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7、自己投資とコンサル

自己投資にどれぐらいお金を使っていたかというと、毎月10万~15万円は使っていたんじゃないでしょうか。10万円位、数日仕入れをやればすぐ回収できると思っていたし、実際その通りだったので、自己投資と称して教材、情報商材、塾、コンサル、セミナー、講演会などに行きまくりました。当時大阪に住んでいましたが、東京でのセミナーにも行っていました。東京までの飛行機代や宿泊費も東京の店舗で仕入れをして回収していました。結局東京にいる日数が半月ほどになり、ホテル代と飛行機代がもったいなくなって東京に引っ越す事になるのですが…

5万円の教材、月3万円のコンサル、半年30万円のコンサル、半年20万円の塾、3ヶ月30万円の講座、半年100万円の塾などいろいろ受講しました。なぜこんなにも自己投資をしていたのかというと、これ以上利益を増やそうと思っても労働時間を増やしようがないレベルにまでなっていたからです。

当時、稼いでいた友人たちが僕と同じような伸び悩みにぶち当たり、それぞれが新たな道へと進んでいました。彼らは、利益率を捨てて利益額を重視するために、古本の仕入れを止めて中古CD、新品CD、DVD、ゲームソフト、フィギュア、プラモデル、おもちゃ、家電、パソコン、スマホ、周辺機器などへと流れていきました。仕入れ先もブックオフだけではなく、他のリサイクルショップ、おもちゃ屋、家電量販店、ヤフオク、ネットショップ、メルカリ、輸入などへと広がっていきました。

僕も古本だけに限らず、いろいろな物を仕入れるようになっていきました。仕入れ先もブックオフだけでなくいろいろな店を回り、ネットでの仕入れも併用していくようになっていきました。しかし、結局、105円で仕入れた商品が1500円、5000円、1万円に化ける喜びやワクワク感を感じさせてくれるものはありませんでした。結局面白くなくてやる気も出なくて、結局古本せどりに戻ってしまいました。

そんな僕を置いていくかのように、友人たちはペットグッズせどりからペットショップを楽天で開業したり、家電せどりからパソコンショップを始めたり、中国輸入から現地工場と繋がって自社ブランド商品の製造を始めたり、古本の買い取りサイトを作って古本屋になったりといろいろな方向性に進んでいきました。

この頃は僕も相当悩みました。このまま自分が一人でブックオフで古本を仕入れ続けていてもこれ以上の利益は望めない。むしろライバルは増えてきている。ブックオフも大幅な値上げをしてきた。しかもアマゾンの価格に合わせて値付けをしてきてあまり利幅も望めなくなってきた。このままではいずれ廃業に追い込まれる。このまま座して死を待つのではなく、今の古本事業が順調な内に次の柱となる事業を作り、育てて行かなければならない… 毎日そのために情報収集し、起業ネタを探し、試し、失敗して、の繰り返しでした。

買取サイトを作って倉庫を借りてアルバイトを雇って株式会社にして…という方向にも興味が湧きませんでした。そこまで本腰を入れて自分の人生を掛けて取り組みたいとまでは思えなかったのです。

いろいろな人から「内海さんはもうプレーヤーとしては十分に稼いでいると思いますよ。それだけの実績があるんだからもう教える側に回った方がもっと楽に大きく稼げますよ」と言われました。確かにそうだろうなとは思いました。でもなかなか教える側に回ろうと思えなかったのです。と言うのも、教えた人全員を稼がせられるか自信がなかったからです。でも、あるコンサルタントに誘われてついに教える側に回った事もありました。半年25万円という安くないコンサル代を生徒さんから預かりました。なぜこんな大金を預かる気になったかと言うと、もし万が一生徒さんが稼げるようになれなかったら、その時はもう僕が生徒さんと一緒に仕入れに行って利益25万円以上分の仕入れをして生徒さんのアカウントに出品してあげればいいと思ったからでした。これなら生徒さんは絶対に赤字になる事ができないと思いました。そこまでの脳内シミュレーションをして初めて教える側に回る気になったんですね。でもいざ生徒さんから25万円が振り込まれてくると、いろいろまた悩むようになりました。これからこういう生徒さんをたくさん募集しても、生徒さんの体力、性格、やる気、興味、使える時間、使える資金、通える範囲にあるブックオフの数、車の有無など、人によっていろいろな条件が違ってくるし、稼げるようになるまでの日数も違ってくるし、完全初心者が週末だけで副業的にやるだけでは月5~10万円が良い所かな… 月5万円程度の稼ぎのために半年25万円というコンサル代は適正なんだろうか…でもそれ以下の値段に下げると僕自身やる気が出ない…とか、僕の稼ぎ方は万人向けではない、では生徒さんの性格や資金などを面接の段階で見極めて受け入れるか受け入れないかの判断をするのか、生徒さん同士が店舗でかち合わないためには一つの県に何人までが適正なのかとか… いろいろ考えていく内に僕がやってきた稼ぎ方というのは僕自身の性格に合っていただけで決して万人が真似できるようなものではなかったなと気付きました。万人向けではない稼ぎ方を万人向けに募集するそのあり方など、いろいろな事に釈然としない思いが高まり、結局、その生徒さんを教える事は辞めようと思うに至りました。それを当時の先生に伝えたところ、その先生が僕の生徒の面倒を見るという事で妥結しました。生徒さんから預かっていたコンサル代25万円はそっくりそのまま先生に渡しました。

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