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なぜ私でなくあなたが?タイ・チェンマイで女性受刑者から受けるプリズンタイマッサージ

[世界美異識紀行]
くしくも私には今のところ前科がない。
Why not?
誰もが認める、立派で品行方正な人間だから・・?
そんな訳がない。
紛れもなくただの運(LUCK)だと思う。
たまたま人を殺したり
覚せい剤に手を染めたりすることもなく
物も盗まずにやってこれた。
それは実に幸運だった。
けれど、これからもそうかはわからない。
ボケた両親の頭に布団でもかぶせて・・
あり得る!容易に想像できすぎ。
人間はあるほんのタイミングによって、
社会的に隔てられる。
なぜ私でなくあなたが?
タイのチェンマイに刑務所が運営する
女性受刑囚によるタイマッサージがあると聞いてとにかく行かないわけにはいかなかった。

うだるような暑さと大気汚染の中
旧市街を歩き辿り着くと
全然思ってたのと違う!
めちゃくちゃポップで仰天する

受付には看守らしき女性が控えている。
我ながらどうしようもない英語で希望を伝えて、予約カードを貰った。

2時間にしたっていいのだが、1時間にした。予約時間に戻ってくるように、と念を押された。

レストランも併設されている。
ごらんの通りみんな思い思いに
和(なご)んでる・・
レストランの女性スタッフも
おそらく受刑者だと思うが、
どこまでも明るい空間だ。
気を失いそうになるくらい暑いので
周辺をウロウロする気にもならず、飲食して待つ。

時間となり、トイレで着替えた。
早速自分で自分を盗撮。
うーん、私こそ"女囚"感が尋常ではない。
何ならここで、雑役かなんかして
働いていたって何の違和感もない自信がある。
日本での生活を捨てて・・いいかもしれない。タイ料理がもう少し辛くなければ。
マッサージは至って普通だった。
綺麗でも汚くもない薄暗い大部屋に
ベッドが並べられ、お姉さんたちは
普段の私やあなたと同じく、
淡々と労働に従事していた。
タイの女性受刑者は日本と同様に
薬物での逮捕が多いのだという。
このお姉さんは何をしたんだろう。
きっと普通に暮らしていたというのに。
日本の職業訓練だと美容師や介護になるんだろうな。チップは直接渡せないので、
受付のチップボックスに100バーツ札を入れた。

チェンマイにはお寺がいっぱい。
私も自分を救ってくれる何かをずっと探してる。それは男ではなく、金銭でもなく、ましてやアムウェイでもない。
もしかしたら人類が未だ見いだせていない
何かかもしれないと実は本気で思ってる・・
だから私はこんな狂った世の中で
まだ観念する訳にはいかないのだ。
ネヴァーギブアップ。

チェンマイはベジタリアンカフェ天国で、
肉の消化力が異様に弱い私にはありがたい。
でも非ベジタリアンのローカル食堂の3倍くらいの値段する。
これはココナッツミルクベースの
ソースがかかった麺とマンゴーシェーク。おいしい。

水餃子スープと、ハーブで色付けしたもち米。林檎とニンジンのスムージー。どれも最高においしい。

泊まったゲストハウスは
水木しげる先生の描くところの
"南方のテンゴク"みたいなところだった。
ぼろくて若干ダウナーで
ほっといてくれて良い感じ。

あたしたちが臓器の袋である以上
現実と格闘しながら
汗と血を流して生きていかなくちゃならない。

Chiang Mai Women’s Correctional Institute Massage

Ratvithi Rd, Tambon Si Phum, Amphoe Mueang Chiang Mai, Chang Wat Chiang Mai 50300 タイ





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