おばけの話

今から、
 
「おばけ」
 
の話をしたいと思うのですが、その前にどうしても、
 
「営業論」
 
について語らざるを得ない事情があるので早速始めさせていただきますね。
 
営業現場において、お客さんから、
  
「何かしらの懸念点について指摘されたときにどう返答すべきか?」
 
ということは、
 
「応酬話法」
 
としてある程度体系化されて語られることが多いと思うのですが、僕には、自分自身の「ある経験」をきっかけに見出し、そして今でも大切にしている、
 
「応酬話法のゴールデンパターン」
 
がありまして、それは、
 
「お客さんの言っていることにいきなり反論しない」
 
ということなんです。
まあ、これだけだと何だかありきたりに聞こえるかもしれませんが、より詳しく言うと、お客さんに自分の主張(懸念点へのカウンタートーク)を伝えるときは、必ず、
 
①共感
 
②一般化
 
③主張(カウンタートーク)
 
④事例
 
という順番で話をすることで、納得してもらえる可能性が高くなる、というものなんです。
例えば、
 
「うーん、いいシステムなんだけどセキュリティが心配だなあ」
 
と言っているお客さんに対して、
 
「いや、うちのシステムは世界最高水準の認証を取っているから心配には及びません!」
 
と言ってしまうと、もちろん中にはこれで納得する人もいるでしょうが、
 
「言ってることはわかるんだけど、なんだかなあ。」
 
と思われてしまう可能性が高いわけです。
ちなみに何故そうなるのかというと、それは、
 
「多くの人が『感情』で意思決定を行い、後からそれを『論理』で正当化する」
 
というプロセスで実施しているからなんです。
 
「右脳が意思決定をして左脳で正当化する」
 
と言いかえてもいいかもしれません。
だから、どんなに正しいロジックを積み上げられても、
 
「なんか、嫌だ」
 
「なんか、モヤモヤする」
 
という感情が先に来てしまうと、それに打ち勝つのは至難の技なんです。
だからこそ、意思決定を促す際は、
 
「感情」→「論理」
 
という意思決定のプロセスに沿ってコミュニケーションをとるということが極めて重要になるわけです。
ちなみに先程紹介した僕の、
 
「応酬話法のゴールデンパターン」
 
は、そのプロセスを徹底的に意識しています。
例えば僕のゴールデンパターンを用いてさっきの、セキュリティを気にするお客さんに対応するとこんな感じになります。
 
客 「うーん、いいシステムなんだけどセキュリティが心配だなあ。」

僕 「たしかに、セキュリティって一番気になるポイントですよね」(共感) 
 
客 「うん、そうなんだよ。」
 
僕 「実際、私が今までご案内してきたお客様の多くがセキュリティのことを一番気にしておられました」(一般化)
 
客 「あ、やっぱりそういう人って多いんだ。」
 
僕 「はい。でも安心して下さい。実はうちのシステムは世界最高水準の認証を取得しているんです」(カウンタートーク)
 
客 「ふむふむ、なるほど。」
  
僕 「例えばこのお客様を見てください。実はここ、このシステムを導入してから逆にセキュリティが高まった、とお話してくれているんです」(事例)
 
どうでしょう?
 
いきなり反論するよりもこちらの方がお客さんが腹落ちしてくれそうじゃないですか?
 
これ、ぜひ皆さんにも使っていただければと思っています。
  
さて、このゴールデンパターンなんですが、実は僕、
 
「ある不動産屋の営業マン」
 
から学んだんです。
 
あれは今から5年以上前のことなんですが、奥さんと婚約中で、一緒に住む部屋を探そうといくつかマンションを内見していたときに、赤羽橋近辺で、

「すごくいいな」
 
と思った部屋があったんです。
ただ、窓を開けて外を眺めてみると残念ながらガッツリとお墓が見えちゃってたんですよ。

 
僕 「あ、ここ、お墓が見えちゃうんですね〜。」
 
営 「あ~、たしかにお墓気になりますよね〜。」(共感)
 
僕 「はい。やっぱりちょっと…」
 
営 「実際私のお客様もみなさんお墓のことは気にしていらっしゃいました。」(一般化)
 
僕 「まあ、そうですよねぇ。」
 
営 「でも大丈夫です。安心して下さい。」(カウンタートーク)
 
僕 「えっ?」
 
営 「何といってもこのあたりは土地柄がいいので、万が一『何か』が出たとしても綺麗な着物姿で出てくるみたいなんで。」(カウンタートーク)

 
僕 「えっ?綺麗な着物?…だったらまだましか…いや、てか何でそんなことがわかるの?」
 
営 「はい。例えば先月入居されたこちらのお客様も先々月入居のこちらのお客様も皆様口を揃えてそのようにおっしゃいますよ」(事例)
 
僕 「な、なるほど…それならたしかに…って、」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
僕 「完全に出とるやないか!」
 
 
 
結局その家には住みませんでしたが、あの営業マンから学んだ貴重なノウハウはいまだに僕の仕事に活かされています。

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田中大介

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