見出し画像

大事な習慣。

2019年6月18日火曜日。
映画「モデル 雅子 を追う旅」公開38日前。

取材を受けていて、
「雅子さんが美を保つためにしていた特別なことは?」
などと訊かれる。
「特別なこと」と言われても判らない。
特に高価な化粧品を使っていたわけでもなく、
毎日高価なエステに通っていたわけでもない。

強いていうなら「習慣」だろう。

できるだけ歩く。
朝食にヨーグルトと果物を必ず摂る。
夜20時以降は食べない。
食べ過ぎた次の日や、大きなビューティ仕事の前は、
「調整」として食事を少なめにする。(もしくはお茶のみ)
毎日お風呂に入り、毎日肌をキレイに手入れする。

そういうことを毎日丁寧に保っていた。
頑張って続けているという感じさえもはや無い。
起きたらトイレに行く。口を濯ぐ。
そういう生理的な動きになるくらいに、
「習慣」を身に着けていた。

で、二人の間の習慣は、何より
「一緒に朝食を摂ること」だ。
一緒に暮らし始めた頃、
放送局で働く僕は、夕食が家か外か不規則だった。
雅子だってまあまあ付き合いがある。
でも、前夜がどんなに遅くなっても、帰宅するわけだから、
朝には会える。だから、雅子の発案で、
「毎日、朝食を一緒に摂ろう」
ということになった。
社会人になって以来、まともに朝食を摂ることが、
僕には珍しかった。それを毎日の習慣と決めたのだ。

その朝食で驚いた。
輪切りのバゲットに乗る、白い塊と、茶色い塊。
「……何これ」
「バターとヌテラ」
「ヌテラ」
「ヌテラ、知らない? 美味しいよ」
「あとバター……これ厚いでしょ」
「バターは『載せるもの』でしょー。塗るのは邪道」

雅子の朝食では、
毎度5mmくらいの厚みのバターがバゲットに載り、
その上にごっぺりと、ヌテラの塊が載せられる。
そんなバゲットを二人で2片か3片ずつ。
まあそれが本当に美味しい。そこにヨーグルトと果物。

そんな朝食を始めた次の年の健康診断で、
僕の体重は80kgを超えた。

「あははは、やーい80kg、ぶーんぶーん」
「…あの朝ごはんのせいだよ」
「じゃヌテラやめる?」
「……ぬう……」

そんなこともあったけど、
二人で朝食を摂るのは良かった。
休みの日はベーコンとソーセージを卵を焼いて、
サラダもしっかり付けた。
前日の煮物の残りとご飯で朝食、というときもあった。
バナナとコーヒーだけ、というときもあった。
とにかく、朝一緒に食べて、
何か会話した。

一人になってしまった今でも、
朝起きる日は、何か朝食を食べる。
おかげで今日まで、まあまあ元気だ。
雅子との生活のおかけで、朝食が「習慣」になった。

雅子は映画も「習慣」にしていた。
「習慣」が人間を作る。

いま僕は、
夜勤が週3回という不規則極まりない仕事なので、
いつ眠気が来るか、いつ身体を休めに入るか、
自分でも分からない。
野生動物のように、寝られるときに寝ている。
習慣どころの話じゃない。
どうにかしたいね。

映画「モデル 雅子 を追う旅」公式サイト

アップリンク吉祥寺 劇場席予約ページ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?