「日本では記載ありません メーカーで選ぶ時代に来ています」

野嶋ゼミファクトチェックチーム(馬塲、柴田)です。

今回は「日本では記載ありません メーカーで選ぶ時代に来ています」という内容で11月29日、X(旧Twitter)に投稿された内容についてファクトチェックを行った。

検証対象

Xの投稿より

この投稿は「m2ensen」というアカウントから「日本では記載ありません メーカーで選ぶ時代に来ています」という内容で投稿されたもの。

このテーマを選んだ理由

  • この情報は食品に関わる身近な問題であり、事実なのかそうでないのかについて気になったため

  • 投稿されたアカウント「m2ensen」のフォロワー数が多く、影響力が大きいと考えたため

「m2ensen」のアカウントのフォロー、フォロワー数
  • 投稿にはコメント102件リポスト1346件いいね4421件表示回数129万件もついており影響力が大きいため

検証判定・レーティング

ミスリード


一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。

FIJのレーティング基準より
https://fij.info/introduction/rating

検証結果 その①

この画像の商品が一体どこで売られているのかについてまず検証を行った。
画像のラベルからみると「IMPORTED BY AKT Trading Inc.」と記載されており、取引先は「AKT Trading」という会社であることが分かる。
この会社は日本の他にタイ、中国、韓国などの商品をアメリカへ輸入・卸売りしている会社であることが分かった。

AKT Tradingのサイトより
https://aktusa.com/#media

よって販売先はアメリカであることが分かる

検証結果 その②

画像の赤丸で囲まれた注意書き自体は実際に存在していた

「m2ensen」の投稿の画像より

画像に記載されているURLは実際に実在しており、リンクから「Proposition65」というカリフォルニア州が運営しているサイトへとつながる。
「Proposition65」とは1986年11月に住民投票により制定されたカリフォルニア州法である。簡単に説明すると、がんや生殖機能障害などを引き起こすとされている化学物質から市民を保護することが目的となっている。

参考にした資料(USCA_qa.pdf (jetro.go.jp))「Proposition 65」には1000以上の化学物質がリスト化されているようである。(2020年1月現在)
内容の例としては

  • ペットボトルの容器、キャップに含まれる成分

  • 酒類を含む発酵食品に天然に存在するカルバミン酸エチル

  • 自然に含まれる鉛やカドミウム

など様々な物質が規制の対象となっている。

「Proposition65」のサイト元
Proposition 65 Warnings Website - Your right to know (ca.gov)

検証結果その③
ラベルに記載されている表示を詳しくみてみると
「ミツカン特選ポン酢香り蔵丸絞り」とローマ字で書かれている

この商品名を検索すると一字一句同じ商品がヒットした

確認のために原材料名についても翻訳して比較してみると、こちらの商品とほとんど一致しため、投稿内の画像は左右で違う商品であるといえる。

付帯意見
今回の事例に限らず、日本製・海外製問わずあらゆる商品にPropostion65に定められた警告文が記載されていることがわかった。
また、カリフォルニア州の店では、店内にある商品に対して店頭の入り口に一括で警告されている例もある。


このことから、過剰に危険な商品だということを表しているわけではなく、消費者が参考にする程度のものではないかと考えられる。

まとめ
カリフォルニア州法「Propostion65」によって警告文の記載は実際に存在している。しかし、投稿内の左の画像は「荏原焼き肉のたれ」であるが、右の画像は「ミツカン香りの蔵丸絞りゆず」であり、重要な事実が欠落しており、誤解を招く恐れがあると判断したためミスリードと結論付けた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?