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君が代 歌詞は元々「宴会のシメの歌」だった!?

国歌の話 第1回は 日本🇯🇵 君が代!

【歌詞】
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の巌となりて
苔のむすまで

世界的に見ても極めて短いこの曲。
メロディーも歌詞の表現も独特で世界の中で異彩を放つ名曲です。
この君が代は一体どんな経緯で誕生したのでしょうか。

そもそも、近代西洋で誕生した国歌という概念は外交儀礼上で使われるもので、外国と関わる時はお互いの国歌を演奏して自国の隆盛をアピールしたり、君主の威厳を高めたり、時には相手国への敬意を表すためにつくられました。
西洋にはこの頃からすでにブランディングの概念があったのですね。いろんな国の国歌を聴いていると、その国の国体や根本のアイデンティティやアピールしたい事のイメージが湧いてくる気がします。まあ、これは回を重ねてお伝えしたいと思います。

明治初期の日本は開国をしてこれから外交や貿易を進める上で国歌を制定する事が必須だと考え、君が代を制定したのです。しかし、当時の日本では国歌という概念やそもそも西洋の吹奏楽の演奏にも馴染みがなく、歌といえば和歌などの詩を表すのが一般的でした。

君が代の歌詞は元々、当時の文徳天皇の第1皇子惟喬親王に仕えていた身分の低い人が作った歌でそれが朝廷に認められてブレイクし、「古今和歌集」に収録されたものでした。鎌倉時代や室町時代でもこの歌は流行り、「おめでたい歌」として宴会のシメやお開きの時などにも歌われるようになりました。
今でいうと何ですかね、宴会のシメに歌える歌とかありますかね? 高田馬場らへんのイキった大学の学生が広場で校歌を歌うぐらいじゃないですかね?あれ楽しそうですけれど(笑)

話を戻しまして…この歌は江戸時代以降でも「おめでたい歌」として多くの人から愛され続けました。まさに世代を超えた大ベストヒットとなったのです。今となっては世紀を超えた伝説のヒットソングですね。現代音楽のどんなベストヒットソングも絶対超えられない壁。
またまた話は変わりますが、身分低くても歌を作る文化的な生活をしていた当時の日本ってやっぱりすごい進んでいたんじゃないかなと思えてきます。
国歌を掘り下げると思わぬ仮説がどんどん出て来てそういう部分もとても興味を刺激されます。

この歌詞を用いて、明治期にイギリスから来た軍楽隊長のフェントンが「こんな感じで国歌作るのどう?」と国歌の作曲をして出してくれたのですが、歌詞の意味を鑑みずに西洋風のメロディーで作られた曲だったため、歌詞の区切りが不自然になって馴染めず、日本人の海軍軍学長や宮内庁の雅楽課の人たちで日本風のメロディーをつくり、めでたく国歌「君が代」が誕生したのでした。

ちなみにこの国歌「君が代」は、1903年にドイツで開かれた「世界国歌コンクール」でなんと1位になったようです。詳細は分からないのですが、一体どんなコンクールなんですかね。ニッチすぎるのと同時に興味のど真ん中過ぎて、国歌マニアとしてはものすごく興味があります。すげえ行きたかったなこのコンクール。

WW2後、GHQによって一時的に君が代の斉唱は禁止されたものの、徐々に斉唱が認められるようになり、やがて今のように普通にいつでも斉唱出来るようになりました。1999年には国旗国歌法で正式に日本の国歌として制定されました。てかそれまでは「君が代」は実質的に国歌なだけだったんですね。

君が代の「君」というのは今は 国民の象徴である天皇と解釈するのが適当 というのが政府の公式見解となっております。天皇を国民の象徴とする日本の末長い繁栄と平和を祈念した歌ということになります。

これから少しずつ紹介しますが、海外の国歌の歌詞はまあ血生臭かったり好戦的な歌詞の多いこと、それに比べて非常に純潔で美しい歌詞だなと私は思います。
メロディーも綺麗さと威厳を両立していて巧みだなと感じます。サッカーの試合前に聴いてもアガらない、暗い!という意見もよく聞きますが、私は嵐の前の静けさみたいな空気が醸成出来てむしろ試合前にすごく合う曲だと思います。
日本のオリジナリティーに溢れていてとっても好きな曲です。

フェントンが作った版の君が代もYouTubeにありますので、気になる方は聴いてみてください。

あれはあれで美しい曲だとは思います。歌詞に合わなかったけどね。

※私の国歌好きは単に歴史やメロディー、歌詞が好きなだけであり、政治信条などによるものではありません。A国の国歌を褒めてたからといってA国の愛国者だ!○○主義者だ!スパイだ!などとは思わないでくださいね。

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