今からすごく面白い話しますね

実は僕、

「今からすごく面白い話しますね。」

って宣言してから話をする事が結構あるんです。
そうするとたまに、

「そんな風に自分でハードルをあげなくてもいいのに。」

とか、

「あえて自分を追い込むなんて。」

というような事を言われる事があるのですが、
実は、

「今からすごく面白い話をします。」

と宣言するのはハードルを上げて自分を追い込んでいるわけでもなんでもなく、

「スベったときの保険をかけている。」

だけなんですね。
例えばもし、

「今からすごく面白い話しますね。」

と宣言せずにウケ狙いの話をしたとして、スベったとしたら、
その話を聞いた人ってどう思いますか?
もし比較的仲の良い人であれば、「スベっている」ということに対して優しくツッコんでくれると思うのですが、
もしそんなに仲の良くない人が聞いていれば、

(あれ?この人の話全然おもしろくないけど、この人はウケを狙っているみたいだ。
どうしよう、全然面白くないけどとりあえず作り笑いしとくか。)

という感じになっちゃいますよね。
つまり、

「気を使わせてしまっている」

という状況になっちゃうんですね。
人とのコミュニケーションにおいて一番良くない状況というのはこの、

「相手に気を使わせてしまっている」

という状況であり、人から気を使われている時って一番惨めな気持ちを感じるものなんです。

では、

「今からすごく面白い話しますね。」

と宣言してからウケ狙いの話をした場合はどうなるでしょうか?
もしうまくその話でウケを取れたとしたら、
自ら設定した高いハードルを飛び越えたということで、
よりレバレッジの効いた笑いを取ることができますし、
もしスベった場合や微妙なウケ具合のケースでも、
聞いている人は、

「え?今のって『すごく』面白い話ですか?」

と、ごくごく自然にツッコめますよね。
あえてツッコミ所を用意してあげているので、
相手に気を使わせることはありませんし、惨めな気持ちになることもありません。

つまり、

「今からすごく面白い話しますね。」

と宣言するのは、

「スベった時に人から気を使われて惨めな気持ちになるというダウンサイドリスクをヘッジしながら、
ハードルを超えた時にはレバレッジの効いたアップサイドの笑いを取りにいくことができる。」

という、いいとこ取りを狙えるテクニックなんです。
ちなみに、このテクニックが最も有効活用されている一番有名な事例は、あの、

「人志松本のすべらない話」

ですね。
「すべらない話」が面白くて人気なのは、もちろん出演者の話術が優れているということも前提としてあるのですが、
ウケた場合は、「すべらない」というハードルを超えることでレバレッジが効き笑いが上振れし、
ウケなかった場合は、松ちゃんや出演者が何となく微妙な表情をしながら、

「すべらんな〜」

とみんなで言うことで、

「あれ、お前この話ってホンマに『すべらない』話なん?」

という自然で暗黙なツッコミが入るので、スベりのダウンサイドリスクが軽減される、
という番組の巧妙な仕掛けにも起因するのではないか。

僕はそんな風に分析しています。

だから僕は、この投稿で全く笑いがとれていないであろう、ということも全然怖くないんです。


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田中大介

田中大介のノート

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