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ダイアンさんと私③

もうファンの中ではご本人と並ぶ人気を誇る、きみこさんの姿がそこにはあった。なんと、私の隣の隣の席に座っていたのだ。

私は、お母さんに聞こえるようにいつもより大きめに笑っておこう、そう思った。

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オンライン配信も販売中とのことで、ネタバレになってはいけないので詳細は割愛するが、分かりきっているものの改めて言いたい

めちゃくちゃおもろかった。

ユースケのあの手首で泣くやつほんまになんなん。あれめちゃくちゃ会場ウケてたけど、あれがおもろいって気付きはるのがほんまにすごい。

ユースケさんの復帰の挨拶で幕を開けたまんざいさん。続いて津田さんから特大のスーを受け取る。そこからというもの、NGKが崩れてしまうのではと、もはや不安になるほど途切れることなく巻き起こる爆笑の連続。これこそが「漫才さん」だ、と我々に突きつけてくるような彼らの舞台はかっこよかった。

お母さん招待してるのに、平気で「セッ◯◯」とかネタに入れちゃうあたり、めちゃくちゃダイアンさんだった。

あとダイアンさん全体的に、宿に泊まるネタ多くないか?宿に泊まるネタが得意なんだろうか。宿に泊まるネタが得意って何?フクロウが細くなるところで会場は揺れてた。

師匠に借りた本無くすっていうネタの設定、いつ思いつくんやろほんまに。ほんで最終的に弁護士に師匠が恫喝されて、ユースケは裸踊りで食って行くみたいな話になってたけど、今思い返してもほんまに何聞かされてたんかわからへん。会場は揺れてた。

人生で最後に食べたいもののネタはほんまに最高やった。例のラップバトルを彷彿とさせる掛け合い。カツ丼の話してる時あんなに楽しそうやったのに。会場は揺れてた。

こだわりの強いラーメン屋さん、漁師やってGoogleでシステムエンジニアやってからAV男優になって、最終的にラーメン屋さんになった人のネタ。なんかティムバートンの映画見てるような時間だった。ユースケさんが湯切りした瞬間、会場は揺れてた。

津田さんが一人焼肉行ったことないから練習しとくって言うネタ。パクソジュンのことを「歯糞ジュン」って聞き間違えるところで、私は笑いすぎて記憶が飛んだ。会場はあんま揺れてなかった。

VTRもコーナーもむちゃくちゃ笑いました。お尻デカすぎる人で死ぬほどウケてるおじさんおったな。お尻でトランプの数字当てるのほんまに天才かと思った。お腹ちぎれるくらい笑った。

あとVTRで知ったけど、受付の大柄な男性はダイアンさんのマネージャーの細田さんだった。写真撮って貰えばよかった。

そしてユースケさんはやっぱりごちそうさんを言わなかった。

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あっという間に2時間の公演が終わり、友人Tに改めて御礼をつたえ、感想を交換しながらいそいそと劇場を後にする。

NGKの二階から降りるエレベーターの前で赤いニットの女性が目についた。きみこさんだ。気づいた時にはエレベーターは閉まりかけており、隙間からかすかにきみこさんが覗けるくらいだった。どうしても写真を撮ってもらいたい私は、追いつけ追い越せとエスカレーターを駆け降りる。周りの人はきみこさんにまだ気づいていない。

エスカレーターを降りた頃には時すでに遅し。金髪でめちゃくちゃパーマを当てて、サイドを刈りあげた、やけに細いズボンを履いたチャラいお兄さんにきみこさんが写真を頼まれていました。意外にきみこさんはノリノリでゴイゴイスーのポーズをとり、結構みんなに聞こえるくらいの声で「ゴイゴーイス」と言って写真を撮っていました。そこでみんながきみこさん気付き、写真待ちの列ができそうになった瞬間、スタッフが即座にきみこさんを関係者通路に誘導。

写真撮影はそれ以上叶うことはなかった。

きっと最初に気づいたのは自分なのに、ここ一番で写真をお願いしにいけない自らに不甲斐なさを感じながらも、それを補っても余るほどの充実感で私はNGKを後にした。

きっと、2023年でこの日を超える金曜日はないだろう。私はそう確信している。

まんざいさん2022に携わった方々、私をこの会場に来させてくれた方、心から御礼を申し上げます。

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