たった一つだけのオリジナル

誰とも比較をしないでいられる世界に一人だけの私、という言葉はとても響きがよいが、これを実現するのはとても難しい。

例えばあなたが長い間独り身だったとして、異性の友達に(しかも好みの)あなたはあなたのままで魅力的だ、と言われても納得しきれない。なぜなら目の前の相手がまずあなたを選んでいない。反対にあなたをオンリーワンだと褒め称えなくても、相手があなたに惚れ込んでいれば十分自分は特別だと思える。

誰とも違う自分らしい自分になりたいと願っている点で、多くの人は似ている。私は私のままでいいと思えるためには、世の中からの評価は一切なくても構わないという覚悟がいる。人の評価で自分の良さを認識するのであれば、すでに相手に選ばれるという競争に乗っかってしまっている。人は選択をする際に、現在の選択肢か過去の経験かわからないけれどなんらかの比較をしている。比較をするということは私の認識では競争が含まれている。

本当のオンリーワンには説明がない。説明している時点で比較がある。無人島で誰とも会わずに育てば、自分の背が高いのかどうかもわからない。人は人生で出会ったものとの比較によって自分の個性を説明する。”私は(今までの人生で出会った平均値より)背が高い”という風に。

人はみんなオリジナルでそれぞれに良さがある。ただし、あなたが会社や友人や、恋人に選ばれるには相手のランキングの上位に上がらないと選ばれない。選ばれたいという欲求と決別することでようやくオンリーワンという感覚が生まれる。しかしながらそれは承認をされたいという欲求と決別することでもありなかなかに厳しい。その欲求を覆い隠してナンバーワンよりオンリーワンという人は、抑えつけたものが人生の後半で返ってくる。

2015年01月25日 blogより

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Dai Tamesue(為末大)

昔ハードルを飛んでいました。

一億総「社長」「復業」時代の働き方と経営術

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