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上海馬戯城・動物サーカス 夢見る頃を過ぎても 世界美異識紀行

皆様こんにちは。今更ですけど私は東京で非正規労働者として社会の複雑さに耐え忍びながらヒイコラズンドコやっている比較的体力のない独身女性です。思想的には左巻きですが支持している特定の政党はありません。私に人権はありますから、当然何の因果かこれを読んでいるあなたにも人権はあるのです。そういう事で今後ともご贔屓にね!
私の夏休みは自己決定により8月末から9月頭まで1週間。魔都、上海に行って参りましたの。

飛行機が遅れてグロッキー、でも浦東空港からリニアには乗れた。
宿へ到着したのは夜10:30。私にとって海外で夜9時以降は深夜の扱い。女ひとりなものでね、警戒し過ぎるくらい警戒しているんでげすよ。

宿は築100年をゆうに越える歴史的な建築で、中国マフィアが倉庫に使っていたらしい。シャワーは水しか出なかったが、ルームメイトの中国人ガールがフロントに言ってくれて、お湯が出るようになった。やっぱりちゃんと"伝えよう"としないと駄目だよな。他人への好意とかも。

私はサーカスの類が大好き。シルクドソレイユみたいなハイパーなやつもいいけど、人間味溢れるアナログなサーカスが見たい。で、絶対あるだろうと思って探したら私の嗜好にバチッとはまるショウを見つけたので、取り急ぎ向かった。

地下鉄の最寄り駅ではいかにも楽しげなピエロの看板がお出迎えしてくれる

馬戯城中劇場!通称ハッピーサーカス。
あたり一面にケモノの匂いが漂っている。チケット買う~。ここは一番安い席で決まりだ(90元。1400円くらい)

ガラガラと音をたてて、ぞんざいな檻に入れられたクマが会場内に連行される。馬がトボトボとピエロに引っ張られてる。これは・・期待できる!私がサーカスに期待しているのは流浪の哀愁に他ならない。

席を案内するピエロのおっさん達が、ピエロの扮装も全く似合っていないし、態度も極めてやる気がなく社会主義的でかなりのベストアクトだった。

ドリーミィで刹那的なこの瞬間が好き。

可愛い以外の言葉が見つからない小型犬たちの芸
・・好き!

何か回しちゃってるし・・

オウムと双子のお姉さんも頑張っている。

熊もいる。こういうのを"可愛い"って感じるのは前時代的な感性だとは思うが、可愛いものは可愛い。力の弱い存在を"可愛い"と思う事と同じように。

夢のような時間が過ぎる。家族連れ100パーの中で、妙齢の外国人女性が1人でサーカスを鑑賞している・・そんな事はまるで気にならない位、上海の人はあんまり他人に興味がなさそうで、いいと思った。私も同様に他人に興味がないほうなのでありがたい。

お客さんをイジるコーナーもあり・・バンコクの中国人向けニューハーフショーでもこんなコーナーがあったので

世界美異識紀行 バンコクの秘境ニューハーフショー 金東尼人妖秀(GOLDEN DOME )で見る電気羊の夢|Daisy|note(ノート)https://note.mu/daisy_life/n/n97f51e1c739f

鉄板ネタなのかもしれない。ピックアップされたお客さんはみんな小さな子供連れのお父さん達で

盛り上がっていた。無事、勇姿を披露したお父さん達には、小さなヌイグルミの"お土産"が手渡されていた。そのヌイグルミはそれぞれの家庭の適当な場所に飾られて、今夜はその話題で盛り上がり、子供は成長して、いつか思い出話になるのだろう。

ボーゼンと眺めるばかりの
アクロバティックな演目もある

馬とエアリアルシルクと美男美女を融合させた幻想的で美しいショー。こういうのは本当に素晴らしいとしか言いようがない。非現実の極致・・

永遠に終わらないで欲しいのに、本当に愉しい時間はあっというまに終わり、戻って来ないんだ。

で、公演が終わったあとはこのように子供をお馬さんにのっけて記念撮影出来るんだけど

その料金は全員QRコードで決済していた。

全て人力の"レトロ"や"古き良き"みたいな言葉でやっつけてしまいかねない雰囲気と

合理的でシビアなこのギャップはすごい。
けれどもそこにあるのは万国共通の家族への愛である。

駅の名前も素敵だった。
Shanghai circus world station
中国って、物理的にも文化的にも日本と
とても近いのに
とんでもなく面積も人口も違うから
明晰夢を見ているような気分になる場所だ。
(台湾や香港に対してはそう感じない)
私もヘンリー・ダーガーのように孤独な夢の世界で生きていきたいと思わないこともないけれど、目を見開くと、ああ今日も世界は美しい。

ローカルウイグル料理屋さんで食べた酸っぱい白菜のごはん。こういうものが一番好き。

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