交流することだよなと。だったら、小額ながらもお金を取って、持続可能な形式にして、でも参加ハードルを下げて、いろんな人が交流できる場にしたい。

他にも面白い視点があって。人との繋がりを求める人は、孤独な状態にある人には限らないと。例えば、恋人にフラれて寂しい思いをする人もいる。というかむしろ、超絶美男美女でない限り、全ての人が必ず経験する寂しさ。そんな時に、「あの場所に行けば何とかなる」と思える居場所があるという暖かさ。そんな、理由を問わず、あらゆる「繋がりたい」という思いを抱く全ての人に門戸を開くこの環境に、感動した。

生きる上で、本当に大切にすべきことって、実はかなり少ないんじゃないかなと。そして、それはごく身近にあることで、そこに気づいて大切にできるかどうかなのかな、と思った。

この光景を見て、改めて思った。

資本主義社会で勝った人。富を得た人が行き着く先は、やはり社会貢献なんだと。

"他人への貢献なくして、幸せは得られない"

これは誰かに教わった言葉なんだけど、今ならすごく理解できる。自分だけが、自分たちだけが良い、という考えでは、心からの幸福には行き着けないんだろうなと感じる。

僕はもちろん、資本主義社会の中で勝つことを諦めてはいない。でも、その先にあるものも常に意識し続けたいとも思う。

"精神的先進国"と呼ばれるこのデンマークやオランダで、遠くない未来にスタンダードになるであろうマインドやスタンスを、今このタイミングで学べることに感謝。

さて、明日の予告。

明日はデンマークの議員さんの話を直接聞ける機会があるらしい。日本の政治家とは成熟度が全然違う、という前情報をもらったので、とても楽しみ。

日本と比較しながら、国民の絶大な信頼を集める国の政治の真髄に触れてきたいと思う。

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