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『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』

『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(原田曜平、幻冬舎新書)を読んだ。博報堂ブランドデザイン若者研究所のヤンキー135人徹底調査をベースに、次世代の有力な消費者層としてヤンキーを捉えた。

今のヤンキーは3世代目だという。かつての"不良"がヤンキー1.0、いわゆるヤンキー、チーマーのヤンキー2.0、そしてヤンキー3.0としての地元にこだわる新保守層マイルドヤンキーの時代へ。

尊敬する人はEXILEのATUSHI、長渕剛、会社の先輩。

鉄パイプ片手に暴れまわるのではなく、全体的にいい人、やさしくマイルドで悪羅悪羅系残存ヤンキーとダラダラ系地元族に大別される。彼らは地元大好きなので遠くへ旅行はしないが、クルマを買うし、高級ブランドが好きで、一軒家を建てて一人前という価値観を持った優良な消費者という側面を持つ。

マイルドヤンキーは「EXILE的な考え方」をする。女子は西野カナの歌にひかれる。

「これは「成りあがり」の真逆を行く考え方です。永ちゃんは故郷の広島を捨て、親類縁者と決別し、初期に横須賀で組んだバンドは「ベストメンバーではないが自分がビッグになるため」と割り切って、踏み台にした過去がありました。今のマイルドヤンキーが最も重視するのは、成りあがることではなく、地元に住み続け、中学時代の地元友達と一生変化のない生活を送ることなのです。」

閉じた人間関係と低いITリテラシーのせいでバカッター事件を引き起こしたりするが、総じてルールを破ることは嫌いで、人に迷惑をかけたくない、近所のイオンモールやファミレスで中学から一緒の仲間たちとダラダラしていたい。そんな野望を持たない若者像に対して、こんな商品やサービスを提案すれば売れるぞ、とアイデアが幾つも紹介されている。

ベースの調査詳細はないので統計的な正しさは見えないが、なんだか実感的によくわかる内容で、若者向けの商品開発のヒントになる。

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