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6、順調な滑り出しと破滅への兆候

それからは毎日のようにブックオフに通うようになりました。当時は105円の古本の棚にたくさんのお宝本が置かれていました。(今はもうほとんどありません) どれぐらい凄かったかと言うと、105円で仕入れて1000円~1500円で売れる本が1店舗で5冊から10冊、いい時は20冊も手に入りました。出品してから売れるまでの期間は平均2週間から1か月でした。2~3ヶ月待てば余程の事がない限り売れて行きました。不良在庫はほとんどありませんでした。1万円以上で売れるような利益率の高い本を全体の1割程度仕入れていましたので、不良在庫は0ではなかったのですが、それでも不良在庫の仕入れ代金はその他の回転の良い商品の利益ですぐに回収できていました。そしてついに105円で仕入れて5000円以上で売れる本や1万円以上で売れる本がポツポツ出てくるようになりました。こうなるともう普通に働くよりも余程いいと思うようになりました。この頃は副業に力を入れる為、サービス残業の多い正社員の仕事を辞めて、定時に帰れる派遣社員をやっていました。せどりでの仕入れが順調に行くようになったので、自分の仕入れ時の時給を調べてみると5000円を超えていました。派遣社員の時給も超えるようになったため、派遣社員も辞めてせどり一本で生活するようになりました。当時はどういう生活をしていたかと言うと、週3~4日自宅から自転車で通えるブックオフを回り、週2日は遠い店舗を車で回り、週1~2日は出品代行会社への出荷などの事務作業に当てていました。仕入れの日は朝10時の開店から夜7時から8時頃までひたすら仕入れていました。ずっと立ちっ放しだったので足は確かに疲れましたが、目の前に落ちているお金を拾う作業のようなものに感じられていたため、そこまで苦になりませんでした。ブックオフの本棚に100円玉、500円玉、1000円札、5000円札、1万円札が挟まっていて、それを見つけて引き抜いてくる、そういうような感覚でした。当時の月間の経済状況は概算で以下のような感じだったと思います。平均仕入単価350円、平均販売単価1300円、アマゾン手数料単価400円、経費単価200円、平均利益単価350円、平均販売日数20日、月商130万円、平均仕入れ数1100点、平均販売数1000点、利益35万円でした。休日は一日もなく、朝から夜遅くまで仕入れたり事務作業したり情報収集したりしていたので、1日平均12時間は働いていました。月間30日働いていましたので月間労働時間は360時間。時給に換算すると950円程度にしかなっていなかったですね。凄く儲かっていた気がしていましたが、今振り返ると全然大した事なかったんですね… 山で栗や野イチゴを拾ってくるぐらい楽しい作業だったので全く苦にならなかったんですね。

今まで手取り17万円とかでカツカツの生活をしていた人間が急に毎月35万円近くのお金が入ってくるようになりました。元はと言えば1万5千円のせどり教材を買って急に稼げるようになったので、「自己投資」は無駄にならないと思い、もっと自己投資してもっと稼げるようになりたい、もっと楽に、もっとたくさん稼げるようになりたいと思うようになりました。そこから毎月のように教材や情報商材を買いまくり、コンサルを受けたり、ビジネス塾、起業塾、自己啓発セミナーなどに行きまくるようになっていきました。

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