裏切らないもの

この写真はアメリカの刑務所の様子ではなく、大学4年の時、アメフト部に所属していて体重が105kgあった頃の僕の写真です。
(左のどちらかというとかわいい方が僕ですね。右の怖い人は本当にアメリカの囚人なのかもしれません。)
 
これはポジションにもよるのですが、特に僕がやっていたラインという最前線でぶつかるポジションは、一にもニにも体重を増やして相手に当たり負けない身体を作る必要がありました。
 
「筋肉だけで増やす」
 
なんてことは到底無理なので、まさに力士と同じ様に、食いまくって、トレーニングもしまくって、
 
「とにかく体重を1グラムでも増やす」
 
ということに命をかけていて、僕の場合は結果として入部時の67kgから4年生の時の105kgまで40kg近く体重を増やしました。
 
親には、
 
「こんな子産んだ覚えはない。」
 
と言われましたが、まあ、そらそう言いますよね。
 
僕はボディメイクのコンテストに出るためにハードな減量に取り組んだ経験もありますが、実際のところ、
 
「痩せるより太る方がはるかに大変」
 
なんですよ。
極論、人間食べなきゃ痩せていきますが、
太るためには無理してでも食べる必要がありますからね。
 
ちなみに僕がいた東大アメフト部には、
 
「体重を増やすための標語」 
 
みたいなものがいくつかありまして、
入部したばかりの一年生のときに、先輩から言われて結構衝撃的だったものの一つに、
 
「腹が減ったら罪と思え」
 
という言葉があります。
「お腹が空いている」と感じているということは筋肉と脂肪を分解してエネルギーを作り出している状況なのですが、それってつまり、
 
「痩せていっている」
 
ということなんですよね。
なので常に何かを食べ続け、一定以上の満腹感をキープすることで、
 
「身体に痩せさせる暇を与えないようにしよう」
 
という意図の標語なんですが、
 
「えっ?俺たちこれから4年間お腹空いちゃダメなんだ…」
 
というのは入部したての1年生にはかなり衝撃的でしたし、実際4年生の引退試合が終わった後に、
 
「あ、やばい俺腹減りそう…なんか食わなきゃ」
 
「やばい。俺もだ…」
 
「いや待てよ、俺たちもう引退したんだし、これからはいくら腹減ってもいいんだよ!」
 
「おお!そうか!じゃあこれ、4年ぶりの空腹だな!」
 
みたいな会話を同期としたことをよく覚えています。
 
ちなみに、いわゆる「ダイエット」に取り組んだことのある方は多いと思いますが、しばらく継続的に取り組むと、「スランプ」に陥ることってありますよね?
 
「いくら頑張っても○kgより痩せない」
 
いわゆる、
 
「○kgの壁」
 
と言われるやつです。
実はその壁、下だけじゃなくて上にもあるんですよ。
僕の場合は、それが、
 
「83kg」
 
と、
 
「100kg」
 
にあったんですが、どれだけ頑張って食べても体重がそれ以上増えない、という状況に陥ってしまったわけです。
そんな時先輩に、
 
「何をどれだけ食べても体重が全く増えないんですが、どうすればいいんでしょうか?」
 
と相談したんですが、その回答が、
 
「米を食え、米はお前を裏切らない。」
 
というものだったんですね。
いや、これも結構衝撃的でした。
だって僕それまで、米に対して、
 
「裏切る」
 
とか、
 
「裏切られる」
 
とか、そういう風に考えたこと一度もなかったですしね。あくまで僕にとって、
 
「米=食べるもの」
 
でしたからね。
 
「なるほど。」
 
と。
 
「食べものの枠を超えていかに米と向き合ってあげられるのか。」
 
「いかに米を信じてあげられるのか。」
 
「そういうマインドセットこそが大切なんだ。」
 
その言葉から僕はそんなことを学びました。
もう一度繰り返しましょう。
 
「米を食え。米はお前を裏切らない。」
 
この言葉。ぜひ小学校の道徳の教科書にでも載せてもらいたいものです。

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田中大介

田中大介のノート

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