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8、自己破産から学んだ事

自己投資と称して教材、塾、コンサル、セミナー、講演会などを無制限に受講している内に、あれよあれよと言う間に借金が700万円にもなっていました。クレジットカードの枠が段階的に引き上げられてショッピング枠が200万円のカードや100万円のカードが数枚ありました。それ以外にも日本政策信用金庫からの借金もありました。最後は自転車操業状態を1年ほど続けていましたが、ついに燃え尽きて精も根も尽き果て、自己破産しました。せどりを始めてから6年後、2017年8月の事でした。破産した時も最後までせどり事業は黒字でした。昔ほど利幅はありませんでしたが、それでも月20万以上の利益が出ていました。でもセミナー代や塾代で膨らんだ借金を返済し続けるだけの利益が出せなくなっていました。

たっくさんの教材を買い、たっくさんの塾やコンサルやセミナーを受けてきて痛感したのは、本当にお金と時間と労力の無駄だったなという事です。

しかし、どの教材も塾もコンサルもセミナーも詐欺ではありませんでした。どれも中身は全うな物でした。やれば稼げました。やりさえすれば…。誰がやっても再現性がなければ詐欺になるのですが、たった一人でも再現できればそれは詐欺にはなりません。「やりさえすれば」稼げますが、実際にはほとんどの人がやらないんです。「やらない」と言う言い方もできますが、「やれない」というのが実際の所だと思います。どんな素晴らしい塾でも教材でも稼げるようになって元を取れるようになるのは多くても2割。通常は1割の人しか稼げるようにならないのです。これが業界の真実です。あるコンサルタントは塾で一人でも稼げるようになったらそれは立派な事であり、1割の人が稼げるようになったら大成功であり、2割稼げるようになったらもう神だとまで言っていました。

僕がいろいろな物に手を出して痛感したのは、「作業内容そのものに興味がないとやる気は出ない」という事でした。人間は興味がある事であればたとえお金が儲からなくてもやる気は継続します。趣味がいい例だと思います。「儲かりそう」という動機だと、儲けが確定するまでの時間が長くなると途端にやる気がなくなります。僕は「せどり」には全く興味はなかったのですが、扱う商品である「本」には興味があったのと、仕入れに行って1時間2時間の作業で利益が確定できたのでやる気が継続できたんだと思います。

興味がない作業をお金のためにやるのは、苦手教科を克服して得意科目にするのと同じような苦労が伴います。本業で疲れた後に興味のない苦手科目の勉強ができる人は1割程度しかいないのではないかと思います。

僕は700万円を散財して自己破産して、やっと「簡単に稼げます」的な商売には眉唾になる事ができました。でも、未だにネットビジネスを始めとして「簡単に稼げます」という副業の情報がたくさんあります。この記事を読んでくれた人に僕が残したいメッセージは下記の事です。その事を伝える為にここまで長々と僕のネットビジネス遍歴を公開してきました。

セールスレターと言われる販売ページにどんなに良い事が書かれていても、鵜呑みにしないでほしいです。その商品の販売ページで探すべき情報はただ一つ。その商品の過去の販売数と、その商品を購入した人の結果です。何人の人がその教材なり、塾なりに参加し、何人の人がいくら稼げるようになったのか、という情報です。例えば、20万円のネットビジネス塾に塾生が100人いたとして、その100人がその塾に入った後、いくら稼げるようになったのかという情報です。それによってその塾がどれだけ効果があったのか測れます。進学校であれば、卒業生が何人いて、その内何人が東大に入れたのかが指標になりますよね。それと同じです。販売ページにその塾の卒業生のその後の実績が書かれていなければ、その塾の効果は大した事がないと見て間違いありません。せいぜい、卒業生の1割しか稼げるようにならないでしょう。塾代を回収できるのは入塾者の1割か2割しかいないと見て間違いありません。僕は商品の販売ページに卒業生のその後の実績を公開している販売者を見た事がありません。その事は何を意味しているか?それは販売者(講師)は生徒がちゃんと稼げるようになったのか、事後調査をしていないという事です。生徒がちゃんと稼げるようになったのか、興味がないと言う事なのです。つまり、生徒への愛がないという事なのです。

史上初めて公開するノウハウだから過去の教育実績がない場合があります。初めて募集するネットビジネス塾だから卒業生の実績がない場合があります。そういう場合はどうやって判断すればいいでしょうか?僕はその塾や教材はお勧めしません。それは新設高校と同じと見て間違いありません。海の物とも山の物ともつかない新設高校に入って東大に合格できるのでしょうか?東大に入りたいなら過去の合格実績が良い高校に入った方が良いと僕は思います。

たとえ本人が自分で稼ぐことが超一流だとしても、教育能力まで一流かどうかは分かりません。野球選手としては一流だとしてもコーチや監督としても一流になれるかどうかは全くの別物なのです。史上初めて公開する教材や初めて募集するネットビジネス塾という物はそう言った意味で避けた方がいいと思います。

僕がせどりをやっていた時、仕入れの現場で同業者によく遭遇しました。そこでよく立ち話をしていたのですが、本当に稼げている同業者は教材や塾を買っていなかったのです。せどりならブログで有益な情報を発信している人はたくさんいます。今ならユーチューブで分かりやすい動画もたくさんあります。稼げる人というのは教材なんて買わないで塾にも入らないでそういう無料の情報をサラッと読んで後は自分で見よう見まねでいろいろ試してみる人たちでした。

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